あらすじ
仕事はぼちぼちで、海外旅行なんて行けないけれど、ルームメイトと乾杯する小さなテラスはある──『フィフティ・ピープル』のチョン・セランが、明るい未来が見えない世界だからこそ、ささやかな希望を失わずに生きる人々をおかしみをもって描く、掌篇小説集。
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Posted by ブクログ
作者の考えがストレートに伝わってくる掌編集。
難しいものもあったけど、全体的に好きな雰囲気だった。チョン・セランさんのことを好きだなと実感できた。
終盤の2編、『恋人は済州島生まれ育ち』『ヒョンジョン』が特に好き。
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様々な媒体に発表された短いストーリー集
日常の何気ない一コマを切り取ったチョン・セランさんの文章が好きです。
一つ一つのストーリーのあとに、書かれた媒体と説明があるので、それを読むとなるほど、と思います。
その意図を知ってからストーリーを読みかえしてみるとまた違う理解になったりして楽しめました。
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「チカ」
静かで穏やかで、やさしさのような、不穏なような、歪な自由について。どんな経緯であっても、故人だったとしても、人間の要望の方がロボットの存在(いのち?)より重い世界であることも含めて、結末にはればれとした自由と心ざわめく気持ちがしました。
チカのバレンタインさんは「苦痛を感じられないものは本物とは言えない」と言いつつ、痛みを知っていたのかしら。それとも、バレンタインさんの言う「苦痛」は身体の感覚としての痛みだけなのかしら。チカはバレンタインさんにとって本物だったのかしら。
あとは「恋人は済州島生まれ育ち」「ヒョンジョン」が好き。ヒョンジョンは無事だとよい。
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何か(思い出せない)で知って、韓国の作家さんの本、面白いかな?とメモを残しておいた。
掌篇?小説集でした。
自分の勝手な韓国のイメージに当てはまってる感じというか、当てはめようとしちゃったかな。
いろんな媒体からの依頼に応える内容で、理解不十分なもやもやが多かった。
韓国は好きだけどまだまだ知らないことが多い故にかもしれません。
閉塞感をどう打破するか、我が国だけではないのだなと感じた。それがない国は世界にあるのかとも。
Posted by ブクログ
掌編を集めた一冊。依頼元のテーマに寄せすぎることなく、著者の一貫した社会への怒りや違和感、様々な社会問題への考えがストレートに表現されており面白い。あとはやはり似て非なる文化の片鱗も感じる。
Posted by ブクログ
掌篇小説、いわゆるショート・ショートに詩を二篇加えた本だ。環境破壊、性加害、世代間格差な社会問題にも触れているのが、彼女の長編小説のテーマとも重なるが、しかし、まずは想像力豊かにコピーライターのように器用にクライアントの注文に応えて書いている感じがする。チョン・セランは多才であるという認識を新たにしたが、どうその文才のそれぞれが深まっていくのかを長編小説を読んで確かめてほしいと思った。