すんみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
韓国の女性労働者の実態を統計とナラティブの2つの側面から整理し紹介している。
本当にどの女性労働者も聞くに耐えない酷い状態で60歳を過ぎても働いている。結婚が避けられない時代に結婚によって地獄に陥っているのに、夫に義理や情を持ち続けている人も少なくない。理解不能だが、そういう状況はあるのだろうと思う。
私はこれを読んで農家をしていた祖母を思い出した。365日作物を祖母ひとりで育て「女は売買の場では舐められるから」と祖父が収穫物の納品になるとしゃしゃり出てくる。そしてその収益が祖母に入ることは結婚して亡くなるまで1度もなかった。祖父の暴挙を止める人もいなかった。もっともっと祖母を労っていたら良かった。 -
Posted by ブクログ
「宇宙規模の愛をあなたに」
旅行から帰って来た彼氏がおかしい、その正体は宇宙人だった。
宇宙人、と言っても地球を侵略する類の話ではない。
主人公に一目惚れしてしまい、遥か宇宙の彼方から財産も故居も捨てて逢いに来たという愛の物語。
外見は彼氏でも中身は宇宙人。
その戸惑いは長く続くが一途な愛にやがては彼女も考えを変えていく。
やがて、本当の彼氏が地球に帰って来るという試練の時が訪れる瞬間は大きな山場。
少し不気味なサスペンスミステリーの前半、主人公の気持ちが変化するラブストーリーの中盤、面白さとほんのり泣けるSFの後半と様々な読み方が出来る1冊でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ歴史を追って韓国の男性性がどう形作られてきたかを概観することができる良著。
朝鮮王朝時代の両班である士大夫は、官職を出すため、家族をかえりみず、学問に励むことが美徳とされ、学者が武者を見下してきた文化、何もしないため、女性が家計を支え家事労働も全て請け負ってきた、というところで神戸のおじいちゃんとおばあちゃんを思い出した。
朝鮮王朝時代のヘゲモニックな男性性は家族や国を守ったりすることではなく、徹底した無能力ぶり、とは著者の言葉。生産、再生産は女性と下層身分に押し付け、自分たちだけで名誉と権力を分かち合ってきた、らしい。
しかしこのような男性性のあり方は、近代に入り西欧列強や日本の侵略により変化していった。
すなわち体を鍛え、規律を守り、国家と民族のために戦う備えをする。輸入された男性性。
日本においても明治維新により、西欧から男性性を輸入した部分はあるが、戦国時代を経て、武士や江戸時代の商人、農家の営みにおいて男性が主体的な働きをしていたことにはかわりなく、韓国よりも西欧式の男性性への移行は違和感なく進んだのではないかと思われる。
以下抜粋
韓国男子の憂鬱な起源
女性主義研究者であり活動家のクォンキム・ヒョンヨンは、男性性形成の核心は、男性間の同質性を確保し、女性との差を作り出すことだと説明する。そして、植民地時代の韓国人男性にとって、それは不可能なことだったとする。植民地男性は二等市民であり、公的な領域で完全な権利を持つことができない。つまり、植民地の男たちは大日本帝国の男たちと同じ男ではなく「女性化された」男である。しかも、究極的には自国の女性に対する実質的な統制も、帝国の男性の権限なのだ。だから彼らは、自国の女性と一線を画す明確な区分の線を作り出すことすらできない。
結論として、西欧と日本から輸入された「朝鮮の男たち」は、生まれもっての限界を抱え、けっして完成しえない男性性を不完全なかたちで構築していた。
先進国は発展途上国に経済支援と引き換えに人口抑制策の実施を求めた。人口増加による資源の圧迫による貧困、そして貧困が共産主義の拡張につながると恐れたためだという。韓国は朴正煕時代からそれに応えた。男児を求める文化により女子が中絶され、男過剰人口になっている。
北朝鮮との対立関係の緊張感がある社会における兵役が男性にもたらすトラウマ。
抜粋
反人権的な兵営文化を経験した人々は、比較的良い環境で兵役を果たした人々より人生の満足度や自尊心が低く、性別役割の葛藤を感じやすく、女性嫌悪的な傾向が強く現れる。人権侵害的な軍での経験は、兵役後の人生にも悪影響を及ぼす。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ男性でこういう考察が出来るのがすごい。ぜひ武田砂鉄さんと日韓男性問題について論じて欲しい…
家父長制の名残があるところは日本も韓国も似てるなと思っていたけど、背景にある歴史がまったく違うことが本書を通して実感できた。
巻末の解説にもあるけど、韓国の人たちにとっての兵役や戦争を知ることで、韓国の作品のなかに出てくる家族のあり方やK-POPの文化的背景を理解する手がかりになる一冊。
ミラーリングのミラーリングを試みようとした男性たちが「韓国女子とセックスするのをやめよう!」という勇ましい主張をしたが、これほど女性たちから大歓迎されたものもなかった、に大ウケ。 -
Posted by ブクログ
“「男子(ナムジャ)」はつらいよ でもその傍で みんながもっと生きづらいよ” という帯文が端的で秀逸だと思う。女性として日本人として揺さぶられながら複雑な思いで読んだ。男性が自らの男性性について内省して考察してくれるこういう本をもっと読みたい。
“韓国男子として30代半ばを迎えた自分自身の直面している悩みも作業の動機だった。その悩みとは、誰かを抑圧することなしにひとりの主体として、また、他人と連帯しケアを行う者として生きていけるのかという問いである。思うに、男というアイデンティティを突き詰めることなしには、その問いへの答えは見つからないはずなのだ。”(p.11)
“異性愛に基づく「正常家族」を基本モデルとする社会システムが作動し、女性への男性の支配が維持される中では、「男」から自由になれる人間はいない。
だとすれば、未来のための新たな試みは、そのシステムと支配を解体する方法についての苦悩であるべきだ。そのためには、こんにちの社会が男、そして女をどんなものと提示しているかについて、より詳しく探ってみなければならない。抑圧者であり特権を手にする者としての自身を軽蔑して自虐したり、贖罪意識の一環として女性学の理論を追いかけたりしているだけでは、その苦悩を終わらせることはできない。”(p.259) -
Posted by ブクログ
高校の時に読もうとしたときには、差別の構造も知らなかったし筆者の主張が強すぎる・偏っていると感じて途中で読むのをやめた。だが今回読んでいると納得する部分が多くて、そこに対する共感は女性差別だけでなく他の差別・抑圧の事例に触れたからなのか。
女性差別だけでなく、様々な場合において適応できる会話法だと感じ、参考になる部分が多かった。
人と話している中で、相手の意図がはっきり見えなくて、それにより知らないうちに自分の心が疲弊している場合がある。そういうことを防ぐための解決にもこの本は役立つ。
自分が弱い立場にいる場合に他の人とどう話すか、という視点で書かれていて、もちろんその面で勉強になる部分も多かったが、同時に、自分が弱い立場にいる人と話す際にどういったことに気を付けるべきか、本を読む前よりも見えるようになった。 -
Posted by ブクログ
著者の書き方が優しくて胸が張り裂けそうな想いで読みました。女性やその他のマイノリティの属性がある方には共感できることが多いと思います。
委員長は男、副委員長は女 と決められている時代に生まれたので、これは当たり前と思って生きて知らないうちに諦めていたんだなと気付きました。
なんか失礼だけど指摘するほどでもないかとうんざりしていたことがハッキリする本です。たぶんこの文章をキツいと思う人はまだ時代に取り残されていますね……
全ての女性のためにももう少しだけ強気で生きていこうかなと思います。優しい人だけ大事にしろよな!!!!!!!!!!!
心が強くなりますし、お薦めですよ フェミニズム初心者は読むべし