大野裕のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
認知療法についてコラム法、問題解決法、スキーマなどについて簡単に書かれているもの。
感想
内容は簡単ではあるが、ある程度精神的に安定していないと一人でワークに取り組むことは難しい。そのため、精神的にある程度安定した人が行った方が良いと思う。
今回、コラム法とスキーマが心に残ったため以下に書こうと思う。
①コラム法について
コラム法を実際に行なってみて、気分の分析だけでも気づいていないのだと知ることができた。また認知の歪みについても割と似たようなものが当てはまることが多く、分析を行うことで少しずつ柔軟なものの考えができるのではないかと思う。
②スキーマについて
スキーマ療法の本などが出ていることもあるが、これはかなり簡単に書かれている。
自動思考に多く出てくるスキーマについて実際に行なってみた。スキーマは全てが悪いという訳ではなく良い面もあるということがわかった。またマイナス面を分析してみると極端な考え方になっていること、そこから新たな発見ができたこと、これらを繰り返すことでスキーマとうまく付き合っていければと思う。
確かに他人は変えることはできない。しかし自分の考え方を変えることで、他人も私への接し方が変わるのかもしれないと思った一冊でした。
精神状態がある程度安定しており、ストレスへの対処法を学びたい方におすすめです。
-
Posted by ブクログ
1. まずは気持ちを切り替える(気分転換のヒント)
つらい問題に直面したとき、あえて一度その問題から離れてみることが大切です。
活動して切り替える: 読書、運動、掃除、ボランティア、音楽を聴く、映画を観る。
五感を刺激する: 熱いお風呂に入る、冷たいシャワーを浴びる。
集中して切り替える: クロスワードパズル、ゲームなど。
心を落ち着かせる: 花を見る、ラジオを聴く、アロマや香水を楽しむ、新鮮な空気を吸う、ハーブティーを飲む。
ポイント: やりすぎは禁物です。「そこから抜け出せなくなる」手前で切り上げるバランスを意識しましょう。
2. 「認知のゆがみ(偏り)」に気づく
心が動揺したとき、私たちは無意識に偏った考え方(自動思考)をしています。まずは、自分の考えに以下のようなクセがないかチェックしてみましょう。
思い込み・決めつけ: 根拠がないのに悪い方へ考えてしまう。
白黒思考: 全か無か、極端に考えてしまう。
べき思考: 「〜すべき」と自分や他人を縛ってしまう。
自己批判: 何でも自分のせいだと責めてしまう。
深読み: 相手の気持ちを勝手に推測してしまう。
先読み: 将来を悲観的に予測してしまう。
3. 問題解決のための具体的ステップ
問題を「対処可能なもの」として捉え直し、一歩ずつ進める方法です。
書き出す: 気になっていることをすべて紙に書く。
目標設定: 「自分にとって重要か」「解決可能か」「具体性があるか」で優先順位を決める。
ブレスト: 解決策を思いつく限り出す。
検討: 利点と欠点を考え、実行する案を決める。
計画と実行: 具体的な行動計画を立てて、やってみる。
評価: 実行してみてどうだったかを振り返る。
4. 行動活性化:できることから少しずつ
「何もしたくない」ときこそ、思い切って少しだけ動いてみると、後から意欲がついてくることがあります。
まずはここから: 布団から出る、シャワーを浴びる、外に出る。
活動記録表の活用: 30分〜1時間刻みで「何をしたか」を書き、達成感や楽しさを点数化(見える化)してみる。
楽しいことリスト: 散歩、買い物、読書、絵画鑑賞、旅行の思い出に浸るなど、自分が心地よいと感じるリストを作っておく。
まとめ:自分を客観的に見つめるために
認知療法は、自分の感情や考えを**「客観視」**するトレーニングです。
感情を書き出し、コラム法などで整理する。
「あらかじめやることを決めておく」ことで、その場の気分に振り回されずに済む。
自分の気持ちや生活を、自分でコントロールできている感覚を少しずつ取り戻していく。
「あきらめないで、まずはできることから少しずつ」。この積み重ねが、心を健やかに保つ秘訣かもしれません。 -
Posted by ブクログ
感情を理解する手掛かりとなる「自動思考」、頭に浮かぶイメージ
マイナス思考をプラス思考に変えるのが目的ではない。
問題解決に役立つような現実的で柔軟な考え方ができるようになるのが目的。
気分(言葉)と考え(文章)を区別する。
認知の歪み
①根拠のない決めつけ
②白黒思考
③部分焦点づけ
④過大評価・過小評価
⑤べき思考
⑥極端な一般化
⑦自己関連付け
⑧情緒的な理由づけ
⑨自分で実現してしまう予言
考えをどれくらい信じているのか、数値的に評価する
全体的にな戦略・作戦ではなく、具体的か戦術を考える
相手の気持ちを、深読みしすぎない
なぜと理由を聞かない
自分の気持ちがわかってもらえると期待しすぎない
自分の考えを具体的に簡潔に穏やかに話す
自己表現的
スキーマ 考えかたの癖 -
Posted by ブクログ
【目次】
Part1 認知療法を理解しよう
気持ちは考え方に影響される
否定的な認知の3つの特徴
認知と気分とのかかわり
つらくなったときに頭に浮かんだ考えやイメージに注目する
「たしかに役に立ちそうだ。でも……」
あなたが悪いわけではない
そんなに簡単に考え方が変わるわけではない
考えを変えても気持ちは変わらない?
Part2 あなたの問題に取り組んでみよう
モジュール1:ストレスに気づこう
たまったストレスに注意しよう
ストレスがたまったときに起きる特徴的な変化
モジュール2:問題をはっきりさせよう
問題リストを作成する
解決目標を設定する
目標が適切かどうか確認する
モジュール3:バランスのよい考え方をしよう
3つのコラムを使って自動思考に気づく
自動思考をチェックする
5つのコラムを使って自動思考に挑戦する
7つのコラムを使ってバランスのよい考え方をする
モジュール4:問題を解決しよう
問題解決能力を育てる
アクションプランを立てて行動する
生活のリズムを回復する
モジュール5:人間関係を改善しよう
人間関係をチェックする
自分の気持ちを相手に伝える
モジュール6:スキーマに挑戦しよう
スキーマに気づく
行動をとおしてスキーマを修正する -
Posted by ブクログ
認知療法は薬物療法と同じくらいの効果をもつと聞いてテキストを探したところ、著者である大野先生のサイトからこの本に行きつきました。
伝統的かつ最もオーソドックスな認知療法の解説本です。内容は難しくなく、とても親切に分かりやすく説明されていると思います。それでも私はしばらく手の付け方がわからずお蔵入りさせていました。
今では別冊の7コラム表のフォーマットを何度もコピーして使い回しています。頭の中でも7コラム表を展開できるようになってきました。
きっかけは病院のリワークで認知療法の講義をきちんと受けられたことです。
もし認知療法の理解が10点満点あるとしたら、この本で5〜6点まで行けると思います。それは内容不足というのではなく、残りの点数は自分の書いたコラム表を逐一PSの方に見せるなりして書き方のアドバイスをもらった方が結果につながりやすいという点です。
この著書にもちゃんと書いてあるのですが、1人でやるとどうしても引っかかりやすいポイントがあります。
・「状況」では客観的事実だけになっているか
・「根拠」では状況の検証になっていないか、または主観的な解釈が入っていないか
・そして苦しい気持ちが湧き上がった一場面だけを切り出しているか
認知療法は気が滅入っている時に行うので、気分や気持ち、悪い先読みや深読みなどが入り込んでしまうことが避けられません。私も、ずっと恐怖(90%)とかでコラム表を書いていたので根拠なんてほとんど書けませんでした。
根拠が書けないと良い反証が出てこず、結果的に認知療法の効果が思ったように得られないこともあると思います。また反証も、他の人からたくさんアドバイスをもらった方が回復につながりやすいということを経験しました。
くどくどと知った風なことを書いてしまいましたが、この良著を100%使い切って思考のゆがみを直していけば、いつかは薬に頼ることのない、辛くない生活が待っています。それを信じて何度も繰り返し書きましょう。 -
Posted by ブクログ
10年以上ぶりに再読した。コンパクトかつ安価で読めるという点では2022年時点でも最良の入門書だろう。
> そんなに簡単にポジティブに考えられるようになるなら、あなたも悩んでいないはずです。気持ちを切り替えようと思っても、それがなかなかできない。だから悩んでいるのです。(pp.23)
のように、しんどさの渦中にいる人間に語りかけるような口調が優しい一方で、優等生的な感じが強い。表層にある自動思考を通して深層にあるスキーマにアクセスしていくという考え方は、いくら否定しようとも
> 認知療法は、うつ病の人の間違った考え方を変える治療法だという誤解(pp.5)
に漸近してしまう感がある。結局は社会適応を目標としてしまうので、この辺りはラカン派の持つ開き直りのほうが合う人も多いだろう。
また、具体的な技法については分厚いぶんD.D.バーンズの『いやな気分よ、さようなら』のほうが手厚い。「はじめての」と銘打っているので本書で感覚を掴んで、具体的な部分はバーンズを参照したほうが良いように思える。 -
Posted by ブクログ
認知療法について最も理解しやすかった。『うつ』ってタイトルのせいで読む母数少なそうだけど、「えっ、そんなこといってないのに」「なんでそんなに極端に受け取るの?」という人が周囲にいたら読んでほしい。
認知行動療法の考え方、視点の持ち方、対応方法が学べます。
◯大枠
偏った考え方の癖を変えることで、気分がマイナスにならないようにできる。
憂鬱になるのは、自分が悪いのはなく、考え方の癖が悪いという論理に沿って、癖を矯正することが可能。
◯こんなときに使う
ストレスを感じた時、思考が停止しているとき、なによりネガティブスパイラルに陥った際に負担が減る。
7つのステップを通して、自分が落ち込んでしまっている出来事に処方しやすくなる。
◯イラショナル・ビリーフ(極端な思い込み)
1.根拠がないのに真実だと決めつける(レッテル貼り)
2.物事を0か100か、白か黒かでしか判断しない(白黒思考、all or nothing)
3.自分の視点からしか物事を考えられない(心の読み過ぎ、先読みの誤り)
4.賛成意見には注目し、反対意見は無視する(心のフィルター)
5.○○するべきだと決めつけて考える(べき思考)
6.一部のことを全てだと思い込む(過剰な一般化)
7.周りの悪い出来事は全て自分のせいだと思う(個人化・責任転嫁の逆)
8.その時の感情で物事を判断する(感情的決めつけ)
9.失敗を予想し、その通りになっていく(マイナス化思考)
「人間の悩みは、出来事そのものに左右されるのではなく、その出来事をどう見るかに左右されるのである」。
認知療法は聞こえ方は重いものの、
そもそもの考え方は、誰もがもっておきたい「前向きな考え方」。
もともとポジに考えられる人は今更?という内容だけど、捉え方が一風かわっているという人には是非読んでほしい。