本城雅人のレビュー一覧
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小説の出来云々ではなく、一競馬ファンとして熱くなりながら読破させてもらった。ノースヒルズや前田幸治は有名なオーナーブリーダーなので存じていたが、その人となりや考え方は全く知らなかったので、とても感銘を受けた。ヘブンリーロマンス・ワンアンドオンリーと天覧競馬で勝ってることに気付かなかった。特にヘブンリーロマンンスの天皇賞・秋は、人気薄でかつ牝馬の勝利と、松永幹夫と馬との人馬一体となった両陛下への一礼は、今思い出しても胸が熱くなる。中穴狙いが好きな私には、ダービー常連になってからのG1でノースヒルズを買って勝った記憶はあまりないが、ビリーブの高松宮記念や、ロジック、トランセンドは懐かしい。極めつけ
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Posted by ブクログ
スポーツ新聞の記者だった笠間哲治は、販売を担当する即売部へ異動を命じられます。人事に関わるしがらみを抱えながらも即売部での職務に専念する中、哲治は職場で倒れ、帰らぬ人となります。哲治には当時高校生の長男翔馬と、小学生の次男翼がいました。職場人間で、家では父親の人物像も薄く、しかも長男翔馬とは思春期独特の男同士の距離感からすれ違いを抱えたまま、哲治が亡くなってしまったのです。
時が経って、長男翔馬は同業他社のスポーツ新聞社に、そして次男翼は父がかつて務めたスポーツ新聞社に勤めることになります。そこにはかつての父をよく知る父の同期が彼らの部署の管理職として、父の後輩が今では彼ら兄弟の上司として彼ら -
Posted by ブクログ
大リーグで大活躍する韓国系アメリカ人が、実は過去に犯罪を犯した日本人ではないかという疑惑を持つジャーナリストやカメラマンたち。彼の疑惑を解明しようと近づくものたちは、なぜか次々と姿を消す。そのうちの1人に説得された彼の最終判断は、シーズン終了後に全てを明らかにするというものだったが、、、。とても良くできたストーリーでテンポもよく、状況がどんどん進展するが読み手として混乱することもなく、一気に読める(楽しめる)一冊。物語の底流には、虐げられた者が終生忘れない強い感情と意思がある。登場人物のほとんどが偽善的で自己の利益を第一に考える人間ばかりだが、「会社のため」「家族のため」「恋人のため」の行動で