本城雅人のレビュー一覧

  • シューメーカーの足音
    シューメーカー、靴を作る職人、という知らない世界を見せてくれるという意味では、非常に丁寧で面白い作品だった。

    ロンドンに店を構える、人気の靴職人斎藤。
    そんな斎藤に挑むのは、日本で靴の修理をしながら細々と靴作りをする若者の智哉。

    前半の、隙がなく清濁併せのみながらのし上がっていく感じの斎藤が、後...続きを読む
  • キングメーカー
    新聞記者が政治家に入り込んで自分の政策の意向を叶えるフィクサーとして暗躍している。

    それを表に出すことで政治が歪んでいることを伝えようとする記者たちの動きを書いている。
  • 四十過ぎたら出世が仕事
    広告の仕事のイメージがなかったので、営業がどのような苦労をしているのか知ることができた。が、途中でもういいかなとなってしまった。
  • 贅沢のススメ
    高級品を扱う店を次々と買収するボス・藤浪と、その下で働く若者・古武士。二人はまず店に乗り込み、藤浪が帳簿を確認し、古武士が店で実際に働く-。職人達の再生の物語。
  • キングメーカー
    どうみても木澤のモデルはナベツネ。まあナベツネはここまで影響あるフィクサでもキングメーカーでもないが。ポリティカルエンタメ小説としては及第点だが、プロットが今一つだし、木澤に全く魅力ないので(ナベツネ同様可愛げがない)物語に没入できない。
  • 残照
    2023-7天才ジョッキーの苦悩と現実。死亡事故と競走シーンが並行していくのには背景的に重すぎる感じ。どっちかだけでも充分に小説になると思うけどなあ。全般に詰め込み過ぎて最後の数ページがとっても雑になったね。
  • 四十過ぎたら出世が仕事
    課長世代となる40台になったサラリーマンのビジネス小説。

    6話構成でそれぞれ主人公が異なっていて、最終話以外は40歳の同じ年の課長としての物語だが、後半は社内の派閥抗争的な話がメインとなってきて面白かったです。
    ただ、スカッとしたどんでん返しがあるわけでなく、負け犬の遠吠えにも近いようだが、理不尽...続きを読む
  • 崩壊の森
    産経新聞の駐ソ特派員であった斉藤氏をモデルとした「東洋新聞 土井垣」記者が,ペレストロイカ半ばのモスクワに赴任し,改革派と保守派の抗争,ベルリンの壁崩壊,保守派クーデターとエリツィンの台頭を経て,ソ連が解体されロシア共和国が設立されるまでの5年間を描く.
    ゴルバチョフのペレストロイカは,国民の民主化...続きを読む
  • 友を待つ
    久しぶりの本城氏の作品。序盤・中盤にかけての展開、「友を待つ」という意味深な言葉に対して刑事側の攻防や元同僚の調査が進んでいくあたりは非常に引き込まれたが、結末はイマイチだった。少し話が込み入りすぎていて、頭が追いつかなかったのが大きい。小説というよりはテレビドラマ向きな内容かなと思う。

    作者の作...続きを読む
  • 夢を喰う男 3勝を遂げた馬主、ノースヒルズ前田幸治の覚悟
    馬主ノースヒルズの前田幸治の人生と牧場経営の苦労など一代記。本業も競馬も苦労はあっただろうが、そこはさらりとと流し失敗も成功のこやしとして成功に繋がる物語となっている。家族関係も協力者もみんないい関係で出来過ぎ感もあるが魅力的な人物なのだろう。
    競馬ファンならもっと楽しめたと思うので、そこが残念。
  • 残照
    武豊さんのNスペで騎手の大変さ知ってる積もりだったが、減量がここまで過酷とは。「好きなものも食えず、夜もまともに眠れず、競馬のことばかり考えているのに勝つのは1割」でも京都東山に豪邸が建つ。後半一気の謎解きは興醒めだし、主人公ジョッキーでなく探偵かと…。
  • 残照
    競馬界を舞台にしたミステリー小説。ちなみに時期としては桜花賞からオークスにかけての頃。減量の壮絶なディテールが初めて知る世界で面白かった。主人公は過去の出来事をきっかけに睡眠障害も患っており探偵サイドのハンデはなかなかエグいw巧みに張られた伏線が回収されていく終盤の展開には膝を打ったが、結末が唯一好...続きを読む
  • 夢を喰う男 3勝を遂げた馬主、ノースヒルズ前田幸治の覚悟
    ノンフィクションの“一代記”だから仕方ないけど、もう少しお馬さんの魅力伝えてほしかった。競馬に興味ない身としては、数字や記録の羅列は…。同じ競馬小説でも早見さんや馳さんのは馬への愛情感じられ楽しく読めた。「母以外の手が触れたモノは食べられない」幼少期にあった“あれ”は何だったんだろ。潔癖症?
  • 黙約のメス
    93生命の大切さが医療とお金につながるとたちまち胡散臭くなるのは何故かなあ。教師や警官の不祥事を目にするにつけ、医師も崇高な使命を忘れてしまうのか?と思ってしまいます。最後のドナーの告白はチョットあっけない。終盤にもっと力を入れて欲しかった。
  • にごりの月に誘われ
    シナリオは悪くないですね。ゴーストライターを主人公として、余命わずかな経営者の隠された過去を掘り起こしながら書籍にする。経営者が多くを語らないので、自分で調査をしながら。
    そして現れる隠された事実。
    最後にこの経営者の息子が反乱を起こすのかと期待したらあっさりと合意してしまったあたりはちょっと物足り...続きを読む
  • にごりの月に誘われ
    IT大企業の創業者・釜田芳人が、余命六か月という時に自叙伝のゴースト依頼を上坂傑にするというところから物語は、始まる。
    以前にも三冊の著作を代筆した際に金銭でのトラブルがあり、断るつもりが…
    結局、病床にある釜田を訪ね、1日1時間という約束で仕事を受ける。
    取材を進めていくにつれ、驚きの真実が続々と...続きを読む
  • 崩壊の森
    ロシア、ウクライナの件もあり購入。
    崩壊直前のソ連と、その外や中にいる人の会話。
    同じような会話は実は様々な企業の内側でもありそう。
    その企業は滅びないことを祈る。

    ※評価は常に3にしています
  • 友を待つ
    本作品そのものは、軽くストーリーを、読まされてる感じ。この作品に出てくる、人物一人一人の、別ストーリーがありそうで、深く読みたいと、思った。
  • 黙約のメス
    孤高の天才外科医が主人公の物語は沢山あります。やはりかっこいいし、一匹狼的な印象があるので色々な方向に描きやすいのでしょうか。
    天才鬼塚医師の周りの人から見た彼を一章づつ描いているので、彼の主観は分からないのですが、こういう医師に手術して欲しいと思う一方、こういう医師を叩く報道に自分が直面した時には...続きを読む
  • 紙の城
    新聞製作の裏側が見られた感じです。
    物語は、ネット対紙の新聞みたいな構図でしたが、時代は図らずも、ゴードンが目指した?ようにネットと新聞の融合になってきている気がします。(個人的には紙の新聞が好きですが)