本城雅人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ロンドンに高級な靴店を構える靴職人、斉藤良一の元に、
ある日、不気味な靴の修理の依頼が舞い込む。
その靴は、13年前のある出来事を思い出させる靴で、
良一はその靴を見るなり、驚愕し,
恐怖を覚えたのだった。
高級なオーダーメイドの靴職人のこだわりや、
靴についての様々な事が書かれていて、
知らない世界を垣間見れる。
一足、40万、50万のオーダーメイドの靴を作る靴職人たちには、
こだわりがあって当然なのだが、
それにしても、大変そうな仕事だと思った、
そんな靴業界での、ミステリーだけど、
靴について、いろいろ知ることができるのも面白い。 -
Posted by ブクログ
中規模の広告代理店を舞台にした群像劇。全6話からなる連作短編集。
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コミカルな第1話はあくまでオードブル。物語は次第に深刻の度合いを増していき、現実の厳しさとほろ苦さを描く、作者のいつもの作風でした。
ただ、新聞社や雑誌社を描いた「お仕事小説」的な面が強かったこれまでの作品とは異なり、業務に関わる苦難への比重は軽めで、抜け駆け出世するために腐心する生臭い人間たちが多く描かれていたりします。
最終話の描き方からすると、作者の理想とする企業人像はわかります。ならば、オードブルの主人公・阿南に今少しスポットを当てて欲しかった気がしました。
何か、画竜 -
Posted by ブクログ
コロナ禍の影響で楽しみにしていたプロ野球の開幕も大幅に遅れている今日この頃、野球成分を補うために積読となっていたこの小説に手を伸ばした。
セイバーメトリックス理論に基づきチームを作りあげる大野俊太郎。一方でとてつもない計画を立案、秘密裏に進行させる牛島輝也。その計画が明らかとなり、選手、フロント、ファン、オーナー、新聞記者…さまざまな立場の人たちの思いが交錯する。練りに練った計画に唸らされたり、それぞれの立場の正義を応援したくなる。中盤以降は一気読み。伏線もすべて回収されスッキリ。私にとってはハッピーエンドでした。
しかし、日本のプロ野球頑張れ!と改めて応援したくなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新聞記者の苦悩や葛藤、やりがいや大変さ、警察や他紙とのやりとりなど、普段気にする事なく毎日読んでいる新聞の、裏側で起きている様々な事を細かい描写で書き切った小説だと思った。
主人公は、7年前に誤報を打った事で地方の支局に飛ばされた関口豪太郎。後輩への当たりも厳しく上司にも歯向かう為、周りからは好かれていないが、一癖も二癖もある警察官には強引に懐に入り込み、スクープとなるネタは取ってくる、その意味では有能な記者である。
今回、誤報を打った7年前と同じような事件が起き、その取材をする事になるが、関口としては7年前の事件との関連性を疑ってしまう。なぜ関連性を疑うのかは実際に本を読んで欲しいが、当時一 -
Posted by ブクログ
ネタバレサッカー日本代表の監督探しを巡る話。
サッカー日本代表の監督探しを巡り、監督探しと交渉を任された望月・サッカー協会・スポーツ新聞記者・代理人・選手、それぞれの思惑があり、監督探しは難航する。
だが、既にアジア予選は始まっていて、前任者を解任した日本には時間が無い。1ヶ月を切った交渉期間の中、今までの経験と人脈を頼りに監督探しを続ける望月だが、様々な妨害が邪魔をする。
3年前にも監督探しを任された望月だが、その時はメディアに事前に情報が漏れ、決定直前で契約に失敗していた。それなのに、今回も任された事を不思議に思いながらも、「任された仕事をするだけ」と監督探しを全うすべく、突き進む。
今回こそ、