本城雅人のレビュー一覧

  • ミッドナイト・ジャーナル
    7年前に発生した児童誘拐殺害事件で大誤報を打ち左遷された敏腕記者の関口の所属する支局の管轄で小学生女児の連れ去り未遂事件が発生。犯人が二人いたとの証言から7年前の事件での疑念がよぎり再調査をはじめる…。
    事件を追う記者と警察のやり取りがリアリティがあるのは著者が新聞記者出身ならではで、作品に引き込ま...続きを読む
  • スカウト・デイズ
    怪物スカウトの見習いについた、元プロ野球選手の新人スカウトが目の当たりにする現実。壮絶な駆け引きに満ちた陰謀の世界を描くスポーツ・エンターテイメント。
    PHP文芸文庫版に続いて再読。ちょうど今はドラフト会議の季節である。「清宮ドラフト」と言われた今回も、球団と選手、そして関係者との間にいろんな駆け引...続きを読む
  • シューメーカーの足音
    野心vs復讐。狭い世界の物語にも係らず大きなスケール。長い歴史と伝統、そして職人の飽くなき情熱がそう感じさせるのだろう。靴作りのノウハウ、日本人と英国人の考え方の違いなどとても興味深い。何よりも才長けた二人の男の執念に胸が躍る。そしてどんでん返しのラスト。人としての道を誤ることと職人の魂を奪い尊厳を...続きを読む
  • 球界消滅
    ハードカバー発売時には「話題にはなってるけど、文庫待ちでええか」と思い、いざ文庫になったらなったで見落として、やっと読みました。
    中盤までは、特に選手、球団内のシーンは堂場瞬一っぽいけど、堂場瞬一の方が上かな、という印象。女性の書き方が薄っぺらく感じるのも堂場っぽい。いや、どちらもそこにそれほど重点...続きを読む
  • ボールパークの神様
    ひょんなことからメジャーリーグ・ニューヨークメッツのクラブハウスで働くことになった日本人留学生がチーム内の様々な問題を解決していく短編集。
    メジャーリーグの臨場感が伝わってくるような作品でとても興味深く読めた。「さすらいの仕事人」という作品に登場するジャーニーマン・スティーブがよかった。
  • 球界消滅
    解説も含め571ページ。しかも上下左右のマージンがせまく、ページに文字がびっしりと並んでいる。上下巻にしても良いくらいの量だけど、出版社としてはそれでは売れないと考えたのかな?

    しかし、この小説めちゃくちゃ面白い。帯に「ページをめくる手が止まらない(二宮清純)」「ラストまで一気に読ませる(北上次郎...続きを読む
  • 球界消滅
    めちゃくちゃ面白かった!
    続きが気になってページをめくる指が止まらないとは、こういうことを言うのかなと。

    すごいリアリティー。
    この中で書かれていることはいつ起こっても不思議じゃないなぁと思えるほど現実味があった。
    主な舞台が横浜の球団で関内のスタジアムってのもあまりにも身近でますますリアル。

    ...続きを読む
  • 球界消滅
     和製マネーボールかと思ったら違った。わかりやすい実物が存在するモデルを設定し、ありえそうな発想がぽんぽん飛び出てくる展開が楽しかった。本当にこうなるのではと今も思うくらいの迫力とリアリティもあった。
     常に野球ビジネスの話がメインに流れ、余計な展開や描写がほとんどないのもまたよかった。
  • 球界消滅
    文庫版を再読。フィクションとは思えない日米球界の合併シナリオともいえるストーリーはリアリティがあった。実際にこのような事態になったら、自分はどう思い、どう行動するかと考えさせられる作品であった。
  • ノーバディノウズ
    メジャー随一の東洋系スラッガー「ジャスティン・キング」の謎を探る者たちが次々と姿を消す。彼の正体と隠された真実とは。野球版「砂の器」。
    一人の男の人生物語としても十分に堪能できるが、野球知識があるとより一層楽しめる作品である。ベースボールと野球の違いは何故起こるのか。登場人物たちの野球談議でさり気な...続きを読む
  • 二律背反
    野球界のことはよくわからないけど、どの世界にも懸命に生きながら評価されない時期に、どう足掻くか、どう生きるかが、本質を問われることになるんやなあ。クソみたいなやつは結局滅びる、とういう社会になってほしい。二見さん監督になった活躍を読みたいです。
  • ミッドナイト・ジャーナル
    購読者が減っている新聞(自分も読んでいないが)、毎日発行される新聞の記者たちにこんなドラマがあるとは。簡単にお仕事小説では片付けられないおもしろさ。読んで損なし。
  • ミッドナイト・ジャーナル
    先日読んだ宮部さんの書評集に載ってて読みたくなった本。


    童誘拐殺害事件で大誤報を打ち、中央新聞社会部を追われ、支局に飛ばされた関口豪太郎。

    あれから7年。埼玉東部で、小学生の女児を狙った連れ去り未遂事件が発生。犯人は二人いたとの証言から、豪太郎の脳裏に”あのとき”の疑念がよぎる。
    終わったはず...続きを読む
  • ミッドナイト・ジャーナル
    【なんて割に合わない職業なのだろう】

    頁を読み進める度、いかに記者という職業選択が前時代的な働き方なのかをしくしくと感じる

    物語のラストでも、七年前の事件の決着が付いたからといって、何かが劇的に変わるわけでも、何もかもが救われるわけでもない

    そりゃそうだ
    毎日毎晩、その他の事件事故、ニュースが...続きを読む
  • 二律背反
    単純な野球小説じゃないですね。
    いろいろな事件が折り重なって最後の結末になるんですね。
    一つで2度楽しめる感じです。
    野球ファンもミステリーファンも満足出来ると自分は思いました。
  • ゴースト 二係捜査(3)
    とても好きなシリーズ!
    警察も、二係という少し外れた部署で、そこに新聞記者が介在してきて、物語に、奥行きがあって、早く次作が、読みたーーい!
  • 四十過ぎたら出世が仕事
    お仕事小説だけに構成がしっかりしていて隙がなかったです。「自分が四十の時もこんな感じだっなあ」と懐かしく思い出しながら読みました。出世の本当の意味を若い人たちに教えてくれます。
  • 逆転 二係捜査(2)
    2023.11.04
    社会のあらゆる階層に職業的良心に恥じない行いをする、あるいは、自分の弱さに負けてしまう、そんな人が一定数いることに思いを致した。
    実際、警察の不祥事もあるし、弁護士も懲戒処分を弁護士会から受ける人もいる。
  • 二律背反
    球界消滅という作品で出逢って以来、野球題材の作品がお気に入り。
    今作はピッチングコーチが主役。
    主張の強いプロの投手陣のコントロール、監督との意見の相違、同僚コーチとの確執、マスコミの取材対応などなど、我々には日常的に伝わって来ないハードな仕事の一面を興味深く読ませてもらいました。殺人事件や犯人探し...続きを読む
  • 黙約のメス
    日本の肝臓移植手術のほとんどは生体肝移植だ。家族など健康な人からの肝臓を取り出して、患者へ移植する。提供できる肝臓をもった遺体を待つ必要はないが、健康な人間の体にメスを入れて、肝臓を取り出すことになる。患者はもちろん提供者にもリスクを負わせることが正しいのか。提供者は本当に患者の関係者であり、自ら望...続きを読む