本城雅人のレビュー一覧

  • ボールパークの神様

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    ここのところ野球関連の書籍といえばノンフィクションか「数字が並んでいるもの」しか読んでないこともあり、久しぶりに本城小説を無性に読みたくなって一気読み。フィクションだからこそ許されると無理筋なプロットと、取材に裏打ちされた鮮明なディテールの同居が堪らない。単行版『ボールパークの魔法』を文庫化する際にこうやって改題した意図はいずれ聞いてみよう。ボールパークに神様はいるからねえ。

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    2019年03月16日
  • 球界消滅

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    面白かった。日本プロ野球界の考えるべき課題がリアリティ十分に描かれている。球団オーナー、選手、GM、ファン、その家族などがそれぞれの立場で悩み、考え、奔走する姿が全く間延びすることなく描かれている。物語としての結末もエンディングも良かった。

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    2018年12月09日
  • シューメーカーの足音

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    ネタバレ

    「シューメーカーの足音」
    天才vs復讐者。


    快適と痛みは紙一重。この2つは対極にあると思われがちだが、実は横並びで共存している。痛みから逃れると快適さからも遠ざかる。本物のシューメーカーはリスクを恐れることなく究極の履き心地を目指して一足の靴を作る。痛みのボーダーラインを跨ぐことなく最高の心地良さを実現するのが、S&Cグッドマンの斎藤良一である。


    斎藤は、日本の有名セレクトショップ「バークレーズ」の二津木社長と組んで更なる事業拡大を進めていた。その彼の下にある靴の修理依頼が舞い込む。その靴は、斎藤がまだシューメーカーとして駆け出しの頃、日本人の為に作った靴と瓜二つだった。やがて

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    2018年10月17日
  • ミッドナイト・ジャーナル

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    ネタバレ

    7年前に発生した児童誘拐殺害事件で大誤報を打ち左遷された敏腕記者の関口の所属する支局の管轄で小学生女児の連れ去り未遂事件が発生。犯人が二人いたとの証言から7年前の事件での疑念がよぎり再調査をはじめる…。
    事件を追う記者と警察のやり取りがリアリティがあるのは著者が新聞記者出身ならではで、作品に引き込まれていった。
    関口をはじめ登場人物の記者たちの報道に対する姿勢が胸に響く内容で最後まで興味深く読み進めることができた。

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    2018年01月08日
  • スカウト・デイズ

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    怪物スカウトの見習いについた、元プロ野球選手の新人スカウトが目の当たりにする現実。壮絶な駆け引きに満ちた陰謀の世界を描くスポーツ・エンターテイメント。
    PHP文芸文庫版に続いて再読。ちょうど今はドラフト会議の季節である。「清宮ドラフト」と言われた今回も、球団と選手、そして関係者との間にいろんな駆け引きがあった上での指名結果なのだろう。

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    2017年10月29日
  • シューメーカーの足音

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    野心vs復讐。狭い世界の物語にも係らず大きなスケール。長い歴史と伝統、そして職人の飽くなき情熱がそう感じさせるのだろう。靴作りのノウハウ、日本人と英国人の考え方の違いなどとても興味深い。何よりも才長けた二人の男の執念に胸が躍る。そしてどんでん返しのラスト。人としての道を誤ることと職人の魂を奪い尊厳を汚すこと、どちらが罪深いことなのだろう。僕は結末に憤りを覚えたが他の人はどう感じるのだろうか。複雑で大人のミステリといった雰囲気。傑作です。ぜひ読んでみてほしい。
    あらすじ(背表紙より)
    独特の色気を湛えた商品で人気を博し、ロンドンに店を構える靴職人・斎藤良一。強引に事業拡大を進める彼の元に、不気味

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    2017年06月08日
  • 球界消滅

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    ハードカバー発売時には「話題にはなってるけど、文庫待ちでええか」と思い、いざ文庫になったらなったで見落として、やっと読みました。
    中盤までは、特に選手、球団内のシーンは堂場瞬一っぽいけど、堂場瞬一の方が上かな、という印象。女性の書き方が薄っぺらく感じるのも堂場っぽい。いや、どちらもそこにそれほど重点が置かれてない、ってこともあるんでしょうけれども。
    その分、後半のスパイ探し辺りからの企業活劇はなかなか。スピード感もむしろこちらの方が試合のシーンよりある。

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    2015年11月26日
  • ボールパークの神様

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    ひょんなことからメジャーリーグ・ニューヨークメッツのクラブハウスで働くことになった日本人留学生がチーム内の様々な問題を解決していく短編集。
    メジャーリーグの臨場感が伝わってくるような作品でとても興味深く読めた。「さすらいの仕事人」という作品に登場するジャーニーマン・スティーブがよかった。

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    2015年05月31日
  • 球界消滅

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    ネタバレ

    解説も含め571ページ。しかも上下左右のマージンがせまく、ページに文字がびっしりと並んでいる。上下巻にしても良いくらいの量だけど、出版社としてはそれでは売れないと考えたのかな?

    しかし、この小説めちゃくちゃ面白い。帯に「ページをめくる手が止まらない(二宮清純)」「ラストまで一気に読ませる(北上次郎)」とあるけど、まさにそのとおりだった。

    文字数の多さと冒頭に「セイバーメトリックス」の公式が出てくることから、読みはじめたときは「なんか面倒くさい小説なのかな?」とも思ったけれど、ぜんぜんそんな事はなく、「この後どうなるんだ?」→「やはりそう来たか」or「まさかそう来るのか」と小説の世界に素直に

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    2015年05月03日
  • 球界消滅

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    めちゃくちゃ面白かった!
    続きが気になってページをめくる指が止まらないとは、こういうことを言うのかなと。

    すごいリアリティー。
    この中で書かれていることはいつ起こっても不思議じゃないなぁと思えるほど現実味があった。
    主な舞台が横浜の球団で関内のスタジアムってのもあまりにも身近でますますリアル。

    ここ数年の日本のプロ野球界を見ていたら、これくらいのインパクトのある改革がむしろ必要なのかもなぁと思ったり。

    ひいてはプロ野球だけではなく、他のスポーツでも同様の問題や課題があるよなぁと感じたり。(実際に関わっている二輪モータースポーツ界でも、これくらいの 大きなインパクトがあれば変われるのかなぁ

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    2015年02月21日
  • 球界消滅

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     和製マネーボールかと思ったら違った。わかりやすい実物が存在するモデルを設定し、ありえそうな発想がぽんぽん飛び出てくる展開が楽しかった。本当にこうなるのではと今も思うくらいの迫力とリアリティもあった。
     常に野球ビジネスの話がメインに流れ、余計な展開や描写がほとんどないのもまたよかった。

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    2015年01月25日
  • 球界消滅

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    ネタバレ

    文庫版を再読。フィクションとは思えない日米球界の合併シナリオともいえるストーリーはリアリティがあった。実際にこのような事態になったら、自分はどう思い、どう行動するかと考えさせられる作品であった。

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    2015年01月15日
  • ノーバディノウズ

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    メジャー随一の東洋系スラッガー「ジャスティン・キング」の謎を探る者たちが次々と姿を消す。彼の正体と隠された真実とは。野球版「砂の器」。
    一人の男の人生物語としても十分に堪能できるが、野球知識があるとより一層楽しめる作品である。ベースボールと野球の違いは何故起こるのか。登場人物たちの野球談議でさり気なく語られるので、野球に詳しくない人にも入り込みやすいと思う。

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    2013年10月29日
  • 対決の記者

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    元新聞記者による記者物
    本城の記者物には当たり外れがあまりない
    どこか松本清張を思わせる本作もベタではあるが読ませる
    面白かった

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    2025年12月02日
  • 対決の記者

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    もう、こんな記者いないだろうなぁ。懐かしい長野。新宿発松本行きが「あずさ」上野発善光寺行きは「あさま」珍しい誤植?「AIが発達し、やがて警察も科学捜査一辺倒になるかもしれない。科学捜査を重視すれば冤罪は減るという人権活動家は多いが、祐里はそうとは言い切れないと思っている。人が起こす事件には、過去に例がないものが多数ある。科学に対抗する天邪鬼記者がいないことには、科学や人工知能が及ばない事件は永遠に解決できない気がする」そもそも取材ほど不合理、非効率なものはない。横書きリリース、縦書きにするだけの御用記者、AI時代はすでに…。

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    2025年09月01日
  • 対決の記者

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    謎の不審死事件と新興企業の不正疑惑。全く関係ないように思われた2つの報道はやがて1本の線に繋がっていく。新聞記者を探偵役に据えたミステリー小説。報道の裏側が丁寧かつ骨太に描かれていて、どんどん引き込まれる。この辺りの筆致はさすが著者としか言いようがない。一つひとつ進めていくからじれったいと感じる人もいるかもしれないが、個人的には「ここまで判明して残る謎はこれだから次に向かうべき場所は…」とテンポよく進む、むしろスピーディーな展開だと思う。あっという間に読み終えてしまった。

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    2025年07月26日
  • 対決の記者

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    本城雅人作品との出会いは、もう10年以上前。
    「球界消滅」という作品で、日本プロ野球球団の一部がMLBに吸収され、アジアリーグという新しいリーグが結成されるのか・・・・!?
    という内容。選手・監督からの現場目線ではなく経営者目線の展開で、数年内に実現してしまうのではないか?・・・・・と、大変楽しめたものでした。
    以来、
    メジャーもの、スカウトもの、といった野球関連、
    元新聞記者との経歴から、新聞記者関連、
    と数多くの作品を楽しく読ませて頂いています。
    今作は、
    タイトル通り、新聞記者もの。
    ・・・・・いつも通り、美味しく頂きました。

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    2025年07月24日
  • 対決の記者

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    中央新聞長野支局の事件記者・関口が、昼間に知り合った青年の訃報に疑念を抱き取材に乗り出す。

    一方で、東京本社の調査報道班では那智が滝谷と向田と、ある新興企業の不正疑惑を追っていた。

    やり手の社長が犯した許されないこととは…
    内部告発者の突然の失踪に滝田と向田は、社長のルーツを辿り長野へ向かう。

    長野で関口が追っている自殺と見られた事件が、殺人事件であり、滝谷と向田が調べていた企業スパイが繋がっていることに…。

    不正疑惑の会社が、バイオマスオイルの特許を取得したというところから、難しい実験過程やバイオ燃料に関する知識などサイエンスに関して無知な者としては途中まで読むのに時間がかかったが、

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    2025年07月22日
  • 対決の記者

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    自殺した人物は果たして本当に自殺だったのか?何かおかしい?更にもう一つ特許を取得したバイオマスは?ふたつの問題を追う事件記者と本社記者事件は複雑に絡み合い語られてなかなか絞り切られない話しもう少しスピード感と緊迫感が欲しかった!しかし謎が謎を呼ぶ展開は楽しめた。

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    2025年07月11日
  • 医療Gメン氷見亜佐子 ペイシェントの刻印

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    医療監視員、氷見亜佐子が新聞記者の藤瀬祐里に会ったシーンが強烈でした。 この氷見さんってキツい、性格悪いなぁと思ってしまいました。でも、難題に立ち向う為に協力を求める人達に対しての気配りもできる一面もあります。ストレートすぎるのかもしれません。医療ミスの隠ぺい、現実でも似たようなことがありそうで怖くなります。

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    2025年04月27日