【感想・ネタバレ】対決の記者のレビュー

あらすじ

追うべきは、殺人事件か、企業スパイか――
事件記者と調査報道班の相克
吉川英治文学新人賞受賞作『ミッドナイト・ジャーナル』に続く、渾身の社会派ミステリー!

「社長は人として許されないことをした。だから告発しようと思った――」
中央新聞長野支局の事件記者関口豪太郎は、一人の青年の訃報に耳を疑った。
昼間知り合ったばかりの好青年が、深夜に溺死体となって発見されたというのだ。しかも青年は偽名を使っていた。疑念を抱いた豪太郎は取材に乗り出す。
一方、東京本社の調査報道班は、ある新興企業の不正疑惑を追っていた。やり手の社長が犯した“人として許されないこと”とは?
内部告発者が突然の失踪を遂げるに及び、調査報道班は社長のルーツを辿って長野へ向かう。
絡み合うそれぞれの事件の先に見えてくる真相とは――?

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

新聞記者を描いた作品にハズレがない。

中央新聞の本社調査報道班と、長野支社が時を同じくして、企業不正と不自然な自殺案件を調べ始める。
警察官と新聞記者の関係性や、調査報道という事件へのアプローチを、テンポ良い物語の進展のなかで分かりやすく描いてる。
問題の人物達が過去から意外な関係で繋がっていた無理ないストーリーの転換が読んでいて気持ちいい。
面白かった。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

「ミッドナイト・ジャーナル」に続く渾身の社会派ミステリー!に違わぬ久々の会心作。プロットもそうだが、何と言っても記者の矜持が余すところなく描かれており、登場人物のキャラと人物描写が抜群で言うことなし。個人的に大好物のテーマなこともありグイグイ読むことができた。面白かった。

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2025年07月01日

Posted by ブクログ

もう、こんな記者いないだろうなぁ。懐かしい長野。新宿発松本行きが「あずさ」上野発善光寺行きは「あさま」珍しい誤植?「AIが発達し、やがて警察も科学捜査一辺倒になるかもしれない。科学捜査を重視すれば冤罪は減るという人権活動家は多いが、祐里はそうとは言い切れないと思っている。人が起こす事件には、過去に例がないものが多数ある。科学に対抗する天邪鬼記者がいないことには、科学や人工知能が及ばない事件は永遠に解決できない気がする」そもそも取材ほど不合理、非効率なものはない。横書きリリース、縦書きにするだけの御用記者、AI時代はすでに…。

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

謎の不審死事件と新興企業の不正疑惑。全く関係ないように思われた2つの報道はやがて1本の線に繋がっていく。新聞記者を探偵役に据えたミステリー小説。報道の裏側が丁寧かつ骨太に描かれていて、どんどん引き込まれる。この辺りの筆致はさすが著者としか言いようがない。一つひとつ進めていくからじれったいと感じる人もいるかもしれないが、個人的には「ここまで判明して残る謎はこれだから次に向かうべき場所は…」とテンポよく進む、むしろスピーディーな展開だと思う。あっという間に読み終えてしまった。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

本城雅人作品との出会いは、もう10年以上前。
「球界消滅」という作品で、日本プロ野球球団の一部がMLBに吸収され、アジアリーグという新しいリーグが結成されるのか・・・・!?
という内容。選手・監督からの現場目線ではなく経営者目線の展開で、数年内に実現してしまうのではないか?・・・・・と、大変楽しめたものでした。
以来、
メジャーもの、スカウトもの、といった野球関連、
元新聞記者との経歴から、新聞記者関連、
と数多くの作品を楽しく読ませて頂いています。
今作は、
タイトル通り、新聞記者もの。
・・・・・いつも通り、美味しく頂きました。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

中央新聞長野支局の事件記者・関口が、昼間に知り合った青年の訃報に疑念を抱き取材に乗り出す。

一方で、東京本社の調査報道班では那智が滝谷と向田と、ある新興企業の不正疑惑を追っていた。

やり手の社長が犯した許されないこととは…
内部告発者の突然の失踪に滝田と向田は、社長のルーツを辿り長野へ向かう。

長野で関口が追っている自殺と見られた事件が、殺人事件であり、滝谷と向田が調べていた企業スパイが繋がっていることに…。

不正疑惑の会社が、バイオマスオイルの特許を取得したというところから、難しい実験過程やバイオ燃料に関する知識などサイエンスに関して無知な者としては途中まで読むのに時間がかかったが、2つの事柄が繋がっていくのと同時に記者たちのそれぞれの個性も見事に調和が取れてきた。

事件記者と調査報道班、どちらにも記者ならではの凄さを感じた。




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2025年07月22日

Posted by ブクログ

自殺した人物は果たして本当に自殺だったのか?何かおかしい?更にもう一つ特許を取得したバイオマスは?ふたつの問題を追う事件記者と本社記者事件は複雑に絡み合い語られてなかなか絞り切られない話しもう少しスピード感と緊迫感が欲しかった!しかし謎が謎を呼ぶ展開は楽しめた。

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2025年07月11日

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