本城雅人のレビュー一覧
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馬産地で有名な北海道・日高市の家族経営の零細牧場「あかり野牧場」。無名の牧場で生まれた一頭の競走馬・キタノアカリはデビュー戦から負け知らず、ぶっちぎりの圧勝でいよいよG Ⅰに挑む。
馬への思いと経営の板挟みに苦しみながら牧場を営む牧場主とその家族、落馬の恐怖から抜けきれない崖っぷちの騎手、ダービー出走への期待を目前にしてある不安を抱える調教師‥‥。キタノアカリ疾走する。多くのものたちのを思いを乗せて。そしてゴールの果てにアカリが彼らにもたらしたものとは!
ジャーナルの世界を書かせたら天下一品の作者が競馬雑誌「優駿」で連載していたという今作は、読む前から結果がわかる感動の競馬小説。
馬の世界では決してエリートではないいわば叩き上げの一頭の馬に夢を乗せた人々が、馬から元気と、勇気と、希望をもらうというある意味ベタなストーリー。
だけど随所に作者の取材力がものをいい、競馬業界の問題や零細牧場の苦労、人の都合で使い捨てられる馬へ思い、調教師苦労、騎手の葛藤など思いもよらない話が掘り起こされて興味深い。
競馬小説といえば、先に読んだ早見和真さんの「ザ・ロイヤル・ファミリー」を思い出す。あちらが馬主目線の物語だったのに対し、こちらは馬を育てる側からの目線が効いている。
両方を読めたことで競馬界についてなお一層理解が深まった。ただ、小説の好みとしては、深く人間を描いたあちらの作品に軍配が上がるかな〜。 -
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自分が野球を見始めたのは、2003年の阪神が18年ぶりにセリーグを制覇したときでした。その後パワプロで阪神と、関西人なので近鉄でそれぞれのペナントレースをプレイし、ローズ・中村紀洋コンビでひたすらホームランを狙っていた記憶があります。この二人、ヒットの時と、ホームランの時とでバットの振り切り方が変わるので、それがとにかく爽快でした。
だから、その一年後に近鉄がオリックスと合併し球団消滅なんて、想像の遙か上のことでびっくりしました。そしてそのときに近鉄の厳しい資金繰りや、セリーグとパリーグの格差についても知り、子供心に野球って夢のあることばっかりじゃないんだな、と思った記憶があります。
この『球界消滅』が描くのは、その更に上をいく事態。国内の12球団は4球団に統合。そして韓国や中国とともにアジアリーグを作り、その全ての球団がMLB傘下に入るというもの。
あらすじだけ読んだときは、まったくピンとこなかったのですが、作中の説得力がまあ、半端ない……
豊富に示されるMLBの経営データは、いかにアメリカがスポーツをビジネスとして成り立たせているかを示し、対しての日本の商業スポーツの力不足、認識不足を示します。そして作中で描かれる各球団の力関係であったり、立ち位置の示し方も非常にリアル。
一応架空の球団という体ではあるのですが、野球ファンから見れば、それぞれの球団のモチーフは一目瞭然。さらには、あの在京球団のオーナーまで、分かるように書かれていて、野球ファンはにやりとさせられるかも。
登場人物たちの視点も非常に多角的。球団のオーナーや関係者などはもちろん、選手、新聞記者、ファン、審判、広告会社、それぞれの立ち位置から、日本球界の消滅という不安と、一方でのMLB参加への期待、という二項対立を描きます。
小説の特徴の一つは"ホラ話"であることだと思うのですが、ここまでな壮大なホラ話を、データからも、またそれぞれの人物の立場からも描き、絵空事を現実に近づけていく力量というのが、ただただスゴい。作者の本城雅人さんが野球を題材にした小説を書かれているのは知っていましたが、ここまで野球に迫っていくとは、思っていませんでした。
4球団構想の中に隠された思惑、壮大なシュミレーション小説を読んでいるようでもあり、経済小説を読んでいるようでもあり、ミステリ要素もある。そして一方で資本や商業の枠を超えて、プロスポーツとはどうあるべきか、選手たちは何を基準にするべきか、ファンが求めるものは、そのことを問いかけられているような気もします。
野球好きな一ファンとして、賛成できる面、感情的に割り切れない面、色々あって考えさせられました。そしてさらに今年はコロナウイルスで、プロ野球をはじめプロスポーツの収益は、他のエンターテインメント業界同様に大打撃を受けていることもあり、改めて現実の球団は大丈夫だろうか、と心配に感じてしまいます。
ファンあってのプロ野球とは言うものの、実際は資本や経営状況とは切っても切れないもの。夢や理想を見せる野球の裏にある現実と、それでも捨てられないもの。この『球界消滅』はそうしたものを描こうとしていたように思います。 -
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ネタバレファンドによる買収話6話。
藤浪亮介率いるラグジュアリーファンドは、高級で売る業種をターゲットにしたファンド。債権を手に入れた先に挨拶に行き、買収の提案と同時に、古武士という社員をそこで働かせる事で、回収の見込みがあるか、そこで提供している物が贅沢かどうか、古武士に判断させる。
古武士は、働く先々で必要な事を勉強しながら、自分なりに贅沢かどうか考える。その思いを汲んで、藤浪が給料を上げてくれたりもする。
藤浪は、古武士に働かせて情報を得るのとは別に、自分でも情報を仕入れて、債権を入手した企業をどうするか決める。
6話それぞれは独立した話だが、最後には養父である藤浪謙将との対決が待っている。
亮介は、謙将が作った経営塾をトップで卒業しながら、謙将の会社には入らなかった事で怒りを買ってしまった為、仲は良くないのだ。
それぞれの話も悪くないが、最後の親子対決は見ものである。 -
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スマホで何でも観れる世の中「紙の新聞」はこの世に必要ですか?
私は必要と思っていますが新聞は取っていません。。
大元は新聞記者が汗水流した情報がスマホに反映されるから。。
全てがすべて利益になる「ネタ」はあり得ないが、新聞記者の「目」と「足」に
勝てるものはないかなぁ~
地方の新聞社がIT企業に買収される話が出回ったとき新聞記者がそれを阻止した
方法とは?
新聞記者の意地とプライドを掛けた戦いが始まった
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いちばんゆるい読書会In町田
第一金曜日の夜に読書会を町田にて開催していまーす。。
参加資格は・・・本が好きなこと以上!
持参した本を紹介するのではなくメンバー同士本の貸し借りを
するのが特徴の読書会です。。
気になったあなた!ご連絡してくださーい。。
megumegu0753@yahoo.co.jp
「読書会希望」と書いてメールお待ちしています^^
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「親しき仲にもスキャンダル」を信条とし、数々のスクープをものにした元週刊タイムズ伝説の記者・瓦間が女性宅への不法侵入及び窃盗の容疑で逮捕された。取り調べをはぐらかす彼が漏らした言葉、「友を待つ」とはどういう意味なのか。
かつて不祥事により彼と共に解雇され今は実家の家具工房を継いでいる元同僚記者・石橋と、彼らの後輩で今タイムズの副編集長をしている記者・新見が瓦間の行動の真の目的を探るため行動を起こす。
一方、瓦間を取り調べる目黒署の刑事・涼子は、この事件にかつて不倫スキャンダルを週刊誌にすっぱ抜かれた警察官僚・澤田が深く関与していることを知り、事件に疑念を抱く・・・
不法侵入・窃盗、警察官僚の不倫スキャンダル、元外務大臣とロシア情報会社との癒着、政界のプリンスの過去にまつわる暗い影、フィクサーの暗躍・・・とどれだけ風呂敷を広げるんだ~というほどの息をつかせぬ展開に酸欠状態。
抜いた抜かれたのスクープ合戦に、スキャンダルの報復に対する報復・・・あ~頭がついていけない。
こんなことで「特定秘密保護法違反」とかいって欲しくない気もするけど、ラストの光景が爽やかな青春小説のような趣だったことで救われました。終わり良ければ総て良し?疲れた~ -
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なんだかよくわからないストーリーだった。IT会社が何をしようと思っていたのかもいまいちピンとこず。ラストも???。安芸さんも新聞が生き残るために選んだのだろうけれど…。もう少し丁寧にその心情や決意を描いてほしいなぁと思ってしまった。どんどん新聞購読者が減っている今、従来通りでは本当にいつかなくなってしまうのかもしれない。生き残っていくためにどうするかを真剣に考えていかないと、本当にまさかなことが起こるのかもしれないという問題意識のもとの作品だということはわかった。
もっと記者の顔がわかる記事をとかいうことには賛同する。それにウェブではなく、紙であることもやはり大事なことのように思う。ウェブではどうしても自分の興味のあるニュースしか見られない。なぜなら検索をするだろうから。でも、紙媒体の良さは、興味のないこと、知らないことにも気づけるということ。スクープよりもじっくり取材して、その記者なり新聞社なりの視点で切り取ることを大事にしてほしいなと思いながら読んだ。 -
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「ビーンボール スポーツ代理人・善場圭一の事件簿」
スポーツ小説ではない。
スポーツ代理人だと言っても、スポーツ界の闇や犯罪を暴くのではない。善場圭一が嘗ての顧客で問題児の強打者瀬司の行方を追う中で、瀬司の高校時代の日本選抜でチームメイトだったある男の真相に辿り着く。そして、その秘密が全く無関係だと思われていた男に結びつく。実に探偵ちっくなストーリー。
善場圭一の宿敵(宿敵な要素があまりないそうに感じるが)であり、瀬司の元妻である羽田が、やや鬱陶しいが、それ以外のキャラクターはクセがある。高校時代で名を馳せたが、怠惰に身を任せていった元球児や元プロ野球選手には同情の余地もないが、瀬司は少しキャラが違う。が、天才肌のように描きたかったのだろうが、最後までよう分からん奴だった。しかし、一番のくせ者は、真犯人可能性大な男だろう。まさかこんな形に繋がるとは思ってなかった驚きに加え、なかなかのクソ野郎で、瀬司の濃さが薄まる。
クセがあるメンツに加えて、善場圭一のプロフェッショナルさもポイント。くせ者古見沢が、善場圭一とくせ者ヨロシク、バディを組むまでの流れがなんか良いのだが、代理人とはなんたるかを、マスコミが何を言おうが貫く姿勢は見事である。最後の古見沢の台詞がまた光る。
代理人とはなんたるかを善場圭一が、事件の解決序でに示す一作。 -
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「とりあえずニュース出せ」、略して「トリダシ」が口癖のスポーツ新聞のデスク、鳥飼。ニュースネタに対する執着心は誰もが一目置くが、口の悪さとワンマンプレーで敵も多い。
そんな鳥飼を中心として、特ダネをめぐるスポーツ紙記者たちの取材合戦が描かれる連作短編集。記者たちの激しい騙し合い、主導権争いの中、鳥飼は常に俯瞰的視点を崩さない。そんな余裕のある態度が周囲をさらに混乱させる。
新聞記者にとって特ダネは麻薬だ。麻薬のためなら何でもやる。かつての鳥飼もそうだった。が、記者をまとめる管理職となれば、記者よりも会社の都合を優先させる時もあるし、自分から火の中へ突っ込んでいくこともある。そして、そんな努力や苦労を見せないことも重要だ。
抜きつ抜かれつの特ダネ争い。記者ってのは大変な職業だ。