あらすじ
留学先のニューヨークで目的意識もないまま過ごしていた恭平と篤郎のもとを、意外な人物が訪ねてきた。メッツの日本人ピッチャー、進藤だ。チームメイトにかけられた窃盗の疑いを晴らすために、クラブハウスボーイのアルバイトとして潜入しろという。さっそくメッツのホームスタジアムで働きはじめた二人は、選手の世話で大忙し。大量のユニホームの洗濯と食事の準備に追われている間に、またもや盗難事件が――。海外で奮闘しながら成長していく若者の姿を、活き活きと描いた青春連作ミステリ。文庫化に際して書き下ろしを1編加えた決定版。解説=吉井理人
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Posted by ブクログ
ここのところ野球関連の書籍といえばノンフィクションか「数字が並んでいるもの」しか読んでないこともあり、久しぶりに本城小説を無性に読みたくなって一気読み。フィクションだからこそ許されると無理筋なプロットと、取材に裏打ちされた鮮明なディテールの同居が堪らない。単行版『ボールパークの魔法』を文庫化する際にこうやって改題した意図はいずれ聞いてみよう。ボールパークに神様はいるからねえ。
Posted by ブクログ
ひょんなことからメジャーリーグ・ニューヨークメッツのクラブハウスで働くことになった日本人留学生がチーム内の様々な問題を解決していく短編集。
メジャーリーグの臨場感が伝わってくるような作品でとても興味深く読めた。「さすらいの仕事人」という作品に登場するジャーニーマン・スティーブがよかった。
Posted by ブクログ
フィクションということで読むと、メジャー好きにとっては素晴らしい作品。著者の取材力も光る。
一方で、現実の世界ではこんなにトラブルは起きないし、大事な仕事を一番下っ端のクラビーに任せることはないし、そんなに気軽に選手と出かけることもない。関連した業務を囓ったことのある人間の感想。
NYCでうだつの上がらない留学生の描写は秀逸。アメリカにはこんな感じの裕福な「苦学生」が山のようにいる。
前者で現実離れしているので星を3つにしようとしたが、大ファンの吉井理人氏の解説がうれしく星を1つ追加。続編が見たい気もするが、現実離れした話の連続になりそうなのでなんとも言えない。