高里ひろのレビュー一覧
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ハンムラビ法典から現代の国際法まで人類と法の4000年の歴史を綴った一冊。
個人的に面白かったのは中世アイルランドの法の約半分が地位に関して言及しており、あまりにも細かく言及しているのでその中にはプロの屁こき師という身分についても述べられていたこと。ここまで詳しく身分について述べているのは実際には整然としていない多様な社会的関係に法によって秩序をもたらそうとした試みであることが興味深かった。
法はそれぞれ独自のものがあるが、それを成分化することは独立のしるしだと著者はいう。古代文明国の周辺国も次第に法の効力を認めて法が広く広まって行ったことを考えると面白い。
少し、私はこの本を読むには知識不足で難しいところが多々あったので、もう少し世界史・宗教史・民俗学の知識を身に付けてからもう一度読み直してみたい。 -
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ネタバレ企業に「インターン」と称して殺し屋を送り込む〈ヒューマン・リソース社〉に所属する一流の殺し屋であるジョン・ラーゴが、引退前に殺し屋の心得を後輩に向けて書き記した指南書…という体裁のサスペンス小説。
アメリカ映画でありがちなキザな言い回しが多すぎて、しかも本書が「ジョン・ラーゴが書き記した指南書」という体裁なため、セリフだけでなく地の文すら気取った表現のオンパレードなので、読んでいてゲップが出そうになる。
本書はジョン・ラーゴが引退前の最後の任務内容を語ったもので、ラストまで読んで「ボブが死んでジョン・ラーゴがHR社から引退(脱退)したのなら、この指南書を読む『後輩』という立場の人物は存在しないのではないか?」という疑問があるが…。
結局アリスはFBIの人間なのかボブの配下なのか? もしボブの配下なら、本書に所々挿入されているFBIの録音記録は何?
ストーリーとしてはなかなか面白いものの、あまりスッキリしない内容だった。 -
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日本でも広く浸透している「幸せの追求」に対する批判的な主張。
今まで何の疑いもなく"幸せを追求することは無条件に良いことである"と思い込まされていた私にとっては多くの気づきがあり、とても勉強になった。
「ネガティブ」な感情は悪ではなく、寧ろそういった感情が歴史的にも改革を起こした重要な感情であるとして、「ポジティブ」になることだけが目的ではなく、批判的思考等の「ネガティブ」な考え方も道徳的目的でありつづける、ということ。また、企業文化や企業のpurposeを従業員に内在化させ、「ポジティブ」な社員を増やすことによって企業の生産性や業績向上に繋がるという逆の方程式に対する批判(本来は企業が努力すべきことを社員に責任転嫁しているという主張)。
それら本書の主張や批判については否定するつもりはない。
一方で、それでは我々個人はどうしていくべきなのか、に対する筆者の考えは明確には述べられないまま本書が終わってしまったことは残念。 -
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ネタバレ法を生み出したメソポタミア、インド、中国の法の起源と大目的を記述。
・メソポタミア:紀元前4千年紀にはウル第3王朝に「ウルナンム法典」既に現代に続く「決疑法形式」を採用。さらにハムラビ法典に。基本的な法令のほかは特殊ケースを定めており一般的ケースは定めていない(慣例・常識による御成敗式目に同じ。)、また、考古資料からは法令としてどの程度採用されていたかは不明。一方エジプトは法がない社会。王が寛容を示し、神の言葉として立法し、人民の正義の実現を大目的。
・インド;ヴェーダはあったが、義務や祭儀、2世紀のクシャナ朝で「マヌ・シャーストラ(法典)」が成立。バラモンが立法し、主にバラモンとクシャトリアの義務、食事、冠婚葬祭、セックスを含む生活全般の規律、刑罰、司法手続などだが、家族法、財産法、契約法なども規定。ダルマ(宇宙の秩序)の実現が目的。
中国;懲戒と刑罰の秩序。皇帝が立法し、法により、官僚、経済、社会等の統制を図る。民事も刑法によることになるため、民事上の争いの多くは実際は訴訟せずに解決。均分相続が原則であるが、均分相続に反すると刑罰の対象。唐律により体系化が完成。
ローマ:法は市民が正義を求めるための道具であり、十二表法以来時代とともに市民の手により変遷、ユスティニアヌスのローマ法大全により固定化を図ったが。
ユダヤ教:聖書と口伝からラビが体系的なトーラーを編纂
イスラム:クルアーン等の類推や慣行からカーディーやウラマーが規範を編纂。立法は神であり、解釈立法。
中世ヨーロッパ:教会法(ローマ法)やサリカ法典(部族法)などがあったほか、イングランドではコモン・ロー
中世には、世界各地で「法の支配」が浸透することにより、権力の制限、正義の保証、取引の安定が生み出されいった。皇帝が法の外に立ち「法による支配」が精緻化した中国を除いて。裁判制度は普遍的にみられ、神判、誓約、拷問による自白の強要などから証拠、尋問、陪審員制などへの移行がみられた。浩瀚な
な事例をひいているが聊か煩雑。
近代以降は弁護士とはいえ人類学から記述するものではないと思う。人類学の視点からの統一的記述か?
・国民国会の成立によりプロイセン大法典等の編纂、さらにナポレオン法典等の成文法、一方イングランド・ウエールズ(スコットランドは異なる)でコモン・ロー。世界の欧米化により、徐々にヨーロッパ法が広まる。
・例外:イスラームのシャーリア、チベット遊牧民の血讐、アルジェリア山岳民のカーヌーン、ユダヤのダイヤモンドシンジケート、マフィアのオメルタ -
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自由に生きられる無限の時間を得た代償に、誰の記憶にも残らなくなったアディ。“自分のもの"を持つこともできず、他人の住まい、他人のものを拝借して暮らす生活を強いられる。彼女の孤独な人生の支えとなったのは、美しいものや驚きを見つけていくことだった。パリで、ヴェネツィアで、ロンドンで、ミュンヘンで。そして300年の時がたった・・・。2014年、ニューヨーク。アディが古書店で出会ったヘンリーは、ただひとり、彼女のことを憶えていられたが・・・。彼を愛したアディの、誰も知らない、誰にも忘れられない物語。
久しぶりに設定が面白くて夢中になって読む作品に出会った。しかも途中まではこれは幸先良さそうだと思った途端にアディ同様、読者も突然のカミングアウトに奈落へ突き落される・・・(苦笑)何かあるなと思ってたらそういう罠があるのね。いったいどうするんだろう?とハラハラしていたら、彼女の選択は納得はするけど切なかった。彼女が300年で学んだ「しぶとい考え」を残すことをヘンリーの手に託して彼女は生き続けることを肯定した。自分の人生を記すことでアディは虚しさを感じずにすんでいるのなら、この先彼女が解放されたときにも、同じようにインスピレーションを与えて初めて見るものを楽しむんだろうか。ヘンリーという存在に初めて救われたから、喜びに打ち震えた彼女を思うと、これから無限に生きることの意味が少し弱く見えてしまった。 -
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誰の記憶にも残らない人生の 誰にも忘れられない物語――1714年、フランスの小さな村。アディ・ラルーは、広い世界に憧れ、運命の恋人との出会いを夢見ていたが、望まぬ結婚を強いられてしまう。追いつめられたアディは、古い神々のひとりと取引し、望みどおり自由に生きる時間を手に入れる。しかし、その取引には落とし穴があった。アディは誰の記憶にも残らなくなってしまったのだ。家族からも忘れられ、世界中の誰からも消えた存在になった・・・。
現在と過去が数章ごとに入れ替わるため、若干せわしない切り替えが求められますが、いったいこの先どうなるの?という展開が読めないところは設定が上手い。簡単に諦めずヴィランにいたら見つけられなかった幸せをかみしめるアディの強さに応援したくなる。闇のことを死ぬほど憎んでいるのに、それでも覚えていてほしい、そばに現れてほしいと願ってしまう願いが切ない。ようやく例外となるヘンリーとの出会いが、彼女に期待と恐れを運んできますが、果たしてヘンリーは何者なのか?という気になるところで上巻が終わるのでこれは早速下巻を読まねば! -
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ストーリーは⭐️5
翻訳に関しては⭐️1
ストーリーはすごく良くて、様々な事柄に関して考えさせられた。下巻も読むつもり。けれど翻訳が酷すぎる!!!!
翻訳小説を幾つも読んできたけれど、最悪。ほぼ直訳でGoogle翻訳に仕事を行わせた感じがする。これだったら原書を自分で翻訳した方がマシかもしれない。そして誤訳が多すぎる。例えば登場人物であるLucが“リュック”になっていたりする。(多分ほんとうはルーク)あと、原書では多分、本文は詩的な感じだと思うけど、日本語版は、、、表現できないほど酷い。もっと美しく英語を日本語に翻訳できる翻訳家さんに翻訳して欲しかった。そしたらもっと美しい小説になっていたと思う。
あと、値段が高すぎる。版権などなどで高くなるのはしょうがないけど、上下合わせて約3600円なのはいくらなんでも高い。(それにこの翻訳だし。)もともとは1冊なのだから、文庫本で1冊として安くして欲しかった。 -
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ネタバレあばずれの母を持つヒロイン。
その母親が大金を持って眠っていたところをそのお金が入ったバッグを盗み、妹を連れて逃げるようにシカゴへ。
ヒーローはその2人がシカゴで見つけたアパートの住人で警部補。
ヒロインとヒーローの最初の出会いは最悪なものだったけど2人はお互いに惹かれるものを感じて…。
最初から飛ばしてます(笑)
訳者あとがきでダーティートーカーの意味を知ってこのヒーローにピッタリの言葉だと思った。
俺様で強引なんだけどこのヒーローは嫌な気はしなかった。
ヒロインのことを想ってるのが伝わってきたからかな。
ヒロインが置かれた状況の解決があっさりしていてこれはロマサスではないんだ、と。
ヒロインがヒーローに反発しながらも欲望に抗えずHOTシーンの連続だったけどあまり飽きずに勢いよく読めた。
何も考えずに軽く読みたいときにおすすめですね。 -
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表紙は最高。考えないことをめちゃくちゃ馬鹿にしてる。
専門家の立場で書かれた本なのに、感情や推論で書かれていた大半にはなんとも。もともとブログだったものに加筆したらしく、勢いは伝わってきた。それだけ怒ってるってことみたい。
専門家の定義で強く賛同できたところとして、「自分の専門における最悪のミスとその避け方を知っている」「非常に狭い分野でありとあらゆるミスを経験した」人間。ものごとを多少知ってる人間を専門家と見なすことのおかしさは、考えるべき。
考えることをやめると、飛びつくのは陰謀論。物事のつながりが理解しやすいし、秘密を分かった気にもなれるし、何より面白い。けど大切なのは、社会ってそんな単純な構造はしていないってこと。 -
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偉大な数学者アイザックが亡くなった。里子の孫であるヘイゼルのもとにアイザックからの手紙が届く。彼のパソコンに保存された彼の方程式を消去する事、誰にもそのことを話してはならない、という遺言であった。数学や物理学が専門の他の親族ではなく、なぜ数学が苦手なヘイゼルなのか。パソコンのパスワードは何なのか。
さまざまな数式や方程式が出てくるが、数学が苦手でもまったく問題ない。登場人物が多くて、名前と親戚関係を覚えるのにちょっと苦労する。ヘイゼル目線と、ヘイゼルの兄グレゴリーの章、アイザックの息子フィリップの章が交互に続くなど、慣れるのにこれもちょっと苦労する。でも後半は、どういうことになるのか、どんどん読んでしまう。
こんな数学あるか!と思いつつも、面白いトリックだった。