あらすじ
自由に生きられる無限の時間を得た代償に、誰の記憶にも残らなくなったアディ。“自分のもの”を持つこともできず、他人の住まい、他人のものを拝借して暮らす生活を強いられる。彼女の孤独な人生の支えとなったのは、美しいものや驚きを見つけていくことだった。パリで、ヴェネツィアで、ロンドンで、ミュンヘンで。そして300年の時がたった……。2014年、ニューヨーク。アディが古書店で出会ったヘンリーは、ただひとり、彼女のことを憶えていられたが……。彼を愛したアディの、誰も知らない、誰にも忘れられない物語。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
リュックかヘンリーなら、断然リュック。緑の目が悪魔らしくて良い。
アディの境遇はわかるけど、結局自分のためにしか生きてないのがなんだかな。だからこそ自由なんだろうけど。
この作品の主題ではないが、自分さえ良ければと思ってしまった。いやそれが正しいんだけど。なんかな、って引っかかった。
ヘンリーの魅力も良く分からなかった。リュックよりマシではあるが、自分の好みがリュックに傾ているので。
面白かった。またこういうの読みたい。
Posted by ブクログ
自由に生きられる無限の時間を得た代償に、誰の記憶にも残らなくなったアディ。“自分のもの"を持つこともできず、他人の住まい、他人のものを拝借して暮らす生活を強いられる。彼女の孤独な人生の支えとなったのは、美しいものや驚きを見つけていくことだった。パリで、ヴェネツィアで、ロンドンで、ミュンヘンで。そして300年の時がたった・・・。2014年、ニューヨーク。アディが古書店で出会ったヘンリーは、ただひとり、彼女のことを憶えていられたが・・・。彼を愛したアディの、誰も知らない、誰にも忘れられない物語。
久しぶりに設定が面白くて夢中になって読む作品に出会った。しかも途中まではこれは幸先良さそうだと思った途端にアディ同様、読者も突然のカミングアウトに奈落へ突き落される・・・(苦笑)何かあるなと思ってたらそういう罠があるのね。いったいどうするんだろう?とハラハラしていたら、彼女の選択は納得はするけど切なかった。彼女が300年で学んだ「しぶとい考え」を残すことをヘンリーの手に託して彼女は生き続けることを肯定した。自分の人生を記すことでアディは虚しさを感じずにすんでいるのなら、この先彼女が解放されたときにも、同じようにインスピレーションを与えて初めて見るものを楽しむんだろうか。ヘンリーという存在に初めて救われたから、喜びに打ち震えた彼女を思うと、これから無限に生きることの意味が少し弱く見えてしまった。