松井今朝子のレビュー一覧

  • 似せ者

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    4/24 良質の短編集を読んだときというのは長編とはまた違った感覚になる。一つ一つの物語が短いのにどっぷり引き込まれていろんな世界を行ったりきたり。あー今朝子さんよいわ。好きだわ。もっともっと読みたいわ。そんでなんでこんな色気が描けるんでしょうと失礼ながらも不思議に思う。ご本人がそういう感じに見えないだけに。

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    2009年10月04日
  • 二枚目 並木拍子郎種取帳

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    4/14 ひさしぶりの今朝子さん。前作(シリーズの)に比べて話が進むにつれ、明るい、おもしろいところだけじゃなくてキャラクターの深いところにまで触れていて楽しいだけではない哀愁があった。目に浮かぶような江戸時代の描写、演劇を知り尽くした上での謎解き。飽きないなあ。

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    2009年10月04日
  • 非道、行ずべからず

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    久々に読み応えのあるものに出会えて満足!
    歌舞伎の表の華々しさだけではなく、その裏側の生々しい現実、芸の道に事細かにリアルに描かれていて、江戸の世の話なのにまるで現代に通じるものを感じてグイグイと惹きこまれていきました。
    テレビの勧善懲悪もの時代劇ドラマを見慣れているためか、時代小説は「死んだ息子の敵討ちに親が殺人を犯す…最後は両成敗…」うんぬん…なものと決めかかって普段からあまり手をつけない私(笑)でも読み進めることができたのが驚き。一気に読んでしまった
    犯人はほとんど絞られているのだけれど最後まで分かりません

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    2009年10月16日
  • 仲蔵狂乱

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    仲蔵という芸名壱本で、七両取りの稲荷町から千両役者にまで上り詰めた。この後お前さんのような役者は、もう二度と出ねえよ

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    2009年10月04日
  • 非道、行ずべからず

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    読み応えがあり、面白かった。江戸芝居町の風俗がきめ細やかに且つ生々しく描かれていて良い。本格時代ミステリーの傑作。

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    2009年10月07日
  • 家、家にあらず

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    10/30 おもしろかった。その人の住む世界の道理と世の中の倫理みたいのの対立がこの人の作品の軸になっている気がする。ミステリとしても結構最後まで予想できずに読んでたので楽しめた。

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    2009年10月04日
  • 一場の夢と消え

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    寺男だった信盛が才能と才覚で、劇作家近松門左衛門として成功していくサクセスストーリーがとても面白かった。信盛の周りの芸事に携わる人たちが生き生きと描かれていて、特に丹六と玉鬘太夫のエピソードが芝居の演目のようにドラマチックで物悲しくて心に残った。

    「虚にして虚に非ず、実にして実に非ず、虚と実の間をつなぐのが芸というもんだ」

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    2026年08月21日
  • 円朝の女

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    ずっと一人称で続いていく、なんか久々にこういう感じの小説を読んだ。正直、前半は読みづらくも感じたけど、だんだん慣れてきたのか、気にならなく。文章が上手だからだな。お話を聞くようで、面白く読めました。

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    2026年07月02日
  • 芙蓉の干城

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    渡辺淳一文学賞から

    日中戦争間近の昭和8年東京。
    歌舞伎の殿堂木挽座を舞台に巻き起こる殺人事件を追った劇場時代ミステリ。

    2021年に出版された小説ですが、普段時代物に慣れ親しんでいない身には「本当にこれは現代に書かれた文章なのか」と思うくらい初めて見る熟語や比喩表現が多く。
    久しぶりに読書初心者気分を味わうというか、文字の上を滑っていってしまう目線と格闘しながら読み切りました。

    でも、それでも読み切れたのが「面白い」ということなんだろうな。
    歌舞伎という伝統芸能の、役者だけでなく裏方やお得意様まで含めた歴史あるしきたりが築かれている特殊な世界。文明開化、西洋化の波の中で浮き彫りになる階級社会。戦争へと向かう社会の、ともすれば洗脳とも紙一重になるような若者の危うい思想。
    時代の空気と伝統の格式が融合された中で展開されるミステリ、自分は全く触れたことのない作風だったからとても新鮮でした。

    もうひとつ、この1冊を経験したことで吉田修一さんの『国宝』を読んでみたいなと思えたことが大きな収穫。
    映画は本当に傑作でしたが、あの世界を、歌舞伎の舞台を言葉でどう表現しているのか。気になります。

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    2026年06月27日
  • 歌舞伎の中の日本

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    歌舞伎を知る上での入門編としてお勧め。
    歌舞伎にも幾つかのテーマがあり、それを代表的な作品を通じて解説している。
    歌舞伎で取り上げられるテーマは、今の日本人にも宿る精神に通じるものがあり興味深い。

    以下引用~
    ・歌舞伎にはさまざまな先行芸能や同時代の芸能、さらには同時代のあらゆる文化や風俗を巧みに取り組んで今日に残してくれています。私たちの祖先がごく日常的に使っていたもので、今や歌舞伎の舞台でしか見られない品々はごまんとあります。
    ~
    歌舞伎を知ることは、私たち日本人を知ることにほかなりません。映画もテレビもゲームもスポーツ観戦も、ほかの娯楽がほとんどなかった遠い時代、芝居小屋につめかけた日本人の心を強く惹きつけ熱くさせたものは一体なんだったのだろう、と思いを馳せて舞台を見るのも、歌舞伎の一つの楽しみ方ではないでしょうか。

    ・江戸時代、顔見世は必ず十一月に行われていました。陰暦の十一月は中国の周の時代の正月に当たるので、その月にしたともいわれていますが、要は冬至の時分で、一年でいちばん夜が長い時期に顔見世をやっていたわけです。
    クリスマスが実はローマ時代の「冬至祭」だったといわれるように、世界中のいたるところで冬至は人間にとって大きな意味を持っていました。

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    2026年02月15日
  • 一場の夢と消え

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    ネタバレ

    近松門左衛門の第38回柴田錬三郎賞作品。

    門左衛門ではなく信盛としての目線での一人語りなので、共感できれば物語に入り込めると思います。
    自分は、特に老いてからの息子の心配や自分の行く末を考えるところに共感しました。
    また、有名な浄瑠璃作品の制作背景が出てきますが、いろいろ初挑戦していたことに驚きました。

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    2026年02月07日
  • 仮名手本忠臣蔵

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    ネタバレ

    勇んで原文&現代語訳から読んでみたものの、本作を読んで半分も理解できていなかったと判明。ここから色々読んでみよう。

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    2026年01月31日
  • 芙蓉の干城

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    満州事変後のざわざわとした雰囲気の中で、歌舞伎の劇場が絡んだ殺人事件が起きる。
    戦争前という時代背景と伝統芸能の場という対比。
    そしていつの時代も変わらない人間の情念。
    それらが混ざり合った独特な雰囲気に、魅せられる。

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    2025年11月30日
  • 仮名手本忠臣蔵

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    口語調なので読みやすいけれど、時代小説を読み慣れている身からすると舞台などのガワとセリフが乖離しているようで違和感もあり。

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    2025年05月06日
  • 一場の夢と消え

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    近松門左衛門になるまでが
    やた冗長だがクリエイターと
    しての成長や、
    周囲の舞台人たちの群像劇が
    現代的で面白い!

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    2025年03月16日
  • 料理通異聞

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    江戸時代の実在の料理屋「八百善」がモデルで、その店主善四郎の人生を描いた一冊。

    全体的に淡々と進んでいった印象で、八百善が困難を乗り越えて大きくなっていく爽快感はあまりない。着実に一歩一歩進んでいく。

    メインは、善四郎の人生に起こる色んな人との出会いや出来事のドラマで、それらが丁寧に描かれている。

    登場人物らの言葉がよかった。
    が、個人的に勢いがもう少し欲しかった。

    ☆2.5

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    2024年10月17日
  • 一場の夢と消え

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    ネタバレ

    一場の夢と消え

    著者:松井今朝子
    発行:2024年8月30日
    文藝春秋
    初出:「オール讀物」2023年3・4月号~2024年3・4月号

    もう4年も前になるが、同じ著者による「江戸の夢びらき」という小説で、初代市川團十郎の誕生と、二代目團十郎が一人前になっていく様子が描かれた。史実に基づいたフィクションとのことわりがあり、團十郎の評伝的な小説でもあった。

    今回は、舞台が関西、京と大坂である。主人公は近松門左衛門こと、杉森信盛。

    越前の武士の子として生まれた信盛が、京でどのようにして浄瑠璃や歌舞伎の脚本家となっていったのか、そして、大坂で曽根崎心中を大ヒットさせて不動の地位を築いた経緯、国性爺合戦という史上稀に見るロングラン作品が誕生した様子など、華やかに描かれている。今回は史実に基づいたフィクション、といった注意書きは出ていないが、この著者のことだろうから、かなり史実には忠実なのだろう。ただし、評伝と違って小説なので、華やかさがあるし、いきいきとした歴史ワールドが読んでいる時に脳内に広がるのである。

    とはいえ、著者は早稲田の修士まで終えて松竹経由で脚本家になった実力派作家。直木賞作家でもあり、語彙も豊富で歴史や文芸の知識も豊富。言葉も古めかしいものにこだわる部分もあり、読みやすい文体だが言葉は平易でもない。辞書が必要な部分も結構ある。

    物語は「春永」「夏安吾(げあんご)」「出来秋」「斑雪(むらゆき)」という季節に喩えた4章からなる。

    春永は、武家に生まれた信盛が浪人中、近江の近松(ごんしょう)寺で暮らしている時、三井寺を訪ねてきた公家の正親町公通(おおぎまちきんみち)に出会うところから始まる。公通は権大納言・実豊の長男。2人は会ったのは初めてではなかったので、公通も覚えてはいた。

    後日、信盛は上京して公通を訪ねると、雑用のようなことをするなかで、公通に代わって浄瑠璃を案文してほしいと頼まれる。浄瑠璃は聞いたことがあるが、もちろん書いたことはない。しかし、持ち前のセンスでなんとか書くと、評判は上々だった。「春永」では、そんな浪人、下積みから、なんとか浄瑠璃を書いて生活が出来るようになるまでを描いている。もちろん、浄瑠璃語りなど前面に出る人間には比べものにならないほどの薄給ではあった。なお、公通の妾腹の妹である弁の君について侍女をしていた清滝(多岐)と結婚することになった。

    「夏安吾」では、浄瑠璃や歌舞伎作者として生活できるようになった信盛が、大坂・道頓堀の竹本座のために書いた「曾根崎心中」が出来上がるまでを描く。

    信盛は、京で仕事をするなか、興行師・竹屋庄兵衛(竹庄)のもとで義太夫語りをする、宇治嘉太夫と出会う。宇治座の座本である。そこには、若手の有望株である天王寺五郎兵衛もいる。なめらかな嘉太夫に対し、声量があり一語一語力強くはっきりと語る五郎兵衛は、のちに竹本義太夫となり、竹本座を率いることになる。

    浄瑠璃を書いて暮らすなか、京の歌舞伎役者、坂田藤十郎の演技に惚れ込み、歌舞伎の作者にもなる信盛。彼が初めてだということがいくつもあるが、その一つに、かぶき芝居で初めて素人から狂言作者になった、というものがある。
    ・素人から初めて歌舞伎の狂言作者に
    ・浄瑠璃で初めて正本に作者の名を記した
    ・初めて心中の浄瑠璃を書いた
    ・「国性爺合戦」で初めて足かけ3年の興行をした

    そして、都万太夫が興行師をする都万太夫座の座付きとして、坂田藤十郎(座本)の芝居を書くことになった。彼の年俸は800両と噂された。一方、都万太夫座から信盛がもらう給金は銀1貫目。16、17両だった。

    そんななか、大坂で旗揚げしていた竹本座から呼び出され、大坂へ。竹庄から窮状を訴えられた。苦しいらしい。大坂では心中騒ぎでもちきり。そこでこれを浄瑠璃にした。歌舞伎では、朝一番の上演で主演目の付録として「切り狂言」を最後に上演していた。これにならって、浄瑠璃にも「切り浄瑠璃」をしようとアイデアを出し、切り浄瑠璃「曾根崎心中」を上演。辰松八郎兵衛の人形が大いに客席を沸かせるなか、大ヒットとなった。

    「出来秋」では、浄瑠璃の正本は、それまで作者の名前など一切入らなかったのが、近松門左衛門の名前が入ることになった話からスタート。この名をいれることで本がよく売れる。京の出版元も、大坂の高麗橋に出店を出すことに。しかし、偽本も出回り始めていた。なお、近松門左衛門のペンネームは、近江の近松寺にいたことにちなむ。

    浄瑠璃も、歌舞伎に倣って11月に顔見世をすることになった。信盛も大坂の高津に居を移した。とはいえ、妻の多岐は生まれ育った京を離れがたく、単身赴任状態に。道頓堀のいろは茶屋(48軒あったためこう呼ばれた)の一軒、「ほ」の奈加といい仲になる。

    竹本座は、本書きでもある竹田出雲のもと、新生竹本座となり、「顔見世浄瑠璃」を打つ。宝永2(1705)年11月初日、「用明天王職人鑑」がヒット。
    ♪沖に恋路のまだいろは船、惚れてほの字の帆が見ゆる・・・
    しかし、宝永地震と津波(4年)があり、道頓堀も流される。片岡仁左衛門座「萬宝千箱玉」が大当たり、さらに富士山が噴火。

    新生竹本座は、竹田出雲の希望に基づき、信盛が書き上げた「国性爺合戦」が爆発的なヒット。なんと足かけ3年、17ヶ月門ロングランになった。

    「斑雪」では、すっかり大物になった信盛が活躍し、歳を取って体が衰えていく様子を描く。
    天満の網島で起きた心中事件を題材にした「心中天網島」は、享保5(1720)年の師走に初日。「曾根崎心中」ほどではないが、ヒットがじわじわと続いた。今回は熱気で盛り上がるというより、見た人々がその筋書きについていろいろ議論をするような反響があった。

    ただ、曾根崎心中のときもそうだったが、心中ものはお上がいい顔をしない。また、医師をしている兄からも、人の命を救う仕事をしている身として、心中が流行でもしたら困ると批判を受けていた。

    本天満町(北組)で起きた「油屋の女房殺し」を題材にした浄瑠璃を書く。下手人は近所の油屋の次男坊。「女殺油地獄」は享保6(1721)年に幕を開けた。初日から大入りが続いたが、長持ちはしなかった。

    心中ものが、歌舞伎、浄瑠璃、絵草子に至るまで禁止となった。

    信盛も晩年を迎え、もう書かない方針だったが、最後にひと踏ん張りとばかり、「関八州繋馬」を書き上げた。享保9(1724)年である。舞台奥の襖がぱっと開くと、一面に築山の絵を描いた簾が現れる。極めて細い葦ばかりで組まれた簾の裏に、ぽつぽつと火が灯り、それが徐々に「大」の門司を形成しる仕掛けがあった。竹田出雲が考えたからくりだった。これも当たった。しかし、享保9年3月21日、大坂は大家に見舞われ、大坂三郷の605町のうち408町に燃え広がる惨事となった。「関八州」で「大」を燃やしたから大坂が燃えたんだ、と陰口を叩く者もいた。

    体ばかりではなく、意識も衰えた信盛は、昔のことを思い出す。いい思い出、苦労した話。最初は堺で「徒然草」を語る大道芸・・・

    「春宵一刻直千金」(しゅんしょういっこくあたいせんきん)の言葉。この名句を詠んだのは、蘇東坡(そ・とうば)。その蘇東坡が、同じく年老いた婦人から、富貴と名声に包まれたあなたの人生も所詮は「一場(いちじょう)の春夢」に過ぎぬと言い放たれる。

    信盛は、それを思い浮かべていた。

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    2024年09月13日
  • 吉原手引草

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    正体不明の主人公が、消えた花魁葛城の真実に迫る物語。主人公は誰なのか、葛城は一体何をしたのか…主人公が吉原で働く人々から話を聞く、という形で話は進行していきます。言葉遣いが昔のものなので、全く読めないというわけではないが難しさは感じました。また、専門用語的なものが多く、この時代についてもっと知っていたらより面白かっただろうなあ…と思いました。ただ、アウトラインさえつかめていれば、しっかり時代小説としてもミステリーとしても楽しめます。

    ☆勝手にイメソン
    身売り(ロス)

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    2024年03月20日
  • 歌舞伎の中の日本

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    総合芸術歌舞伎とは?
    『忠臣蔵』『四谷怪談』などから、日本人のメンタリティーに鋭く迫る。
    舞台の制作や台本作りに携わった著者が写真や図版を多用して、歌舞伎の真髄を綴った格好の入門書。

    歌舞伎とはどんな芸術か、どう鑑賞すればいいのか。『忠臣蔵』や『四谷怪談』など人気演目を年代順に取り上げ、背景や見所、作劇法を論じる。舞台の重要な要素「舞踊」も解説し、先行芸能や文化風俗を取り込み、その時代の人々の暮らしを反映させた歌舞伎の姿を浮き彫りにする。日本人のメンタリティーが生んだ歌舞伎の本当の面白さとは!? 写真や図版を盛り込み総合芸術歌舞伎の真髄に迫る格好の入門書。

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    2023年11月14日
  • 吉原十二月

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    実際に遊郭で娼妓を勤めていた方の本を読んだばかりだったため、終始物語(フィクション)、悪く言えば偽物の話として読んだ。眠ることも出来ない程過労な日々、性病に蝕まれ子供も産めぬ体になり世間では前科者扱いされる末路、自尊心から意地悪至極を尽くす朋輩、定期的な性病検診や注射や手術、花魁の命より金庫を優先する主人。そういった描写は無かった。そのため、華やかで、地位のある花魁のこういった描かれ方は、果たして本当にあったことなのか 私たち世間の一般人が見たいように見るためのコンテンツ化されたものなのか判別出来なかった。自分の無学を恨む。また、書かれていることがちゃんと面白いのと、一人の主人の主観でずっと物語が語られるため、二人を自分の所有物として見ている姿勢や女が身を売るということの苦しみがぼやけている。ので、遊郭にいる人間たちの生き様、という物語的な観点では楽しめたが、その実態に迫る切迫したものは無かった。本を読む順番を間違えたかもしれない。小夜衣はかわいい女性のようでいて実はめちゃくちゃかっこいい。胡蝶はかっこいいようで実はすんごくかわいい。自分に無いものを妬み 他人の役割を羨むのは もはや人の 病的な本能に思えているが なんとか克服出来ないものか…と小夜衣に惹かれ、胡蝶に共感するのを読んでいる最中、自覚しながら思った。

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    2023年09月29日