松井今朝子のレビュー一覧

  • 星と輝き花と咲き
    阿佐ヶ谷のコンコ堂さんの100円棚で買いました。
    本当に、コンコ堂さんにも松井今朝子さんにもハズレがない。

    松井さん自身、エンタメの世界に長くいたこともあって、芸能の裏側世界を書いて半端ない 笑。金、欲、名声。しかし、それらに全く絡めとられない主人公・綾ちゃんの清々しさも半端ない。
    真に突き進む人...続きを読む
  • 吉原手引草

    優れた構成

    主役 ヒロインの葛城花魁には最後まで語らせずに、周辺人物の証言で話を構成してゆくという、なかなかに凝った構成を取っている。話が進むに連れて段々と真相が明らかになってくる というクレッシェンドな話の進め方は大筋でいいのだが、途中やや中だるみ冗長なところが見受けられた。逆にエピローグ解決編がやや短すぎる...続きを読む
  • 芙蓉の干城
    木挽座シリーズ第二弾。今度も歌舞伎役者絡みの事件が発生し、戯作者の孫が解決に奔走する。単に殺人事件が起こったというだけでなく、昭和初期の雰囲気(軍人や特高の横暴が目立ったり、貧富の差が拡大しつつあったり、社会主義活動が活発だったり)がよく伝わってくる描写で、リアリティを感じる。一方で、この手の権力の...続きを読む
  • 愚者の階梯
    戦争の足音の聞こえる昭和10年、劇場を舞台に亀鶴興業の専務が自殺する。その死をめぐって桜木治郎は探偵もどきに謎に迫っていく。舞台裏の様子、特に仕掛けなど大道具の扱い、劇場の運営の大変さなど興味深く、警察や右翼に染まっていく民衆の雰囲気など不気味な背景が迫ってきた。
  • 江戸の夢びらき
    【不世出の天才・初代市川團十郎、空前の一代記】
    なぜ江戸の民衆は團十郎に熱狂したのか。團十郎が命をかけた〈荒事〉とは何か。そして、なぜ舞台上で命を落としたのか。元禄時代から現在まで常に歌舞伎界に君臨し続けた大名跡・市川團十郎、そのはじまりの物語。

    寛文7年(1667)、浪人の娘・恵以はひとりの少年...続きを読む
  • 吉原手引草
    素晴らしかった。自分には少し読みにくかったが内容は痛快だった。もっと吉原で何が行われていたか知りたいと思った。
  • 吉原手引草
           -20090430

    著種曰く「いい意味でも悪い意味でも、今も日本社会には金銭を介在した男女関係が、ある種の文化として存在する。それを代表するのが吉原で、一度書いておきたかった。当時の習俗を忠実に再現することによって現代を逆照射するものがあると思う」と。
  • 似せ者
    江戸の歌舞伎を題材に時代小説のエンターテイメントとなった著者表題作を含む4編を収める。
    -20090831
  • 幕末あどれさん
    三部作「銀座開化おもかげ草紙」の前日譚。主人公がとても面倒くさい男である。時代の流れと、どの時代でも共通の若者の悩みがミックスしてあって共感できる作品。
  • 吉原手引草
    なんで廓とか花魁ってこうも惹かれるんですかね。
    春を売るって生業としては最低なのに、どこまでも気高い感じが同性として辛くもあり、誤解を覚悟で言うとちょっとだけ羨ましくもある。どんな境遇にいたって、卑しい奴は卑しいし、尊い人は尊いんだ。自分次第。

    葛城は、吉原に来た時から仇討ちだけを心に全てを計算し...続きを読む
  • 非道、行ずべからず
    江戸時代の歌舞伎界を舞台にしたミステリー。
    「道絶えずば、また」を先に読んでしまい、この本を読みたくなりました。先にこちらを読みたかったです。
    芸の道は奥深い。そして凄まじい。
  • 吉原手引草
    吉原のしきたりなどいろいろ知ることができた一冊。花魁のその後、この聞き役は誰だったのかも個人的には気になった。
    今の時代に生まれて良かったとありがたみを感じることができた。
  • 家、家にあらず
    「御殿奉公」もの。ちなみに藩主も正妻も出てきません。舞台が江戸屋敷なのに藩主なんか国元で死んじゃうからー。
    なんと、大名の江戸屋敷にも、大奥同様に男子禁制の奥御殿が存在したとは。考えてみれば、藩主は参勤交代で1年おきに留守なわけで、そこに男が出入りするとややこしくなるわな、そりゃあな。

    解説の杉江...続きを読む
  • 吉原手引草
    落語の廓話と比べると、遊郭の構造の裏側が描かれている。えげつない話になりそうなところを、品性を保ちつつ、一人語りの多数の証言を積み重ねる構成で、テンポが良い。偶然にもクリスティのオリエント急行の殺人を読んでいたのだが、それへのオマージュ的なものを感じた。華やかさの裏にある吉原の凄み、えぐみ、人情にヤ...続きを読む
  • 吉原手引草

    好きな形式

    主人公が各章ごとに関係者に問いかけていく構成。はじめはそもそもどんな事件かもわからない中で、次第に全体像ごみえてくる感じ、ん〜ンこういう構成、しびれますね。読み進める中で自然に江戸時代の遊郭を含めた文化も入ってきて、堪能いたしました。
  • 吉原手引草
    吉原の文化を、物語を通して楽しく理解できた。
    沢山の登場人物がいるけれど、それぞれの語り口の違いが明確で、それぞれの人物像、景色が想像できるので、あっという間に読み終えてしまった。
    結末を知ったうえでもう一度読みたい本。
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵
    取り付きにくい古典を身近にしてくれる訳者の方に感謝。
    曽根崎心中、女殺油地獄、菅原伝授手習鑑、義経千本桜はストーリーも非常に面白い。
  • 吉原手引草
    さまざまな吉原で起こった事件の関係者たちが事件当時のことに想いを馳せて証言をしていくストーリーテリング方式でとても面白かった。

    ただ事件そのものを理解するまで時間がかかるため、もやもやしたまんま事件の終着まで突っ走る感覚は好き嫌い分かれるかも。
  • 吉原手引草
    吉原のとある事件の謎解きにいろんな人に話を聞く設定。
    吉原の当時のしきたりやら、江戸時代の風俗やら、結構出てきて勉強になるし興味深かった。
    そしてどうやって葛城は消えたのか?
    ちょうど歌舞伎を見に行って「助六由縁江戸桜」が上演されており、本書を読んでいたいのでとってもよく理解出来たのです。
  • そろそろ旅に
    台風のお陰で
    ぽっかり できた 
    家に居つく休みの一日
    朝から 不穏な空の様子
    そのうち ぱらぱらと落ちてきたなと
    思ったら
    そのうち ものすごい風が…

    さて どうしよう と 思ったた時に
    ふと目に留まった一冊

    ページをめくって
    ものの十分もせぬうちに
    すっかり江戸期の大阪の町に
    連れていか...続きを読む