松井今朝子のレビュー一覧

  • 師父の遺言

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    「歌舞伎」の物語を
    たっぷり 楽しませてもらっている
    松井今朝子さん

    なるほど
    書かれるべくして
    書かれた ものがたりたち なのだ
    と 改めて
    「腑に落ちた」気がします

    作家の生い立ちというものは
    否応なく
    その作品世界に反映してしまう

    むろん
    その 作品が生まれるまでの過程の中に
    言いしれぬ 苦悩や葛藤が
    あることでしょう

    でも
    あれもこれも
    後から考えても
    必然的になっていく時

    一人の 作家 が生まれる
    のですね

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    2014年06月25日
  • 師父の遺言

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    松井今朝子の本には、個人的に、ものすごく引き込まれる作品と「いや、これはどうか・・・?」と思う作品が混在している印象がある。
    前回読んだ『壺中の回廊』は、1つの作品にすばらしいところと今ひとつに思われるところがあり、全体にバランスが悪いと感じた。背景となっている歌舞伎界の描写は傑出しているのに、ミステリとして整ったものには思えなかった。これならば、いっそ、歌舞伎座や役者について書いて欲しい、というのが正直な感想だった。

    本書は、タイトルが示すように、著者が師と仰いだ武智鉄二という人物の評伝の体裁である。
    小説家となる前に師事していたとなれば、歌舞伎やら役者やらの話も多かろう、おもしろそう、と

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    2014年06月14日
  • 吉原十二月

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    内容(「BOOK」データベースより)
    大籬・舞鶴屋に売られてきた、容貌も気性もまったく違う、ふたりの少女。幼い頃から互いを意識し、妓楼を二分するほど激しく競り合いながら成長していく。多くの者が病に斃れ、あるいは自害、心中する廓。生きて出ることさえ難しいと言われる苦界で大輪の花を咲かせ、幸せを掴むのはどちらか。四季風俗を織り込んだ、絢爛たる吉原絵巻!

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    2014年05月29日
  • 道絶えずば、また

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    「非道、行ずべからず」(時代設定 1809年)の5年後、萩野沢之丞がなくなったところから始まる。今度は歌舞伎にお寺を絡めたミステリー。

    沢之丞という偉大な親を亡くした、市之介と宇源次の心情の揺らぎが丁寧に描かれ、沢之丞の跡目相続など、前の2巻での人・出来事が絡み、風姿花伝3部作の締めくくりの巻らしい出来栄え。

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    2014年05月18日
  • 家、家にあらず

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    大名奥御殿が主な舞台の犯人捜しミステリー
    「非道、行ずべからず」(1809年)から遡ること35年、萩野沢之丞はまだ若く、笹岡平左衛門は未だ14歳、父親の笹岡伊織が同心として働いている頃の話

    「非道、行ずべからず」の中で、沢之丞が、以前同心の手伝いをしたことがある、と言っていた事件が描かれている。
    家とは?親子とは? が主題となっている。
    大名などの家をつづけていかなければならない者たちの後継者づくり、歌舞伎役者の名跡の引き継ぎ、同心など下級武士の家の相続、様々な形の家と親子の関係が描かれていて、考えさせられる。

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    2014年05月17日
  • 非道、行ずべからず

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    歌舞伎の舞台裏を舞台とした犯人捜しのミステリー

    歌舞伎の舞台裏が詳細に具体的に描かれている。
    この時代の日本の町人文化のすごさ、江戸、大坂などの大都市の町人のエネルギーの大きさ、強さを、あらためて感じる。

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    2014年05月17日
  • 一の富 並木拍子郎種取帳

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    ネタバレ

    武家の二男から狂言作家の修行中の青年の推理物。

    師匠の五瓶がくえない人。
    おあさちゃんが綺麗に着飾ってるところが見て?みたいw

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    2014年03月06日
  • 星と輝き花と咲き

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    才能にあふれた綾之助は
    天才は1%の才能と99%の努力という
    言葉通りの人なんではないかと思う
    ただ、本人は努力しているつもりではなく
    好きなことをやっているだけと言うだろうと思う
    そして、その才能を支える人たちに恵まれるのも
    やはり、天才なんだろうなと思う
    アイドルというのかなんなのか
    清々しく、気持ちよく読めました
    竹本綾之助って実在の人物なんだよねぇ。。。

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    2014年01月14日
  • 辰巳屋疑獄

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    こぼん様と主人公のやりとりがとても可笑しくて思わずクスッとしてしまった前半に比べ、後半はグッとシリアスになっていく。
    涙は出なかったけれど、胸にツンとくるものがあった。

    先生の言葉が何度か浮かんでくる場面があったが、なるほどなぁ~と感じました。

    今井さんって凄い作家さんだと今回も思いました。

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    2013年11月14日
  • 家、家にあらず

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    松井さん、今回も面白かったな。

    大奥でのお話のなかに、「仲蔵狂乱」の中の登場人物がちょこっと出てきたりしたのも良かった。

    終盤では涙がちょっと出てしまった。

    家、家族、親、子。
    何だろう、サラッとしている中に濃厚なモノを感じた。
    今井さんって凄いなぁ~と感じた作品でした。

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    2013年10月17日
  • 四文屋 並木拍子郎種取帳

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    著者の作品は、何を読んでも小気味良い。過不足ない表現は、地道な取材ときっぷの良さから来るものか。こてこてと余分な描写が盛られた小説に苛々させられることが多々あるが、彼女の文章には、その心配は一切ない。話の運びから細部に至るまで、一流の職人の技を堪能した。

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    2013年09月13日
  • 吉原十二月

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    前に読んだ花魁作品では、花魁がどんなに辛いか悲しいかが際立っていたんだけど、この作品は違う印象を持った。誇りを持って堂々としている花魁がかっこいい。季節の移り行きと同時に、江戸や吉原の風習なども読めて面白い。入門という感じのする作品。他のも読んでみたい!

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    2013年08月20日
  • そろそろ旅に

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    円朝の女の感想書いてて、これ読んでた事思い出した!だいたい面白いけど最後に分かる2人の関係がちょっと後味悪くて…自分はなるべく脳天気な話が好き。

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    2013年07月15日
  • 円朝の女

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    円朝の弟子が語るという設定。落語家の話を聞いているようで読みやすかった。出てくる女性はタイプは様々だけど、一所懸命で可愛い。

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    2013年07月14日
  • 非道、行ずべからず

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    今、新しい本&積読がないので再読。松井氏の本は本書が初めてなんだけどすごく面白い!
    歌舞伎界を舞台にし、芸人の当時の暮らし方などとっても興味深かった。
    謎解きは・・・まぁ~普通といえば普通だけど、舞台設定や日本人特有の「人情」などなど、おもしろいということもあり最後まで楽しく読むことができた。
    あと登場人物たちも独特の世界の人たちだから個性的でおもしろい。
    ちょっと厚めの本ですが、おもしろくてすらすら読めました。

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    2013年06月27日
  • 大江戸亀奉行日記

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    帯に「本邦初、生態環境時代小説」とある通り、上野の不忍池に住まうイシガメ亀山左衛門尉俊寛とその仲間の亀たちの日常を記したもの。イラストつきで文字も大きいので30分もあれば充分に読めてしまうもの。

    そもそも、本屋さんの時代小説コーナーを物色して目についたのだが、たまたま開いたページが見開き2ページのイラストにでっかい文字で一言

    「静まれい!」

    だったので{ナンじゃこりゃ?!}と思って手にとった次第。
    薄っぺらい本だし、見るからに馬鹿馬鹿しそうなので、これに600円近くも出すのはどうかとも思ったが、ヘンなものほど読みたくなるのもまた一興。

    どこぞの大統領を思わせるジョージという外来の亀が出

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    2013年06月19日
  • 家、家にあらず

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    時代小説。
    どういう立ち位置なのかなーと思いつつ、読み進めていたのだけど、
    結果、ミステリだった。
    いくつかの殺人事件を一つに繋げるのは意外な事実。
    あーそうきたか!と読み応えあり。
    一気読みでした。

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    2013年06月16日
  • 四文屋 並木拍子郎種取帳

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    ネタバレ

    Tさんのお勧め。
    (同シリーズの3巻までは既読)

    謎解きはともかく、主人公たちの仲が全然進展していなくて、
    少しがっかり。
    もう一度読み直してみるか。

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    2013年03月08日
  • 仲蔵狂乱

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    初代中村仲蔵の生涯を綴った時代小説。
    江戸の風俗や当時の芝居の様子が上手く書かれています。

    歌舞伎に疎く、時代小説もあまり読みませんが、
    この仲蔵の波乱万丈の人生には夢中になりました。

    ドラマ化された時は、梯子を一歩一歩登るシーンが
    象徴的に描かれていましたが、
    読み終えた後も、そのシーンが頭を巡っています。

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    2013年02月01日
  • 幕末あどれさん

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    同じ作者の「銀座開化おもかげ草紙」という作品が気になっていたのですが、本作がその前日譚と知りまずはこちらから読む事に。幕末を題材にした小説というと激動の只中に飛び込む主人公を想像しがちですが、この作品では一歩引いた位置から時代の波に呑まれる若者達の姿がじっくりと描かれています。早々に武士であることを捨てた宗八郎にノンポリという古い言葉を思い浮かべてしまいました。私はその世代ではないのですが、学生運動の時代を経験された方にはどことなく懐かしさを感じる小説かもしれません。長いお話ですが、テンポ良く読めました。

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    2013年01月24日