松井今朝子のレビュー一覧

  • 非道、行ずべからず
    歌舞伎の舞台裏を舞台とした犯人捜しのミステリー

    歌舞伎の舞台裏が詳細に具体的に描かれている。
    この時代の日本の町人文化のすごさ、江戸、大坂などの大都市の町人のエネルギーの大きさ、強さを、あらためて感じる。
  • 一の富 並木拍子郎種取帳
    武家の二男から狂言作家の修行中の青年の推理物。

    師匠の五瓶がくえない人。
    おあさちゃんが綺麗に着飾ってるところが見て?みたいw
  • 星と輝き花と咲き
    才能にあふれた綾之助は
    天才は1%の才能と99%の努力という
    言葉通りの人なんではないかと思う
    ただ、本人は努力しているつもりではなく
    好きなことをやっているだけと言うだろうと思う
    そして、その才能を支える人たちに恵まれるのも
    やはり、天才なんだろうなと思う
    アイドルというのかなんなのか
    清々しく、...続きを読む
  • 辰巳屋疑獄
    こぼん様と主人公のやりとりがとても可笑しくて思わずクスッとしてしまった前半に比べ、後半はグッとシリアスになっていく。
    涙は出なかったけれど、胸にツンとくるものがあった。

    先生の言葉が何度か浮かんでくる場面があったが、なるほどなぁ~と感じました。

    今井さんって凄い作家さんだと今回も思いました。
  • 家、家にあらず
    松井さん、今回も面白かったな。

    大奥でのお話のなかに、「仲蔵狂乱」の中の登場人物がちょこっと出てきたりしたのも良かった。

    終盤では涙がちょっと出てしまった。

    家、家族、親、子。
    何だろう、サラッとしている中に濃厚なモノを感じた。
    今井さんって凄いなぁ~と感じた作品でした。
  • 四文屋 並木拍子郎種取帳
    著者の作品は、何を読んでも小気味良い。過不足ない表現は、地道な取材ときっぷの良さから来るものか。こてこてと余分な描写が盛られた小説に苛々させられることが多々あるが、彼女の文章には、その心配は一切ない。話の運びから細部に至るまで、一流の職人の技を堪能した。
  • 吉原十二月
    前に読んだ花魁作品では、花魁がどんなに辛いか悲しいかが際立っていたんだけど、この作品は違う印象を持った。誇りを持って堂々としている花魁がかっこいい。季節の移り行きと同時に、江戸や吉原の風習なども読めて面白い。入門という感じのする作品。他のも読んでみたい!
  • そろそろ旅に
    円朝の女の感想書いてて、これ読んでた事思い出した!だいたい面白いけど最後に分かる2人の関係がちょっと後味悪くて…自分はなるべく脳天気な話が好き。
  • 円朝の女
    円朝の弟子が語るという設定。落語家の話を聞いているようで読みやすかった。出てくる女性はタイプは様々だけど、一所懸命で可愛い。
  • 非道、行ずべからず
    今、新しい本&積読がないので再読。松井氏の本は本書が初めてなんだけどすごく面白い!
    歌舞伎界を舞台にし、芸人の当時の暮らし方などとっても興味深かった。
    謎解きは・・・まぁ~普通といえば普通だけど、舞台設定や日本人特有の「人情」などなど、おもしろいということもあり最後まで楽しく読むことができた。
    あと...続きを読む
  • 大江戸亀奉行日記
    帯に「本邦初、生態環境時代小説」とある通り、上野の不忍池に住まうイシガメ亀山左衛門尉俊寛とその仲間の亀たちの日常を記したもの。イラストつきで文字も大きいので30分もあれば充分に読めてしまうもの。

    そもそも、本屋さんの時代小説コーナーを物色して目についたのだが、たまたま開いたページが見開き2ページの...続きを読む
  • 家、家にあらず
    時代小説。
    どういう立ち位置なのかなーと思いつつ、読み進めていたのだけど、
    結果、ミステリだった。
    いくつかの殺人事件を一つに繋げるのは意外な事実。
    あーそうきたか!と読み応えあり。
    一気読みでした。
  • 四文屋 並木拍子郎種取帳
    Tさんのお勧め。
    (同シリーズの3巻までは既読)

    謎解きはともかく、主人公たちの仲が全然進展していなくて、
    少しがっかり。
    もう一度読み直してみるか。
  • 仲蔵狂乱
    初代中村仲蔵の生涯を綴った時代小説。
    江戸の風俗や当時の芝居の様子が上手く書かれています。

    歌舞伎に疎く、時代小説もあまり読みませんが、
    この仲蔵の波乱万丈の人生には夢中になりました。

    ドラマ化された時は、梯子を一歩一歩登るシーンが
    象徴的に描かれていましたが、
    読み終えた後も、その...続きを読む
  • 幕末あどれさん
    同じ作者の「銀座開化おもかげ草紙」という作品が気になっていたのですが、本作がその前日譚と知りまずはこちらから読む事に。幕末を題材にした小説というと激動の只中に飛び込む主人公を想像しがちですが、この作品では一歩引いた位置から時代の波に呑まれる若者達の姿がじっくりと描かれています。早々に武士であることを...続きを読む
  • 仲蔵狂乱
    みなしごから歌舞伎の千両役者にまで上り詰めたかと思えばまた振り出しに。他人の世話を受けて生きてきた仲蔵の人との関わり方が興味深いが、複雑な歌舞伎界の仕組み、役者の格や襲名の仕組みなど、歌舞伎を知らない自分にもとてもよくわかる興味深いオススメの一冊。
  • 幕末あどれさん
    松井今朝子の「銀座開化おもかげ草子」シリーズの前段に当る作品。

    同シリーズは2010年10月刊行の「西南の嵐」で遂に完結となってしまったのだが大好きなシリーズ。本書もそして「銀座開化おもかげ草子」シリーズも共に既に単行本では読んでいたのは記憶にあったものの再購入・再読。

    読んでみると結構内容を忘...続きを読む
  • 奴の小万と呼ばれた女
    ★3.5という感じではあるが、なかなか面白かった。
    意識的か無意識のうちかは不明だが、現代のフェミニズム(もうこの言葉も死語かも)を刷り込ませようとするきらいはなくもない。
    しかし自らの体調不良+睡眠不足での旅中での読書を考えれば、上出来の娯楽作。
  • 円朝の女
    江戸から明治への市井の人々の姿。
    円朝をめぐる女を描きながら、世相を描く。

    あー、累ヶ淵、もしくは牡丹燈籠を観たい、聞きたい。
  • そろそろ旅に
    それなりの地位につきながらも違和感を感じていた男が本願を果たすまでの物語。日常から離れてみたいという願望は誰でも持つと思います。「こことは違うどこかに行こう。」と呼びかけているような題名に思わず本書を手にしました。最後、夢をかなえたはずの主人公に寂しさが漂っているのが現実的です。