松井今朝子のレビュー一覧

  • 非道、行ずべからず

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    内容(「BOOK」データベースより)
    文化六年元旦、江戸最大の劇場、中村座が炎上し、焼け跡から、男の死体が見つかる。正月興行に水をさされ、下手人が身内でないことを祈る劇場主十一代目中村勘三郎。だが折しも、三代目荻野沢之丞が、誰に名跡を継がせるか、話題となっていた。反目しあう兄弟、戯作者、帳元、金主等、怪しいヤツばかり。北町同心達が謎を追ううち、次なる殺人が…。芸に生きる男達の修羅地獄を描く長編時代ミステリー。

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    2014年07月16日
  • 円朝の女

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    伝法な口調の「語り手」の地の文のおかげで、とにかくスピード感を持って読める。

    主人公は円朝自身ではなく、あくまでその周辺の「女」であることが

    他の円朝ものとは違う利点。

    うむ面白い。

    いろんな女。

    ただ決め手に欠ける。

    そんな読後感。

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    2013年11月26日
  • 非道、行ずべからず

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    ☆3.3
    歌舞伎を観たことがなくても、情景が目に浮かぶような素晴らしい描写はさすが松井今朝子といったところ。
    ただ、中盤で解説風の部分が多くてちょっと退屈した。
    でも理一郎と女形三人組のその後が気になる(笑)

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    2013年11月24日
  • 奴の小万と呼ばれた女

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    型破りな女性の一生。
    今読んでもとんでると感じるのだから江戸時代当時はどれほどか。
    一生懸命生きていた雪の一生は読後爽快。

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    2013年08月17日
  • 幕末あどれさん

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    幕末から明治維新にかけて、二人の旗本の次男坊が時代の波に翻弄される物語。

    ベースとしてその時代の歌舞伎を裏側から描くことにより、江戸の町の幕末の雰囲気を明らかにしながら、名も無い若者が、武士の存在価値がなくなっていくその時代を生き抜こうとする姿を、交互に描く。そして最後に二人が交差する。

    自分が選んだ生き方を悔いる。青春はいつでも後悔ばかり。
    この先に明るい未来があると良いのだが。

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    2013年08月12日
  • 一の富 並木拍子郎種取帳

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    平均的な娯楽作。
    ただ今一つキャラクターに乗っていくことができなかった。
    機微を描いているとは思うのだが、揺さぶられるものがない。
    娯楽作にそこまで求めるのは酷なのかも。

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    2012年09月11日
  • 四文屋 並木拍子郎種取帳

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    「ランティエ」に掲載された5話を文庫化した、シリーズ4作目。

    北町奉行所の同心の家に生まれたが、芝居作家を目指して
    座付きの狂言作者並木五瓶の弟子となった拍子郎が、芝居
    町に起こる出来事を解決していく。

    一向に進まない拍子郎とおあさとの恋路のもどかしさを伏線
    にしつつ、早稲田の大学院で歌舞伎を研究していたという作
    者の面目躍如という作品ではある。

    3作目までは単行本じゃなかったっけ?

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    2012年09月11日
  • 円朝の女

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    明治時代の落語家円朝を題材にした作品はいくつか読んだが、なぜ現代までその高い評価が継続しているのかいまだ得心がいかない。ただし、「真景累ケ淵」を読むとそこにあぶり出された奥深い人間の情念にぞっとさせられる。本著では円朝の弟子というかマネージャー的な男を語り部にしてその女性遍歴が綴られ、大きな変化の真っただ中にあった当時の世相と一方で普遍的な男と女のお話が語られている。神話化されてしまった感のある主人公だが、ここでは彼に関わった女の様子と共にとても身近に感じられて親しみさえ覚える。

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    2012年07月01日
  • 家、家にあらず

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    ネタバレ

    江戸時代の二十余万石大名の江戸屋敷大奥での出来事を書いている
    おもしろかった
    松井さんの作品、まだ3作目だけど1番好き
    内容は、少しこの時代の男と女の悲しさが感じられ
    松井さんの小説って、その時代その場所の悲しさ、おかしさが
    すんなりと無知な私にもわかるようになっているんだけど
    悲しいけれど、最終的には前向きで強い人たちなんだなと思い、元気になる

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    2011年09月03日
  • そろそろ旅に

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    ネタバレ

    十返舎一九もの。駿府の侍だった男が、大阪に流れて商家の入り婿となり、浄瑠璃台本を書くようになり、江戸に渡って山東京伝に出会い、作家となり、また旅に出て「膝栗毛」を執筆するまでの話。

    この前に読んでいたのが「花伝書」シリーズだったので比べるとすらすらっと読める感じ。

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    2011年08月22日
  • そろそろ旅に

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    『東海道中膝栗毛』の著者、十返舎一九の若かりし頃の話。大坂と江戸の町人の生活が活き活きと描かれていた。やはり全く異なるものですね。戯作の世界だけでなく江戸文化の香遊びや人形浄瑠璃といったのも出てきて楽しめた。一九は素直で思いやりがあるんだけど、反面、この男はひとつの場所にじっとはしておられず、つなぎ止めて置くのは無理だろうと思うと薄情のような憎たらしく見えてしまった。でもそこから傑作が生まれた訳だが。あとは、弥次喜多道中のような話を勝手に思い込んでいただけにちょっと残念だったかなあ。

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    2011年06月25日
  • 仲蔵狂乱

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    江戸時代の歌舞伎役所を主人公にした小説。
    現代とは大分違うかもしれないけど、興業主と役者との関係や、改名、一門のことなんかが分かって面白かった。
    ストーリー的には、前半の孤児から千両役者へ成り上がっていく部分が、様々な人との交流が描かれていて面白かった。
    後半はゴシップ的な話や、政治の歴史的な話が多くて、話の勢いがなくなった感じがした。

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    2011年01月04日
  • 幕末あどれさん

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    たいして引き込まれるという訳でもないのにぐんぐん読み進めてしまうんだな、この作者さんの本は。読みやすいのは確か。
    歌舞伎が好きらしくそんな構成ですね。

    土方歳三好きとしては名前が一回でただけで「おぉ!」と思ってしまった。条件反射。
    土方さんはどんなにチョイ役でも女作家さんには何故か良い描写されていることが多い。流石は女タラシの副長である。

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    2010年09月07日
  • 家、家にあらず

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    もっとおもしろくなるところをちいさくまとめてしまった感あり。モッタイナイ。着物の描写がすばらしく見えるよう。

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    2010年08月20日
  • 仲蔵狂乱

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    松井今朝子さんは直木賞の「吉原手引草」以来2冊目(刊行順だとこちらが先だけど)。今朝子さんは時代考証がしっかりしてるのが分かるから、小説を読む楽しみと時代風俗を知る楽しみの両方を味わえていい。
    エンタメ要素は手引草の方があったけど、こういう普通の構成の方が時代物は楽しめるかも。

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    2010年10月05日
  • 仲蔵狂乱

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    江戸時代、浪人の子から
    実力で歌舞伎の花形まで上り詰めた中村仲蔵。

    読み終わってから、実在の人物を題材にした小説だってわかってびっくりした。
    たまたま養子先が梨園だったことから、
    養父養母に見込まれて、舞をたたき込まれて。
    でも素性がわからない子だってことで、
    下積み時代にはひどいイジメにあったけど、それにも耐え抜いて、
    看板役者になった人。
    歌舞伎界の複雑な内情を描きつつ、
    それに魅せられた人を描いていたなって。

    この著者が歌舞伎のTV解説番組をしていたから
    たまたま手に取った小説。
    <第八回時代小説大賞受賞作>

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    2010年07月05日
  • 仲蔵狂乱

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    江戸時代、孤児の身から苦労に苦労を重ねて、歌舞伎界の大物役者になっていく主人公仲蔵の生涯。おもしろくなかったわけではないけれど、なんだろう、ところどころ、ものすごく引き込まれる部分と、なんだか退屈になる部分が交互にあらわれるような感じ。個人的に、名前の継承の話とか、家どうしの争いとか、座の政治的なかけひきとか、時代背景の話になると、退屈してしまうような。もっともっと仲蔵個人の話だけ読みたかった気がする。

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    2011年09月18日
  • 家、家にあらず

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    同じ行儀見習いをするのでも、部屋子なら長局にいて部屋の主に行儀作法を教わり、茶の湯や音曲や聞香といった習い事をするだけですむ。身のまわりの世話もすべて部屋方の召使いがやってくれる。部屋子とは、つまりわが子のいない御殿女中の娘分のようなもの(p32)つまりはお滝のいう二通りの道で、殿様のご寵愛を得て若君をもうけることが念願とされるいっぽうで、浦尾や真幸のように何かと忙しく立ち働く女中たちがここには大勢いた。むしろ殿様の寵愛が得られるのはごくわずかで、殿様といえど役付の女中にはお手をつけられない建前だから、たとえば表使の真幸はあれほどの美人であっても断じて殿様に肌を許すようなことはないのだという。

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    2009年10月04日
  • 家、家にあらず

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    終わり方が突然だなと感じた。本気でただ読み進めるつもりで次のページを開いたらもう解説ページでした。もう一回読んだら、もうちょっとくるくる変わる場面転換とかを面白く読めるのかなぁと考えてます。
    単純に時代小説とか好きなので、こういう風にいろいろ描写が細かいのは読んでて楽しかったかな。

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    2009年10月04日
  • 辰巳屋疑獄

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    1/13 俯瞰で客観で、歴史の教科書に芝居が入ったような書き方で珍しいなあと思った。クライマックスに向かってのところ、もうちょっとつっこまれててもよかったかも。元助の気持ちがわかりづらいところもあり。

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    2009年10月04日