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久保田宗八郎は旗本の次男坊。ひょんなことから講武所通いの生活を捨て、芝居の立作者に弟子入りする。身なりは町人風に馴染んでいくのだが、己の体内を流れる武家の血はどうしても抜けきらず、その狭間で葛藤しつづける。一方、同じく旗本の次男に生まれた片瀬源之介は、養子先がすんなり決まり順風満帆の生活が約束されたかに思えたが、予期せぬ兄の出奔、また彼自身、徳川家への忠誠から日本初の陸軍へ志願するなど、彼の人生もまた社会の急激な変化に大きく揺さぶられるのである。
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Posted by ブクログ
あどれさん、とは、仏蘭西語で、「青年」のことをさすとか。筆者は、歌舞伎等江戸文化の研究に秀でた方である。この方の描いた、幕末は、一味違う。有名所(土方さんとか)は、脇役である。主人公は、旗本の家に次男坊として生まれた、二人の青年。一人は、黒船以降、武士という階級に不思議を抱き、歌舞伎、戯作の世界へと...続きを読む逃げこもうとする。もう一人は、ただひたすらに、武士として、幕府の歩兵への道を歩む。二人の青年の生きざまをあざ笑うかのように、時代は急速に走り始める。それぞれも、始まりの終わりを、めざすことになる。
5/7 おもしろかった。一つ一つの章はわりと短いのに、分断されている感じもせず。一人一人の物語が大きなうねりとなって時代を作っていた感じが伝わってきた。幕末にはじめて興味をもったかも。あと、江戸時代って私たちはひとくくりにわりかし見ているけどそれぞれの時代があって、それに合った芝居が存在していたんだ...続きを読むなあと思った。黙阿弥の芝居、原文で読んでみたい気も。
たいして引き込まれるという訳でもないのにぐんぐん読み進めてしまうんだな、この作者さんの本は。読みやすいのは確か。 歌舞伎が好きらしくそんな構成ですね。 土方歳三好きとしては名前が一回でただけで「おぉ!」と思ってしまった。条件反射。 土方さんはどんなにチョイ役でも女作家さんには何故か良い描写されてい...続きを読むることが多い。流石は女タラシの副長である。
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