松井今朝子のレビュー一覧

  • 老いの入舞い 麴町常楽庵 月並の記

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    大奥を下った老女と若い定町廻り同心が事件に巻き込まれ、解決していく。
    老女と同心にはなんらかの関係がありそうだが、まだ明らかにされていない。
    同心と周りの人と関係がしっくりこないのは、同心が成長していく過程で、しっくりしてくるのだと思う。

    次巻を期待しよう。

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    2018年12月09日
  • 吉原十二月

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    負けん気の強い胡蝶。
    どこか強かな小夜衣。
    幼馴染でありライバルでもある二人の花魁の年月を十二月に沿って廓主によって語られる。

    二人は最後にどうなるのかと気になりながら、対照的な二人に起きる数々の廓特有の日常・出来事・事件を飽くことなく読めた。

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    2018年09月14日
  • 壺中の回廊

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    関東大震災から7年後昭和5年の旧劇(歌舞伎)界に起きる殺人事件。時代背景を大いに浮かび上がらせながら調査と捜査が始まる。
    多くの登場人物が世相を映し出し、多くの言葉の端々に大小さまざまな石ころのように結末へのヒントが転がっている。

    しかし物語があっちへこっちへ…
    読むペースが落ちるも、さすがに最後はスピードアップした。

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    2018年08月30日
  • 老いの入舞い 麴町常楽庵 月並の記

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    若く正義感に満ちた新米同心と、
    それを眩しくかわいいと思って眺める大奥出身の尼僧。

    この二人のやりとりだけでも、心の読み合いにも
    おかしみがあり、また現れるキャラクターもそれぞれ
    個性的で、愛嬌があり楽しく読めた。

    作者の他の作品にくらべると、少しこじんまりした感は
    あったけれど、楽しい芝居を観劇するような
    みどころもあり、読後感はさわやか。

    シリーズ第二弾も楽しみだ。

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    2017年01月06日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    我が家から五十メートルばかし行ったところに「口の芝居跡」という碑が立っている。その昔、京・大阪の芝居小屋にかける前、全国から伊勢参りに来る旅人目当てに、ここで演じて評判が良ければ大受けまちがいなしとして、試演される芝居小屋だったと聞く。有名な歌舞伎役者もこの芝居小屋の舞台に立ったこともあって、古市は歌舞伎とは縁が深い。『伊勢音頭恋寝刃』の舞台となった油屋跡では町の若い衆によって小屋掛けの地芝居も演じられた。父は坂東庄雀という名を持つ立女形で、「伊勢音頭」ならお紺、七段目ならお軽というのが役どころだった。

    芸事の好きな人も多かったのだろう、歌舞伎衣装や大道具小道具を扱う道具方や浄瑠璃、義太夫を

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    2016年11月21日
  • 吉原手引草

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    忽然と消えた花魁。
    彼女の身に何が起こって、どこへ消えてしまったのか。

    吉原、という場所に関係する人達が
    消えた花魁について一人称で語ります。
    消えた、という花魁が、何故消えたのか、すら
    こちらは知らない状態から始まるので
    事件が何なのか、も分かりません。

    徐々に何が起こって、花魁がどうしたのか、が
    分かってくるわけですが…まったくもって
    考え付きもしなかった理由です。
    驚きの理由。
    そのための花魁。
    確かに『自分』を証明するよりも
    これが早いのやもしれません。
    確実ですし…。

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    2016年10月17日
  • 壺中の回廊

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    歌舞伎の世界を旧劇と呼んでいた時代のお話。 殺人予告が本物の事件となり解決へ関わる事となった大学講師 桜木次郎。封建的なこの世界で役者や下働きの者の権利を訴える労働運動はまだまだ時期尚早なのか... 大好きな松井今朝子だからもっと何かあると思いすぎでしまったかも知れない。

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    2016年07月23日
  • 仲蔵狂乱

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    ちょっと変わった、歌舞伎役者の一生を描いた話。
    松井今朝子の「吉原手引草」があまりに面白かったので、
    読んでみました。

    まあ、「吉原手引草」ほどではなかったかな・・・

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    2016年02月27日
  • 吉原十二月

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    吉原の大籬、舞鶴屋の主人の語り口で進むお話。
    小夜衣と胡蝶という二人の花魁が中心となり移り行く季節と年月、そして吉原遊廓という空間が小気味よく描かれている。
    どちらかというと小夜衣にスポットが当たり、彼女については良い面ばかりという印象。最後まで読むと「だからなのかな」と思うところがあるのだけど、逞しく強かな格好良い女である小夜衣を好きになれないのはわたしが女だからなのだろうか。

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    2015年12月09日
  • 円朝の女

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    内容(「BOOK」データベースより)
    時代の絶頂を極め、近代落語の祖と言われた大名人・三遊亭円朝と彼を愛した五人の女。江戸から明治に変わる歴史の大転換期に生きた彼らの姿、いつの世も深く果てない男女の仲を、語りの名手がいま鮮やかに炙り出す―全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで、女を活写する傑作時代小説。

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    2015年07月29日
  • 吉原十二月

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    二人の花魁にスポットをあて、吉原での十二月を描いた小説。

    ここ!と言った山場はないものの
    吉原での月々の行事や遊女たちの生活、風習が描かれていて面白かったです。

    吉原と言うとどうしても切ない恋や物悲しい内容を想像しがちですが
    この小説に出てくる二人の花魁は凛としていて
    格好いいです。

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    2015年06月05日
  • 師父の遺言

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    内容(「BOOK」データベースより)
    祇園の料亭に育ち、歌舞伎の世界に飛び込んだ著者は、稀代の演出家にして昭和の怪人、武智鉄二に出会った。この反骨の師が全身全霊で教えてくれた、人生の闘い方とは―。直木賞作家が波乱万丈の半生を綴る自伝文学の傑作!

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    2015年07月03日
  • 非道、行ずべからず

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    江戸時代の歌舞伎の世界を舞台にした、ミステリー。
    なかなか犯人が分からなくて、うまい仕掛けだなと思ったけど。
    545ページを使ってその終わり方?
    と、ちょっとがっかり。

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    2015年04月18日
  • 吉原十二月

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    ネタバレ

    廓に売られてきた2人の少女が、競い合いながら花魁へと成長していく話。
    色々な事件がありつつ、最後はほのぼのハッピーエンドで良かった。

    吉原手引草と同じ作家さんで、同じく語り口調で物語が進んでいく。
    それがどうも、なじめないな。

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    2015年04月03日
  • 一の富 並木拍子郎種取帳

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    大店の不義密通事件、出合茶屋の幽霊騒動、金貸し老婆の首縊り事件…。人気狂言作者に弟子入りした拍子郎(ひょうしろう)が遭遇する事件と、江戸の四季・人情が織りなす、粋でいなせな捕物帳の傑作。

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    勧善懲悪痛快捕物帳。

    軸のストーリーとは別に、江戸の風情が、細かく、情緒豊かに描かれているのが良かったです。

    秋の夜長に、江戸情緒に浸ってみてください。

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    2015年02月19日
  • 星と輝き花と咲き

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    ☆3.3
    実在の人物、女義太夫竹本綾之助の物語。

    元祖アイドルと言えるほどの人気。
    追っかけに悩まされ、忙しさのあまり恋愛を知らずに育つなどまさしくアイドル。いや、現在のアイドルは上手くやってるようなので一昔前のアイドルか。

    また、できちゃった婚をして芸能界を引退し、10年後にまた復活するってとこもアイドルっぽい。
    明治初期も平成の世も人のすることは変わらないってことでしょうか。

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    2015年01月19日
  • 似せ者

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    内容(「BOOK」データベースより)
    「似せ者とわかっていながら、なぜこんなにも心が騒ぐのだろうか」。時は江戸。歌舞伎芝居の名優のそっくりさんが二代目を名乗り、人々は熱狂して迎えるが…。表題作のほか、若い役者二人の微妙な関係を描く『狛犬』、お仕打が東奔西走する『鶴亀』、幕末混乱期の悲恋をめぐる『心残して』の全4編を収録。

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    2014年12月11日
  • 家、家にあらず

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    内容(「BOOK」データベースより)
    江戸北町奉行同心・笹岡伊織の娘瑞江は、おば様と呼んでいる御年寄職・浦尾の勧めで、大名砥部家奥御殿に奉公へ。否応なく、陰湿ないじめや、長局内の勢力争いに巻き込まれていく。折しも、砥部家に勤める女が役者と起こした心中事件を、伊織が探索することになり…。閉ざされた“女の城”で瑞江が遭遇する不可解な事件の数々。家と血の絆を巡る長編時代ミステリー。

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    2014年08月11日
  • 道絶えずば、また

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    内容(「BOOK」データベースより)
    江戸中村座。立女形三代目荻野沢之丞が、引退を決めて臨んだ舞台で、奈落へ落ちて死んだ。大道具方の甚兵衛が疑われたが、後日首を吊った姿で見つかる。次に沢之丞の次男・宇源次が、跡目相続がらみで怪しまれた。探索にあたる北町奉行所同心・薗部は、水死体であがった大工の筋から、大奥を巻き込んでの事件の繋がりに気づくのだが…。多彩な生き様のなかに芸の理を説く長編時代ミステリー。

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    2014年09月10日
  • 仲蔵狂乱

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    内容(「BOOK」データベースより)
    「存分に舞い狂うてみせてやる…」江戸は安永―天明期、下積みの苦労を重ね、実力で歌舞伎界の頂点へ駆けのぼった中村仲蔵。浪人の子としかわからぬ身で、梨園に引きとられ、芸や恋に悩み、舞いの美を究めていく。不世出の名優が辿る波乱の生涯を、熱い共感の筆致で描く。第八回時代小説大賞受賞作。

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    2014年08月28日