青木理のレビュー一覧

  • カルト権力 公安、軍事、宗教侵蝕の果てに

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    民主主義の体をなさぬ日本における公権力の愚劣な言動は、弱者の命の尊厳を完膚無きまで蹂躙する。だから私も声をあげ続ける。それが私たちの生活を守る選択肢であり、健全な社会への貢献へと向かう。国民の権利や自由を国家権力から守る “憲法” 改正に躍起になる為政者の本心は、権力の横暴の正当化であり、人権の保障など念頭に置いていない。国防という名の軍事力の強化、防衛費増額の風潮を煽る現状は、私たちを戦場に向かわせる証左であろう。国を守るのは決して戦争の肯定ではない。各人によって “国” の定義が異なるからややこしくなる。私たちの生活が国を支えている、”生活を守る”=”国を守る” ことではないだろうか。青木

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    2023年05月23日
  • 日本の公安警察

    匿名

    購入済み

    公安警察についての入門書的性格

    公安警察の内実や活動、歴史的背景が書かれている。公安が戦前の特高から人脈でつながっていたことや、革マルやオウム真理教との対峙、警察組織とのライバル関係など、興味深かった。公安について考える最初の一冊として、いい本だと思う。

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    2023年03月20日
  • 抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心

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    ジャーナリズム精神の根幹として事実に愚直に向き合う姿勢が問われている。そこで怯んだり誤魔化したり忖度するようでは、問題の核心から遠ざかっていく。言葉は時に刃の如く他者を傷つけてしまう。しかし事実は決して反故にしてはいけない。強者はそこに正義や倫理を持ち出して都合の良い歴史を作ろうとする。そこで弱者は理不尽さを噛み締めながら虐げられる。私たちは報道における過ちを許すという寛容を失わず、知る権利を保持しよう。そして都合の悪い過去から学び得よう。

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    2023年02月09日
  • この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体

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    都合の悪い過去や歴史に歪曲や捏造を流布する、そんな愚挙に無頓着な自己愛傾倒者は、安易な分断を扇動しマイノリティを排他しようと罵倒する。だがその対立は限られた範疇での喧騒であり、疎ましく距離を置く無関心層が多数を占めている。心地良さを優先するマジョリティにとっては、どうでもいいとノンポリを気取る、もしくは日々の生活に追われて無知な生活で安穏とする。しかし、無関心は決して有益ではない、深刻な事態へと緩やかに変貌する。その速度は真綿で首を締めるように進行する。そのまま放置して瓦解の一途をたどる社会でいいのか。青木理と安田浩一は様々な言葉で救いの場を内包する社会を模索する。そこに加害・被害という区分け

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    2022年10月25日
  • この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体

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    国の在りようが何かおかしい、権力者が権力を濫用しているのではないかというような、漠然とした疑念や不安を拠って来たるところを、きちんと言葉にしてくれている。二人のジャーナリストとしての矜持が感じられる。

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    2022年09月22日
  • 破壊者たちへ

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    ネタバレ

    ほとんどが2019年から2021年までの社会不安や政権が起こした不祥事についてのエッセイ。 
    読んでいて青木理のイライラが伝わってくるような気がした。
    ここで書かれた問題や不祥事は何一つ解決していない。自民党は今日も元気いっぱい。

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    2022年08月26日
  • 日本会議の正体

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    日本会議ってよく聞くけど、一体何なの?と思って読みました。
    読み出があります。
    こんな思想の団体が、粘り強く運動を続けていたから、日本は今、こんなふうになったのかとよく分かりました。
    知らないことは恐ろしいことです。
    多くの人に読んでほしいです。

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    2022年08月04日
  • 安倍三代

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    安倍晋三氏が2022年7月8日、参議院選挙応援演説の最中に銃撃され67歳で亡くなったのが衝撃的でかねてより気になっていた本書を読んでみる。父方の祖父、安倍寛氏の人物像や選挙区での慕われかたなど、チームの取材は緻密で初めて知ることばかり。それにしても晋三氏は子どもの頃から今に至るまで「何か」を期待する大人に囲まれ、難儀な人生だったろうな…と同情もしてしまう。(立派な葬儀も終えたのに国葬にするとかしないとかで誰かに何かを期待されているようだし)
    政治家として好きではなかったし、数々の疑惑はきちんと解明すべきであると思うが野蛮な犯行によって命を奪われる結末は許されない。今はただ静かに冥福を祈りたい。

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    2022年07月21日
  • 日本会議の正体

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    思想に拘束力はない。しかし他人の価値観を規制する恐れがある憲法改正へと向かう運動は、管理社会の歪みを加速していく。世間の空気に流されず、歴史の暗部を直視し反省の繰り返しによって、"謙虚さ" や "思いやり" を自覚して良い社会へと歩もう。決して情報の "鵜吞み" や "心地よさ" に執心してはいけない。そこには権力側の洗脳が潜んでいる。後戻りできなくなってからでは遅すぎる。ご用心。

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    2022年03月05日
  • この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体

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    今年は沖縄返還50周年だけど、沖縄について自分が無関心に生きてきたことを恥ずかしく思っている。韓国のことだって、私は映画「タクシー運転手」を見るまでは知らないことが多すぎた。恥ずかしいけどこれから学ぶしかない。青木さん安田さん応援してます。

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    2022年01月09日
  • 暗黒のスキャンダル国家

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    筆者青木理の言葉は現代社会の違和感を分かりやすく述べている。根底にリベラル思想はしっかとあり、果たしてその対立項は保守ではなく、反民主主義・専制政治にあることが鮮明になる。多くの主権者はなぜ彼らを支持するのか、他に任せられないと思い込むのか、"失敗をしてはいけない" "迷惑をかけてはいけない" という日本の教育に問題の一端はある。失敗を隠すように改ざんする、迷惑をかける人を糾弾する自己責任論、そこに健全な社会は成り立たない。失敗や迷惑を恐れない・許すことに本当の民主主義はある。小さな声だが私は信じる、日常生活と政治のつながりに願いを込める。

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    2021年12月25日
  • 誘蛾灯 二つの連続不審死事件

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    ジャーナリストの青木理氏が、鳥取で起きた連続不審死事件を取材した本。

    お世辞にも美人とは言えない肥満体型の女に、何人もの男たちが夢中になり、人生を狂わせていった。同時期に埼玉で起きた木嶋佳苗事件と比べて注目度は低かったものの、熱狂する木嶋事件報道の「添え物」として取材を開始したらしい。

    本書を読み進めていく中で見えてきたのは、鳥取という地域が置かれた厳しい状況。そしてそんな底辺の街にある寂れたスナックで働くホステスに絡め取られていった男たちが抱える心の隙間、闇…。なぜ立場のある男たちが彼女の虜になって堕ちていったのか。最終的には本書の著者までもが、彼女に振り回される結果になっていたのが可笑

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    2021年12月05日
  • 情報隠蔽国家

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    戦うジャーナリストの心した作品。青木さんのこれからに期待できる作品。ひどい政治の表も裏もジャーナリストならば・・・。

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    2021年11月08日
  • 抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心

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    先に末尾にある慰安婦報道の年表を読んでからスタートしたら分かりやすかった。
    政治の劣化、マスコミの劣化とそれらに踊らされ続ける国民。当時の空気感を知らない自分が普通にこの本を読むと当時のバッシングがいかに的外れなものだったかって事実に驚くけど、もしかしたら今の時事問題にも同じような的外れ批判が蔓延ってるかもしれないよな、と自戒。
    青木さんの文章はクールで読みやすい。
    どんなニュースも報道も、考えて読む、って大事。

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    2021年07月28日
  • この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体

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     青木理と安田浩一ならだいたい読まずとも中身は予想できた。
     思ったとおりの内容だったが、自分にはなかった視点や気付きもあった。
     タイトルが仰々しいが、この濁流に抗おうとする二人はこれからも応援していきたい。

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    2021年07月17日
  • 誘蛾灯 二つの連続不審死事件

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    グロテスクでリアル。 事件背景が目に浮かぶようだった。 陰惨な暗い空気感。 このようなことは、都会や田舎を問わず、また程度の差はあれども(事件になるか、ならないか)一部の女が男を騙し、一部の男も女を騙し続けるのだろう。 昔から一定数いるんだろうなぁ。

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    2021年06月21日
  • スノーデン 日本への警告

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    とても内容の充実したシンポジウムだった様で、書籍で読む機会があり、有難い。
    本書を読んで、スノーデンのリークについて、それがもたらした事への理解を得てく中で、米国におけるジャーナリズム、市民社会、民主主義の成熟度が、日本とかなり違うなぁと改めて感じる。政府による監視について、日本での関心の低さはマズイ、もっと議論が必要、とも。(公安の話も興味深い内容。)

    あと、GDPRって、スノーデンの件がきっかけだったんか...と今更知る。

    あとがきにあるワイズナー氏の「民主主義には行動する責任が伴う」は、肝に銘じたい言葉。

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    2021年05月23日
  • スノーデン 日本への警告

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    アメリカだけでなく、日本も一般市民がスマホなどのビッグデータから監視されていることがよくわかる本。

    個人的には、『(政府によって)監視されることを監視するのが本当の民主主義』という言葉と、青木理さんの『日本のマスメディアのレベルが低いのは市民のレベルが低いから(写す鏡?)』(どちらも引用ママではなく、ニュアンスしか汲み取ってません)が印象的だった。

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    2021年04月09日
  • 安倍三代

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    ★主張あふれるノンフィクション★安倍晋三首相が退陣を表明する直前に偶然読み始めた。政治に疎いので、父型の祖父・寛のことはまったく知らなかったが、なぜ父・晋太郎ではなく、母型の祖父・岸信介の話ばかり取り上げるのだろうと不思議に思っていた。

    寛はもちろん地元の名家ながら、戦争に反対しながら政治的な支えがないまま国政に進出。早くに亡くなったため、晋太郎もバックボーンの乏しく、下関で在日朝鮮人と交流を深めながら泥臭く地盤を築いたという。もちろん岸の娘との結婚はあるが、「寛の息子」というプライドがあったという。

    この2人に対して様々なエピソードを挙げつつ、晋三については何もないと繰り返し書く。薄っぺ

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    2020年11月20日
  • 日本会議の正体

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    日本会議とは何か?その発生とその思想は?日本会議的なものが悪性ウィルスのように広がるこの時代とは?知らないことが多く勉強になった。

    日本会議は最近になって突如発生したわけではなく、源流を辿ると谷口雅春が創始した生長の家や、1960年代の全共闘運動に対抗する学生組織として結成された生学連(生長の家学生会全国総連合)に突き当たる。さらには神社本庁やその他の新興宗教団体の支援を受ける、いわば”宗教右派団体”。政教分離といった近代民主主義社会の大原則を根本から侵し、この国をかつて破滅に導いた思想を孕んだ政治運動である。

    過剰なまでに国家重視のため人権を軽視。天皇中心主義のため国民主権を否定する。エ

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    2020年10月22日