青木理のレビュー一覧
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2016年6月4日に東大で開初めて催された監視をテーマにしたシンポジウムの記録。
2013年6月に、エドワード・スノーデンがアメリカ政府の監視活動の実態に関する隠されてきた情報を、メディアを通してこの世にさらしてから3年後の話。
今私がこの話を読んでいる今に至るまでは、そこからさらに3年が経っている。
「自由を享受できる社会は市民が主役になって初めて実現される」
政府に勤めながら一市民として行動をとることを恐れなかったスノーデンの力強いメッセージ。
自分の生きる社会の在り方に関心を抱くこと、受け身にならないこと、いくためには一人一人が社会の構成員として能動的に考え行動することが民主主義社会に -
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2010年頃に話題になった鳥取連続殺人事件に関するルポ。事件を知らない人も、木嶋佳苗の首都圏連続不信死事件と同時期に似たような事件が起きて話題になっていたのは、ぼんやり記憶にあるのではないだろうか。
事件をざっくり説明すると、「デブ専スナック」と揶揄されるような場末スナックのホステスである上田美由紀(本の表記に合わせて、以下「美由紀」)の周囲で、6名の男が不信死していることが発覚。被害者はみな妻帯者でありながら、美由紀と知り合ったとたん彼女に入れあげ、多額の金を貢いでいた事がわかる。借金を重ねて生活が破綻し、家族を捨て美由紀と暮らし始めるも、しばらくすると不信死をするという同じコースを辿って -
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異形の病院王、徳田虎雄の正体に迫るルポルタージュ。
幼少期に徳之島の貧しい一家で育ち弟を病気で亡くし、苦学の末に大阪大学医学部に入学する様子に始まり、徐々に病院を拡大させながら多額の金がばら撒かれた衆議院選挙当選を経て、鳩山政権時代の普天間飛行場の徳之島移設問題まで、徳田虎雄を巡る様々な出来事が語られていくが、そのどれもがすさまじく面白い。
文庫版終章では王国の終末として、2012年12月の衆議院選挙を巡る東京地検特捜部による徳洲会への捜査と、徳田虎雄の理事長退任の模様が追記されている。それから約5年が経った今、徳田虎雄が何をしているのかが気になるところではある。 -
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保身と倫理が対立した場合、たいていは保身に走る。
刑法に関わる部分で保身に走った場合、その保身は死刑という殺人を伴う可能性があり、冤罪が起こる限り合法的な死刑が殺人である場合がある。
死刑確定確定後に再審によって無罪となった冤罪事件は
免田事件(逮捕1949年、再審無罪1983年)
財田川事件(逮捕1950年、再審無罪1984年(丸年)
島田事件(逮捕1954年、再審無罪1989年)
松山事件(逮捕1955年、再審無罪1984年)
足利事件(逮捕1991年、再審無罪2010年)
と5件となっている。ちなみに、『BOX』という映画にもなった袴田事件は再審判決後、現在は審理中となっている。
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2013年にスノーデンがアメリカの監視体制を暴露したことを映画で初めて知り、そのときから興味を持ち始めた。今の技術を使えば、スマホやパソコンのカメラやマイクなどあらゆるデバイスを通して情報を政府が管理することが容易に可能である。アメリカの実態から考えると、公開はされていないが日本でもすでにされていると考える方が普通であるとスノーデン氏は言っている。実際にスノーデン・リークからアメリカではそういった情報の取り扱いについてメディアなどが声をあげて監視体制を敷く政府と戦い、国民(アメリカ人)においては監視の対象外になる法律を成立させるまでに至っている。
この国民のみ監視の対象から外れることは重要で日 -
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アメリカの情報機関による無差別監視の実態を暴露した元情報局員
エドワード・スノーデン氏が参加し、2016年に東京大学で行われた
シンポジウムの書籍化である。
2013年に問題が公になった時、アメリカの情報機関が同盟国である
ドイツ・メルケル首相の携帯電話を盗聴していたことが問題になり、
日本国内では安倍晋三首相の携帯電話はどうなのかと話題になっ
たが、本質はそこではない。
テクノロジーの進歩と共に進む、監視社会の問題であり。政府がどこ
まで個人の情報を掴んでいるかである。
公安警察が日本国内のムスリムの人たちを監視していた資料が何者
かによって流出した事件があった。警 -
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日本会議とは何か?と読んでみたが、よく知らなかった生長の家、創始者谷口雅春の考え、神社本庁と憲法改正をめぐる現政権との関わりなどよく理解できた。
(私は若い時に谷口雅春の生命の実相を少し読んだことがあり、その生命哲学は肯定的に評価しているが、過度な天皇崇拝国家主義的な考えには驚いた)
安倍晋三は知性を持った本当の右翼、保守ではないと個人的に思っていたが、それも氷解した。
安倍晋三には、そんなに深い政治思想はない!と理解できた部分を以下に一部抜粋。
私(著者)は最近、取材で安倍の成蹊学園時代の同級生や知人、恩師、会社員時代の上司、同僚らに片っぱしから話を聞いたのだが、政界入りするまでの安倍に