斎藤千輪のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
カフェを舞台に、さまざまな人の人生が垣間見える短編集。
自分にも重ね合わせて共感するお話もあれば、思いもよらない結末を迎えるお話、ファンタジーのような死後の世界を描いたお話もあって。
それぞれ全く違う物語なのに、どのお話も不思議とすっと心に入ってきて、ところどころで言葉を噛み締めながら読んだ。
最近、歳をとることが少し怖い。
身体のちょっとした不調が気になったり、これから先のことを考えて不安になったり。
でもこの本を読んで、歳を重ねることは、ただ若さを失っていくことではなくて、いろいろな経験や感情を積み重ねて、人としての厚みを作っていくことでもあるんだな、と改めて思った。
嬉しかったことも、悲しかったことも、思い通りにならなかったことも。
きっと全部が、その人の人生を少しずつ豊かにしていく。
歳を重ねることを、今までより少しだけ前向きに捉えられた気がする一冊でした。 -
Posted by ブクログ
目次
*青山美智子
「サロンエプロン」
*朱野帰子
「痛い人生設計を作る、ルノアールで」
*斎藤千輪
「究極のホットケーキと紅茶占い」
*竹岡葉月
「不純喫茶まぁぶる」
*織守きょうや
「彼と彼女の秘密と彼」
*小川糸
「イルフロッタント」
ちょっと気分が沈んでいたり、迷ったり、悩んだり…
喫茶店で過ごすひとときは、そんな私たちの心を癒してくれる。
6人の作家さんによるアンソロジー✡。:*.゚
最初は青山美智子さん『サロンエプロン』
うんと短いお話だけど、この一冊のプロローグって感じがしてトップバッターにぴったりだと思う。
私が好きだったのは、朱野帰子さん
『痛い人生設計を作る、ルノアールで』
もうタイトルがいいでしょ?
〝痛い人生設計〟だよ?
期待通り面白かった。
竹岡葉月さん『不純喫茶まぁぶる』
も好き
なんせ〝不純〟だからね(*´艸`*)
予想もしなかった展開で、そうきたか!と思った。
そして無性に太麺のナポリタンが食べたくなっちゃった。
アンソロジーって気軽に読めて楽しいですね。
前向きになれる一冊でした( *^^人)♬*
-
Posted by ブクログ
貴婦人たちが好んだ料理について、由来やレシピをまとめた本を出版するための手伝いをすることになった高畑華帆が主人公。離婚し、心が貧困状態だった彼女が、偶然知り合ったフリーライターの長谷川京太郎と独身貴族の綾瀬真理のおかげでいい方向に変化していく物語です。
お馴染みのマリー・アントワネットや楊貴妃など、貴婦人たちが好んだ料理や食器のことが知れて、楽しい読書でした。そんなものを食べてたのか、と驚くようなものもありました。どれも興味津々。美味しそうでした。
小説では、どん底だった華帆が、真理の影響を受けて変わっていく様子が清々しくてよかったです。メンタル安定の三要素「繋がり。承認。挑戦。」をいつの間にか手に入れて生き生きとしている様子は、読んでいても楽しかったです。
最後は驚きがあり、皆が笑顔になれる終わりかたでした。たくさんの興味深いことが盛り込まれている小説で、おもしろかったです。
〈目次〉
1. イタリア出身の王妃が食べすぎた
フィレンツェ料理
2.マリー・アントワネットが愛でた
特別なスイーツ
3.絶世の美女・楊貴妃の美貌を保った
三つの食材
4. 十九世紀の偉大なる女王が好んだ
意外な料理
5. 貴婦人レシピに隠された驚くべき秘密
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「レシピ」とあったので、マリー・アントワネットや楊貴妃など有名な貴婦人が嗜んだ料理の作り方に焦点を当てているのかなと思ったら、その貴婦人たちの歴史や背景、人となりなどによりスポットが当たっていたかなと思う。
なので、この本を読んでも、料理の作り方はざっくりな説明、もしくはそもそもない場合もあるので、作中に登場した料理の再現は難しいかと。
ただ主人公が食レポ上手なので、味はしっかり伝わるし、読んでいて大変お腹が空いた。
夫の不倫で専業主婦かつ子なしのところから離婚、仕事なしになってしまった主人公が、貴婦人レシピの調査に協力することで自分にあるものに気付いていくお話。
それは、彼女にとっても、彼女の「推し」に取っても救いになる話になったのが素敵だった。
作中に実在の漫画が多数登場するので、オタクとしては読みやすいし、歴史の話も分かりやすかった。
気に入ったエピソードがあれば、作中に登場した漫画を後追いすれば深掘りできる仕様という。
色々な意味でおいしい物語だった。
個人的には真里さんが最推し。
本当に素敵なおねえさまでした。
おねえさま、でいいのかな……うん、いいはず。