斎藤千輪のレビュー一覧
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土日の夜だけ営業している〈ミント邸〉と呼ばれるペパーミント色の館でのイブニングティーを振舞うティーサロン。
そこでは、他に客がいないときだけ受けられる『紅茶占い』で客の悩みを解決してくれるという。
紅茶占いは知識として知ってはいたけれどこんなにも様々な『シンボル』と呼ばれるマークの見方があるとは思わなかった。
だが、実際はパティシエの壮馬が客の話を聞いてある程度の真実を見抜き、その推理に沿ったシンボルを見つけたかのように挙げ、壮馬の義母でマダムと呼ばれる琴葉がそのシンボルを紅茶占いにタロットカードを組み込んで意味を読み解いているだけ。
紅茶占いはあくまでも手段であって、壮馬の推理で悩みの真実を読み当てている。
しかし読み進めていくと、壮馬を探偵役にしたなぞ解きものというよりは、ドラマのように思う。
ミステリアスな恋人の言動の意味
関係が良くない父の寝言の意味
友人が急に怒った理由
どれも最終的にはホッとする話でホンワカする。
何より壮馬が作るホットケーキやケーキが美味しそうだし、琴葉が入れる紅茶も美味しそう。
途中途中に挟まれる、琴葉と壮馬がなぜ親子になったのか、なぜ東京にいた二人が琴葉のふるさとである広島・鞆の浦で週末営業のティーサロンを営むことになったのかなどが少しずつ明かされていく。
そして最終話、二人に関わる重要人物がミント邸に現れる。
二人と対決姿勢になるのかと思いきや、ちょっと違った方向へ。
結局みんなが正しいわけでも間違っているわけでもなく、それぞれが苦しんでいて、傷ついていて、それでも今出来ることをやっていた。
今後、新しい関係が始まりそうな一方で、琴葉と壮馬との絆がより深まったようで良かった。
個人的に好きだったのはヤス。お調子者のようだが懸命さがあって、素朴で良い。
時折出てくる広島弁も温かくて良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集だが展開が似てる。すすすと読めた。
最後のエピソードが、この本には必要不可欠。心情を考えるといたたまれない…。子育てする母親は、いつも心穏やかでなんていられない。特に仕事をしながらだと、かなり厳しい。愛がないとか、そうゆう感覚ではないんだよな。辛いなぁ。
恨み続けるよりは、対話によってお互い落とし所を見つけられる方がいい。良くも悪くも、逃げてちゃダメ。
同じ方面出身なので、方言に目がいく。間違ってはないけど、なんだろう。どうしてもくどく感じてしまう。どの本でもそうだが、ひと台詞ごとにわざわざ方言を混ぜてる感じがして、ちょっと濃ゆい。そんな無理して使わんでもいいんやけどな、と思ってしまう。はぶてちょるって東広島の方でも言うのね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ素敵な装丁に惹かれて。ハーブティー系のお話かと思いきや紅茶主流だった。
丘の上に立つ可愛い洋館の色がミント色という意味。
一話のお話が何だか読んだことあると思ったら「泣きたい午後のご褒美」に収録されていたからか。読んだ時の隠れ家カフェを思い出したからまた行きたいな。
タロットカードと紅茶占いの組み合わせは新鮮。紅茶占いはハリーポッターでも有名だからやってみたいな。
占いに来る人々は悩みを抱えていて、紅茶占いを使って謎解きをするのだけど、基本洞察力の鋭い壮馬が解決する。
琴葉と壮馬の関係性は後半に解き明かされるけど、結構重め…琴葉と藍の誤解が解けて、良かった。結局同じだけの愛情をもって壮馬に接していたんだな。 -
Posted by ブクログ
ご褒美シリーズ、というのだろうか。
今年第3弾「やるせない昼下がりのご褒美」が出た頃にたまたま本屋さんに行って手に取ると、やはり前の2弾、1弾も遡って読みたくなる。第2弾は本棚の端っこで発見したので買ってしまった。(第1弾は本屋さんを2箇所回ったが見つからず)
よく知る作家さんもあれば、存じ上げない方もあり。アンソロジーの良いところは、読んだことがなかった作家さんや馴染みのない作家さんに出会えるところ。
そして、ポプラ社出版なので、殺人とか怖い話やどろどろした話はないという安心感で、ちょっとお疲れな時に読むにはちょうどいい。
一番最初の青山美智子さんのお話が思いの外短かったので、えっ!これだけ!?と少し寂しかったけど、このアンソロジーの小説の順番って大切だなと思いながら楽しめました。
織守きょうやさんの文章がこの本全体をきゅっと引き締まめてる感じがして良かった!この作家さんの本も読んでみたい。