ねこ助のレビュー一覧

  • 魚服記(乙女の本棚)

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    太宰治文学忌、桜桃忌
    遺体の発見された日を文学忌としている
    1933年 太宰治24歳の作品

    15歳の少女
    父親と山間で暮らす
    植物採集に来ていた学生が滝に落ちて亡くなる
    少女はその様子を見る
    ここに恋があるのかな?

    父親から少年が滝に落ちて大蛇になってしまう昔話を聞く

    少女がゆるやかに成長していく様子が垣間見れる
    成長と共に 従順だった少女の反抗
    少女は山に生まれた鬼子という
    父親と血の繋がりがあるのか
    どちらにしても父親の罪
    父親の裏切りから滝壺への投身自殺
    彼女はフナになり 解放される

    絵はネコ助さん
    可愛くも哀しげで 色彩も良い
    できれば文字は黒で読みたいかな

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    2024年06月19日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    津軽あたりの山奥の谷脇で、炭を作る父と客に駄菓子を売る少女スワ。
    駄菓子も売れず、学校にも行かないで、本当に暇なのだろう。貧困が希望を奪うとは、この通り。毎日大してやることもなく、ただ無駄に時が流れていくだけのスワのような生活は、確かに生きる気力を削がれてしまいそうだ。
    もう、つまらなすぎたのだろう。谷に飛び込んで、大蛇になれたかと思ったら、ただの鮒だった、というのも、父に漏らした「おめえ、なにしに生きでるば」「くたばった方あ、いいんだに」という言葉が示す通り、自分なんて全然大したことないんだという思いが実現してしまったようで、とても悲しい。
    こんな一人ぼっちの所にいないで、町におりてみればよ

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    2024年06月06日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    はい、25オネェ!
    そして、ひまわりめろん再び夢野久作に挑む!今回のサポート役はねこ助さん!

    そしてつい「美しい世界観」とか言いたくなるのをぐっと堪えてなんとか引き分けに持ち込むことに成功しました

    「美しい世界観」じゃなくて「美しいイラスト」です
    文章だけだったら間違いなく撃沈してたはずです

    でも言いたい

    「メルヘン!」

    ぐぅ

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    2024年05月20日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    その声は、我が友、李徴子ではないか。

    学生時代に教科書で読んだ物語。

    絵柄は美しいけれど私のイメージする2人ではなかったかな。

    自尊心と羞恥心が邪魔して行動に移せないということはあるかもしれない。自分を高めるためには誰かと接しないといけないなと改めて。

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    2024年04月19日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ、私に取っての2冊目。
    近代文学苦手な私でも国語の教科書で読んでからずっと印象に残っている山月記。
    文体は難しく見えるが物語としては非常にシンプル、でも奥深い。

    虎になってしまったのは心が人ざらなるものになってしまったのだろう。いやでもそれならここまでは自省し気がついたのなら人に戻ってもよかろうに、とか、妻子より自分の生きた証を優先することが本当にダメなことか?など本当色々考えさせられるのです。この作品は教科書という場に本当相応しい作品。

    大人になった今でもやっぱり印象は変わらなかった。

    それだけに、あと、最初に読んだ秘密の物語とイラストのコラボマッチ具合がよかった故に

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    2023年12月16日
  • 乙女の本棚10 赤とんぼ

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    赤とんぼと別荘と思われるところへやって来た女の子のひと夏の出会いと別れ。
    色使いがとても綺麗な絵が、この物語をより幻想的なものにしている。
    装丁もおしゃれで、和紙っぽい見返しもとっても綺麗だ。
    大人の絵本だね。

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    2023年12月11日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    なるほど。美しい。
    繊細かつ大胆。
    そして、挿絵ではなく、絵本ではなく、コラボ作品として、山月記から得たインスピレーションから描く世界。
    山月記は、何回か読んでおり、文庫の「李陵・山月記」レビューで。
    今日は、中島敦の命日で再読しました。

    私の持っていたイメージとは、違ったけれど、このイラストで山月記が注目されるのは、嬉しい。

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    2023年12月04日
  • 鼠(乙女の本棚)

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    「彼等は鼠のように遊んだ。」という一文から始まる耽美な小説。
    母の死と、企みと、屋根裏のような場所で過ごす孤独をきっかけとして、一人の少年が青年へと孵化していくような姿には、見てはいけないものを見ているかのようなスリルを感じた。
    母のような顔をした石膏の女神の幻想と口づけをしてエクスタシーを感じるという終わり方には驚いたけど。なんだかアンデルセンのマッチ売りの少女を読んだときのような読後感だった。

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    2023年12月01日
  • 鼠(乙女の本棚)

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    どりゃあ!(巴投げのときの掛け声)14おネエは堀辰雄の『鼠』です

    『鼠』でイラストねこ助さんって洒落が利いてるね!って思ったのは俺だけ?

    (…みなさんのレビューを読んでみる)

    俺だけかいっ!(ビターン)

    あーそうかいそうかい
    堀辰雄の優美でちょっと謎めいた世界観とねこ助さんのすんばらしいイラストを前にそんなこと考えてるのは俺だけですか
    あーそうですか
    それは失礼しましたね

    そんならもう★3!(評価基準がひどい)

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    2023年11月11日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    ぼんじゅ山脈の馬禿山、そこの滝の近くで父親と小さな茶店を営む15歳のスワは、父が炭を売りにしょっちゅう村へ下りて行くので、その度に一人で店番をしている。
    ことしの夏の終りごろ、スワは滝の淵に落ちて亡くなる人をその目で見た。店はほとんど閑散としており、暇な時間でスワは滝について思いをめぐらせる。父親は酒臭い息をさせて帰ってくる。
    秋土用も過ぎてすっかり客足も遠のくと、二人は店をたたむ。スワは山奥できのこを採集して持ち帰り、それをまた父親に託し、じぶんは小屋にこもりくろい飯に焼いた味噌をかけてひとりで夕飯を食べる。
    夢心地で見えた初雪の晩が明けると、スワはからだに疼痛を覚えていた。あのくさい呼吸を

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    2023年09月13日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    むかしむかし、ある国の美しい湖のふちにある村にルルとミミという兄妹の孤児がいた。

    ルルは亡き父と同じ立派な鐘造りを目指す。

    「湖の水が濁るとよくないことがある」

    幻想的で悲しいお話だった。

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    2023年09月08日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    太宰治の作品を幾つも読んだが、昔の事なので、これも読んだか覚えでいない。読み終えて感じる不思議な感覚。

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    2023年08月31日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    夢野久作氏による童話『ルルとミミ』。
    水晶のような水がいっぱいにきらめく美しい湖のほとりに存在する、とある小さな村。
    この村で鐘造りの名人であったルルとミミの父親は、寺のあたらしい鐘を造ることに失敗し、それを恥ずかしがって湖に身投げしてしまう。
    成長した兄のルルは、父の跡を受け継いで、お寺の鐘をいよいよ完成させたのだが——

    という話。その村には、「湖が真っ黒に濁るとよくないことが起こる」という恐ろしい言い伝えがある。
    兄を救うために湖に飛び込んだミミの大冒険と、ゴシック調のダークファンタジーな雰囲気、その対比は大人の童話という感じがした。
    ルルとミミの兄妹愛が尊い。メリーバッドエンドという感

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    2023年08月27日
  • 鼠(乙女の本棚)

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     乙女の本棚シリーズから、堀辰雄さんとねこ助さんのコラボ作品「鼠」です。「山月記」の虎のような、迫力のある「鼠」が描かれていたらどうしよう…と恐る恐る手にした作品です(汗)。でも、そんなことは全くなく、美しい美少年が描かれてます!

     少年たちは、暗くカビの匂いのする秘密の隠れ家で鼠のように遊んでいた。思い思いのものを持ち込んで同じ時間を過ごしていた…。ある日石膏の像が持ち込まれたのだが、それが破損したことが契機となりその後お化けが出ると少年たちはその隠れ家に寄り付かなくなる…。ただ1人の少年をのぞいては…。少年は亡き母を思い、1人泣ける場所としてその隠れ家に留まっていたのだった…。

     この

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    2023年07月26日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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     乙女の本棚シリーズから、太宰治さんとねこ助さんのコラボ作品「魚服記」です。ねこ助さんの繊細でどこかさみしさを感じさせるイラストが印象的な作品です。

     炭焼きの父とその娘のスワ…父が炭焼きの仕事をしているときは、スワは茶屋の店番をしていた…。また、父がふもとの町に下りるときには、ひとり炭焼き小屋で過ごすのだった…。スワは15歳、少女から女性に成長する時期…「おめえ、なにしに生きてるば」「くたばった方あ、いいんだに」なんとも切ない会話…。季節は秋から冬に向かう頃、いつものようにひとり父を待ちながら過ごすスワ…外を見ると初雪、酒臭い父から逃れるかのように小屋を出ていき…。

     スワは父に、自分の

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    2023年07月23日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    地図にのっていないような山のふもとの寒村で、炭焼きの娘 スワは父親と二人で暮らしていた。

    少し不思議な物語だった。
    野性的に生きていたスワがある時から理知的になり、そして……。

    暗い。

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    2023年07月14日
  • 乙女の本棚10 赤とんぼ

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    かあいいおじょうさんと赤とんぼの交流を描いた童話。
    ねこ助先生の絵は、この作品ではどことなく日本画っぽい色味と構図で美しい。赤とんぼの擬人化はかわいい。
    書生・山田は少し不憫というか、不器用、人間関係や子ども相手が下手なのかな、と気になるところ。

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    2023年07月13日
  • 鼠(乙女の本棚)

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    秘密基地を作り、そこで鼠のように遊ぶ少年たち。
    秘密基地にお化けが出る噂が出て少年たちは基地を移す――

    ねこ助さんの挿絵が多く、豪華な絵本を読んだ心地がした。

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    2023年05月27日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    高校の教科書で読んだことはあったけど、イラストもついていることで前回よりは話の内容を理解出来ました。孤独な上で虎になってしまった主人公の気持ちが分かりました。辛さ?

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    2022年07月02日
  • 誰にも言えない

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    ネタバレ

    大学生の女の子4人が、一人ずつ誰にも言えない話を打ち明けてゆくストーリー。
    これだけ善人が出てこない小説も珍しい……と思ったのですがそもそも主要登場人物が4人しかいませんでしたね。
    美少女と化け物と悪意を固めたようなお話。
    人間が怖い系ホラーからラスト急に化け物が出てくる系ホラーになったのはちょっと唐突でしたが、面白かったです。

    表紙もみんな美少女で雰囲気あります。

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    2022年06月22日