ユッシ・エーズラ・オールスンのレビュー一覧
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デンマーク発の警察小説シリーズ。
M・W・クレイヴンのワシントン・ポーシリーズを一気読みし、ポーロスに陥っていたところ、こちらの小説に出会いました。
捜査への情熱を失っていた刑事マークと、シリア系の変人アサドが、未解決事件の再調査を行うというストーリー。事件の内容はなかなか重たい内容でしたが、被害に遭ったミレーデと、捜査をするカール視点で描かれており、徐々に二つの視点が重なっていく過程が面白かったです。
今回の事件で、被害者が助かることがその後の被害者にとって本当に良いことなのか、問われる内容となっていましたが、カール自身が抱えていたその悩みに対する一つの答えが提示されており、最後は感動的でし -
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ネタバレ【2025年101冊目】
事件に巻き込まれ、怪我を負った警察官のマークが復帰後に配属されたのは「特捜部Q」と呼ばれる未解決事件を専門に扱う新部署だった。明らかに予算獲得のためだけに設置されたお飾り部署に配属されたのはカールの他にはアサドという中東人のみ。二人は自殺したと思われる女性議員の事件に取り組み始めるが——特捜部Qシリーズ第一弾!
アマプラで映画をながら見して面白かったので、キャストが変わる前までシリーズを全部みてからの原作でした。おかげでマークもアサドもイメージの中でしっかり動いてくれて楽しく読めました。映画の話を先にすると、しっかり原作を大事にして作ったんだなということがわかりまし -
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▼特捜部Qのシリーズ第2弾。デンマークの警察小説。第1作はオモシロかった。何といっても、これはバディものなんです。
〇デンマーク警察の腕利き現場たたき上げ中年刑事・カールさん
(妻に逃げられ仕事中毒、腕っぷしが強く昔気質、、、という昔ながらの男っぽい刑事)
〇デンマーク警察に雇われている、助手(雑用係)の、アサドさん。
(アラビア系の人。デンマーク語はしゃべれるけれど、不法移民なんじゃないかという疑惑。ところどこに能力が高いが、いろいろが不明)
という奇妙な男ふたり(刑事と、助手)のバディもの、というのがいちばんの魅力です。
▼ということはこのバディがオモシロければ、ひとつひとつの事 -
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新たに手を出したシリーズもの。
こちらはデンマーク産。
自らのチームが事件の最中銃撃を受け、
1人が死亡、もう1人は一命は取り留めたものの
体が麻痺状態に。
トラウマから立ち直れない主人公は
通常業務から外され、特捜部Qと言う部署へ移動。
窓際族のような状態に。
特捜部唯一のメンバーは謎のアラブ人、アサド。
この人がすごく良い!
癒し系?すっとぼけ系?いや、実は切れ者?
この方がいれる甘ーいお茶、飲んでみたい。
まだまだ謎だらけなので、この先明かされる真実に期待。
事件の方はかなり狂気に満ち溢れてる。
「檻」に閉じ込められた女性の章と
カールとアサドが地道に捜査をする章が交互に綴られ
徐 -
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ネタバレ2002年と2007年と場面が変わるうち、これはきっと現在進行形の事件に違いないと戦慄させられ、祈るような気持ちで読み進めていった。事件がこんなふうに繋がるなんて想像もできなくてスリリングな体験ができた。
ミレーデの監禁シーンはこちらまで苦しくなってくる。終盤はハラハラさせられて胸が痛いくらいだった。
優秀だが怠惰なところのあるカールと、優秀だが変わり者のアサド。コンビの相性が良いのか悪いのかよくわからず、面白かった。アサドはあくまでもアシスタントであって警察官ではないというところがポイントで、結果的に型破りな捜査になるのが予想を上回っていてよかった。意外と屈強なところも頼もしい。
このコンビ -
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ネタバレデンマークの警察小説、特捜部Qシリーズ第二弾。
いつの間にか置かれていた資料には、数十年前に解決し、犯人も収監中の兄妹殺しのことが。調査を開始するカールとアサドだったが、捕まらなかった者たちの存在を知る。
うーん、疾走感とハラハラ感は前作の方が上か。カールたちの捜査パート、ホームレスの女性のパート、逃げ切り社会的に成功した三人のパートの視点があるが、逃げ切った三人のパートが胸糞すぎて…捜査パートも、前回ほど犯人をじわじわ追い詰めるものでもなく。
更には、ラストもそこまで爽快感のあるエンディングではないので、総じて一作目が良かったなと。次作はガラスの鍵を受賞したとのことで、楽しみにしている。 -
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ネタバレとても面白かったです!
今回も、変わらず嫌なヤツが犯人でしたが、テンポ良く、先の気になる展開に、どんどん惹き込まれ、あっという間に読んでしまいました。
テーマは新興宗教。そして信者のこども達…。犯人の過去も、可哀想な描写はありましたが、それでも非道な犯行を繰り返し、犯人に対する、哀れみの気持ちは消えました。
几帳面で、犯行もぬかりなく行なってきた犯人でしたが、最後の最後に凡ミス連発?で少し拍子抜けしました…。まさかのボーリング愛好家とは…。ここまで犯罪を繰り返してきたなら、一般人と戯れるのはリスクが高すぎる…!と私は感じました。
私的には、もう少し犯人の苦しむ最期が見たかった -
Posted by ブクログ
子は親のものでは無い。
親の信仰を子に押し付ける、生まれながらにして一つの枠の中に閉じ込められた子は、親に見放されることを恐れて従う。
やがて思春期に矛盾した感情に苦しむ。
ミステリーはその国の闇を背景にする。
弱者である子と強者である親の関係がねじれる。
子供の頃の心の歪みは成長とともに社会の歪みに埋没していく。
デンマークではなくても、この国でも共通する。
こんなに重いテーマにも関わらず、思いっきり「暗い」北欧ミステリーとは一味違い、相変わらずの騒々しさがクセになるほどに良い。
主人公らしく無いカールや不思議なアサドとローセ、上巻で感じたストレスは下巻に入って一気に吹き飛んだ。
そ -
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ネタバレ今回は、タイトルこそまた蹂躙された少年少女の事件のようだが、実は徹頭徹尾身勝手な大人たちのボタンの掛け違いが悲劇を大きく広げたのだった。
だから、「吊るされた少女」にはもちろん同情はするけれども、今までの事件ほどは胸が痛まずに読めた。
天性の人たらしであった青年と少女の出会いが事件の引き金だったとしても、そしてその二人が、あまり周囲の人たちの気持ちを忖度しないとしても、それが二人の罪であると糾弾するのはいささか酷だろう。
過去のひき逃げ事件と現在の宗教団体内部の諸問題。
いったいいつこの二つが交差するのだろう、と思いながら、どちらも興味深くぐいぐい読んでいたのだが、二つの事件が交差したとき -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいる間、ずっと眉間にしわを寄せていたと思う。
そのくらい嫌な事件。
最初から最後まで暴力的な、救いのない話だった。
寄宿学校時代の友人グループ。
男子5人女子1人といういびつなバランスで、学友や教師たちを性や暴力で蹂躙していく。
しかしそのバランスが崩れたとき…。
まず男同士のつながりが気持ち悪い。
深い友情とは無縁の自己中同士なのに、互いの欲望を満足させるためにつるみ、学校を卒業して20年たった今も、その容赦ない暴力への嗜好を満足するためにつるんでいる。
金持ちだから、そして暴力に関しても容赦ないから、敵はいない。
ただ一人、仲間の前から姿を消した唯一の少女・キミーを除いては。
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