ユッシ・エーズラ・オールスンのレビュー一覧
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ここからは、日常的にBLを嗜んでいる人間が読むと、決して「匂い系」作品ではないのだが、脳内がガチムチ系女子にはそこはかとなく香ってくるそれっぽさが「やっぱりだったか」と言う部分を書いておく。
カール・マークは(四十路)睨んだ通り男にモテる、と言う事実が裏付けられた描写有り。1作目から狙ってた精神科医モーナとイイ仲になったんだけど、彼女がカールに紹介した男性精神科医がゲイで、モーナと出来てるんじゃと疑ったカールに放った一言が直球でエロい!!とは言え、何度も言うようだが、別に精神的ホモをあからさまに書いている作品では全然ない。寝たきりの同僚ハーディが病院よりお前の家に行きたい、と言う場面も、もしかしたらカールの罪悪感につけ込んでるのかもしれんが、そう言う湿っぽい描写を排除しているのがこの作品の爽快なところ。心理描写を省いていると言うのではなく、頭の中で逡巡している事も、行動となった時には、色々考えた事とは全く逆に思える行動を人は取っている事さえある、と言う書き方が絶妙なんである。
深読みは幾らでも出来るが、カールは根っからのノンケである。これは間違いない。ただ、絶対に男にモテる(笑) -
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特捜部Qはこじんまりとした部署である。責任者兼唯一の捜査官(つまり警官)であるカール・マーク警部補。警部への昇進セミナーに断固として出席しないと上司に交換条件を持ちかけて意地を通したので、警部補のままである。その唯一の捜査官であるカール、助手のアサドはシリア人らしく、警察官ではなくあくまでも秘書と言うかお手伝いと言うか、なかなかに説明の難しい役どころだ。そしてもう一人ユアサと言うオペレーター的な、秘書的なアシスタントもいて、実質3人で回している「未解決事件」を取り扱う部署だ。
海から流れて来たボトルの中に入っている血文字で書かれたメッセージを解読する事で事件が発覚する、と言う、こうやって書くと如何にもフィクション的で現実味のないように感じるのだが、このメッセージが数年間放置されており、最初は誰も何も気づいていないと言う呑気さ、そこから流れ流れて特捜班Qにやってくるのだが、この辺りの時間の流れはもしかしたらお国柄・国民性に付随しているのかもしれない。この、見えない文字を読み解く、と言う辺りの、二人のアシスタントの独創性、カールが職業柄として持ち得る科学捜査的知識に対して、鑑識課を辞めた人間にお手伝いを頼むと言う、なんとも警察組織でない動き、正にカールの人脈頼りと言う、真面目なんだか不真面目なんだか分からない辺りがこのシリーズの魅力の一つで、会社の中で仕事をしている人間なら判るが、人脈で自分の仕事がやり易くなったりやりにくくなったり(上司や部下も然り)、この辺りが実にリアルなんである。
第1作目の『檻の中の女』読後からすっかり主人公であるカール・マークが大好きになったのだが、本作からアシスタントの二人の個性がちらほら噴出して来て、決してチームとしてまとまっているとは思えないのだが(助手にあまり敬って貰ってないマーク)少しずつ距離感が詰まっていくのが感じられる3作目。
犯人の視点から見た犯人の行動描写と、カールたちの日常が交互に描かれる。犯人は牧師の息子として生まれたが、聖職者でありながらも感情のままに自分に暴力をふるった父親への憎しみを、宗教的な家庭の子供を二人誘拐し身代金をせしめ、一人は殺害、一人は脅しのメッセージを託して家に返す、と言う手口で収入を得て、幾つもの偽名を使い、宗教に傾いていない女性を探し結婚し、子供を得て、何食わぬ顔で一つの家庭を築いている。その裏で、金を稼ぐ手段として誘拐を続けている。
子供の頃の育ち方で他者に一切の感情移入が出来ない鬼畜な犯人にカールたちは辿り着けるのか、と言うのが本作。
事件とは別に、カールは一目見た時から好みだ、寝たいと思い続けている精神科医のモーナと色っぽい関係を結ぶことに成功したり、元妻が戻って来たいと言っているのを義理の息子に金を握らせて阻止したり、自宅介護を引き受ける事になった元同僚で、寝たきりのハーディの具合が悪くなってまた病院に戻さなくてはならなくなったりと、決して平穏なプライベートとは言い難いと思うのだが、カールは疲れたとか絶望したとかしんどいとか、愚痴を言わないのだ。疲労はしているが、殊更に頑張ろうともしないし、落ち込んだりもしない。なんと言うか、全部をキャパ越えちゃうんじゃないかくらいに受け入れる訳ではないのだが(元妻に対しては直接的にNOは通じないと分かっているから策を練ったりする)目の前から消そうとしたり見なかったことにしたりせず、自分に可能であれば相手の要求に応えようとする。事件に対しても、そんな何年も前に未解決となった事件など今さら調べても、とチラッとは思うのだが(現実的に)やってみようとする。この「等身大」なバランスがやっぱりカール・マークの魅力の最たるところだ。 -
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人気シリーズ5作目。
デンマークの警察ものです。
利発な少年マルコの登場でスピード感がアップし、いつもとちょっと違うさわやかな読後感。
未解決事件を扱う特捜部Q。
カール・マークは恋人にプロポーズしようとして上手くいかず、殺人捜査課の上司は退職予定でしかも後任が天敵と知る。
新人のゴードンはちょっと不器用で変な若者だが、秘書のローセに一目ぼれした様子でまた特捜部に混乱が‥?
アフリカへの開発援助をめぐって、実は大規模な横領事件が起きていました。
真面目な官僚が一人、行方不明になったままの件を取り上げることにした特捜部の面々は‥?
マルコは15歳でもっと幼く見える。
叔父が率いるクラン(犯罪組織)の中で、仲間の子供たちと共に掏りや物乞いを強制されて育って来た。
独学で本を読むようになったマルコだが、ある秘密を目撃したことからクランを逃亡し、かといって警察に駆け込むことも出来ない。しだいに、カールらと運命が交錯することに。
マルコ、頑張れ!
とハラハラしながら読みました。
首都コペンハーゲンの一角に、ヒッピーが開いたクリスチャニアという無法地帯があるとは初めて知りました。
警官とばれたら大変なのでカールは変装するしかないが、ローセはここの住人のように見えるというのが笑えます。
カールの同僚で銃撃事件後寝たきりのハーディに少し回復の兆しが見られたり、カールが恋愛を吹っ切ったりと、微妙な変化も。
さて次はどんな展開になるのかなあ?
楽しみです☆ -
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2014.2.28.2008年秋デンマーク政府がカメルーンのある地域で進める開発援助プロジェクトのリーダー、ルイ・フォンが殺される。外務省の上級参事官ヴィルヤム・スタークはそのルイ・フォンから意味不明のショートメッセージを受け取り、上司のレニ・E・イーレクスンに報告する。事情を知るレ二 はヴィルヤム・スタークを葬るために暗躍し始める。その2年後2010年秋、コペンハーゲンで物乞いをして1日を過ごした後、仲間と共に迎えの車の中にいた。マルコの叔父、ゾーラは一族の首領で暴力的な手段で子供たちを支配し、搾取していた。マルコはある日叔父がマルコを障害者にして稼がせようと父親に相談しているのを聞く。ゾーラはマルコの仲間であるミリャムを意図的に障害者にし、物乞いをさせていたのだ。盗み聞きに気づかれたマルコは逃げ出すが、すぐに気づかれ追われる。森の中に逃げ込み地面を掘って隠れるがそこには大人の死体があった。
カメルーンへのODAに関わる不正と、マルコが見つけたものが大きく関わり、マルコは行くていくてに追手をかけられる。マルコは逃げ伸びるのか。聡明なマルコの姿がいじらしく、一気に読ませる展開ですごくよかった。カールの恋愛譚は申し訳ないがあまり関心がなく読み飛ばしてしまったが。 -
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のっけからカメルーンでの殺人事件が描かれる。そしてデンマークでは銀行頭取と外務官僚によるカメルーン開発援助プロジェクトに関わる不正が密やかに進行する。スケールの大きい事件ではあるのだが、いきなりステージは一転する。
イタリアから不法入国したジプシーのような犯罪一族の生態に作者のペンは向けられる。恐怖に虐げられながらスリや置き引きなどの犯罪に手を染める少年の一団が都市の中に散開している。彼らは脱出不能の悪のリンクに閉じ込められた人生を選ぶことのできない無力者立ちであるかに見える。その中でも腕利きで頭のいいマルコが、実は本書の主人公的存在である。
彼は、あることから見てはいけない組織の謀略の現場を目にしてしまい、夜の公園から独り脱出する。すぐに放たれる追跡者たちの群れ。マルコは逃走する。そう。本書は、たった一人の少年の逃走こそが最大の見せ場である。
特捜部Qの面々は、トリオの存在の上に、さらにひとり面倒なのが加わって、カール・マークは厄介な立場になりながら、徐々にマルコと、カメルーン失踪事件の真相へと、徐々に近づいてゆく。
読者だけがすべての経緯を知っており、はらはらしてゆくタイプのサスペンス。そこに子供が追われるというある古典的なモデルの活劇が主軸となる。これだけで面白さは保証されていると言えないだろうか。子供の失踪と言えば、映画で言えば『グロリア』、小説で言えばジョン・グリシャムの『依頼人』などが挙げられるが、どちらも強いオバサンに守られたいわばコンビものである。本書のマルコはその点あまりに孤独である。犯罪仲間の少年少女たちに心のつながりを求めるが、誰もが恐怖に支配されているために、マルコを裏切らざるを得ない。構造悪による子供たちの悲劇、なのである。
全体としてシンプルな作りだが、だからこそ手に汗握る活劇が散りばめられた、シリーズ屈指の快作であるように思える。このシリーズを一冊だけ読みたいという人に対してはぼくはどの作品でも自信を持ってお勧めすることができるのだがが、少年マルコの活躍ぶりを見ていると、特に世の女性に対しては、この作品を母性本能に訴えるという意味で一押しになるのかもしれない。
しかしアサドの猪突猛進ぶりと、ローセの母性本能、それらの個性とのらりくらり戦法で対決しつつ、奇妙な居候たちとの家庭問題にも頭を悩ませねばならないカール・マークの人生、いつもながらに嬉しく心強い特捜部Qとの再会が毎度嬉しい本当の意味でのシリーズらしいシリーズなのである。 -
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ネタバレカールとゆかいな仲間たちにまた会えた!
今回は魅力たっぷりの少年、マルコがメイン。
シリーズで読んでいるとアサドやローセももちろん、家の住人たちも顔見知りのような気がしてくるのでホンのちょっとしたことも気にかかってしまい丁寧に舐めるように読んでしまう。
それぞれの人間たちの抱える闇までもが見え隠れしてきてまだまだ目が離せない。光も見えるし。
カールの女性遍歴(!?)もまだ続きそうだし、読み終えたばかりなのに次の本が楽しみでなりません。
それにしても今回は主人公マルコの出会うスリルと並行して様々な大人たちの遭遇する不幸に仰天しっぱなしでゆかいな仲間たちのキャラにいまいち踏み込めなかったのが残念。もしもこの5冊目から手に取った人がいるとしたらずいぶん不親切な進行だなぁとしみじみ。一冊目から熟読していた幸いにニンマリ。 -
購入済み
特捜部Qの2作目です
1作目を読んで、このシリーズは意外な動機に、意外な殺し方を読ませるミステリーだと(勝手に)思って今作を読むと、動機も殺し方もありふれていてちょっと残念でした。おもしろくて読み始めたら止まりませんでしたが。次作はどんな話になってるのか気になるので早く電子書籍化してください。
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購入済み
先が読めなく最後まで楽しめた
殺し方や、犯行の動機が変わっていてラストまで先が読めず一気に読んでしまった。主人公のキャラは最初不快だったが、読み終える頃には好きになっていた。シリーズ化してるようなので、さっそく次の『特捜部Q』を読もうと思う。