ユッシ・エーズラ・オールスンのレビュー一覧
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【カール 最大の危機迫る!?】
北欧ミステリーの人気シリーズ【特捜部Q】第6弾。
引退間際の警官からかかってきた一本の電話は、カールたちQのメンバーを十数年前に起きた異常な交通事故の捜査へと導いていく……
前作の【知りすぎたマルコ】と違い、こんがらがった複雑な糸をひとつひとつ解いていくようなストーリーだった。
展開もゆっくりめで、途中読みにくいエピソードもあったが、ラストの畳み掛けとどんでん返しはさすがである。
轢き逃げ犯は全く想像していなかった人物だったので、散りばめられた伏線を探す為にも再読しようと思う。
今作は新興宗教が事件に絡んでおり、ひとりの導師がキーマンとなっている。
とくに導師の心情がまったく描かれていないのがこの作品の面白い所だ。
読者は導師の心情や人物像を想像しながら読んでみると更に面白いのではないだろうか。
最初のシリーズから登場する“釘打事件”やアサドの秘密も出てくるのだが謎が深まるばかりだ。
どうオチをつけるのか最後まで見届けたいと思う。
純粋な気持ちが引き起こした悲劇が描かれた1冊だ。
こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ
・北欧ミステリーが好きな人
・どんでん返しが好きな人
・宗教がテーマのミステリーが好きな人
・倒叙ミステリーが好きな人 -
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【お願い .ᐟ.ᐟ早くマルコを助けてあげて】
北欧ミステリーの人気シリーズ【特捜部Q】第5弾。
犯罪集団によって物乞いやスリをさせられてきた少年マルコ。組織から脱走を図った彼は、逃げ込んだ先で腐乱した男を発見する。その死体には、巨悪の思惑が絡み合う国際的な陰謀が隠されていた…
とにかくマルコが追ってから逃げて逃げて逃げまくる。
いつも胸糞でイヤミスなシリーズだが、今回はミステリーというより、アクションよりのストーリー。
マルコ少年が魅力的で、知恵を働かせ逃げまくり、ラストまでノンストップで駆け巡る。
映画は未視聴なのだが、評価があまりよくないので、観るのが悩みどころ。
普段ミステリーをあまり読まない人でも楽しめる1冊だ。
こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ
・北欧ミステリーが好きな人
・デンマークが好きな人
・アクションが好きな人
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【全欧ベストセラー 警察小説第2弾】
北欧ミステリーの人気シリーズ、『特捜部Q』の第2弾。
今回は犯人がわかっている中、どう追い詰めて行くのかハラハラしながら読んだ。
この作品の映画は読む前に観ていたのだが、映画と原作では内容が結構違っていたので驚いた。
感想としては、事件の内容と犯人にとにかく胸糞悪くなった。
動機に共感できることが何一つなく、犯人にとって自分の周りの人間全てが狩りの獲物だということ。
そこにはただ快楽しかないのだ。
そんな人物の表の顔は有力者なのだからゾッとする。
イヤミスではあるものの、主人公カールと仲間の掛け合いとカールのツッコミが面白くいいバランスになっている。
今回から新メンバーも登場し、何ともいいキャラなので今後の活躍に注目していきたい。
人間の恐ろしさをあらためて感じる1冊だ。
こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ
・北欧ミステリーが好きな人
・イヤミスが好きな人
・海外ミステリーが好きな人
・刑事ものが好きな人
・倒叙ミステリーが好きな人
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ネタバレ映画4作観ていて『キジ殺し』が過去の犯行も現在の犯行も1番理解できなかったのだけれど、原作を読んで評価が変わったのでまた観たくなりました。面白かったです。
こちらも復讐になるのだけれど、復讐者も過去には一緒になってやらかしてるのでうーんというのは拭えず。でもキミーの心情が丁寧に描かれるので映画よりは良いです。
特捜部Qの新メンバー・ローセはアサドと同じくらい突拍子もない。でもアサドもローセもかなり有能だし、これくらい濃いキャラでないとカールには対抗できないので良いです。カール、飛行機恐怖症だったのか…。
ラストの大立ち回り凄い、映画こんなんだったっけ?カールが物凄く病んで次作まで引きずってるのは覚えてるけど。
ハーディとアンカーとカールの事件、いつか解決するのかな。メインの事件の後ろで少しずつ捜査が進められるといいです。
恩田陸さんの解説、一ファンの熱もあり、アンデルセン童話の国デンマークの分析も面白かったです。確かにアンデルセン童話は痛い。一瞬混同していたけど、検索したら「赤い靴」「スズの兵隊」「パンを踏んだ娘」もアンデルセンでした。幼心に、赤い靴に心を痛めていました。スズの兵隊は切ない。 -
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愉快な3人の未解決事件担当刑事が繰り広げるデンマークの警察小説第6段です。
前作のマルコ事件から3年が経った。今回は、デンマークの東、バルト海にあるボーンホルム島の警察官が自分の退官パーティで拳銃自殺した。カール、アサド、ローセのお笑いトリオならぬ刑事達は、現地に向かい自殺した警官ハーバーザートの息子に会いに行くと息子も自宅で手首を切って死んでいた。
生前ハーバーザートは、17年前に自らが発見した少女が亡くなった未解決の交通事故に執着していた。
カール御一行は、管轄外の島での捜査には訳がある。自殺した警官クレスチャン・ハーバーザートは命を絶つ前日に面識の無いカールに電話をし捜査協力を仰いでいたからだ。自殺する事でカールが動き出すと読んでの行動だった。自らを究極の犠牲にしてまで解決を望むこの少女の事故の背景は何なのか非常に興味が湧いてくる。
ストーリーは、後半まで膠着状態ではっきりしない。焦ったくなってくるが真犯人と思しき人物があっさり死に、次なる容疑者も死に、えっ、、なかなかにどんでん返し犯人探しがとても面白い。今作は、カールとアサドの絆の深さや自殺した警官家族の苦悩、新興宗教教祖の奔放な生き方。人間の感情が露わになった事件だった。 -
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シリーズ第5段です。デンマーク警察の地下に掃き溜めの特捜部Qで、カールとアサド、ローセンの変わり者トリオが活躍する警察ミステリーです。
今回は、カメルーンへの政府開発援助を背景にした横領と、デンマークで不法滞在の窃盗グループが事件の柱です。
マルコは、窃盗団から逃亡する途中で偶然に埋められた死体を見つける。この発見がきっかけになり窃盗団リーダーのゾラの残虐さと、デンマークの政府と銀行の横領事件に繋がって行く。
今回も、意味不明な言動のアサドとカールの遣り取りは漫才チックで面白い。後半は場面が刻々と変化しアクションミステリーの様です。不法滞在者のマルコや横領犯の妻と娘に対する法や規則を無視した優しい配慮はこのシリーズの定番です。次作も期待出来る内容でした。 -
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シリーズ4作目、デンマークの窓際刑事2人と変わり者アシスタントが地下の特捜部Q部屋で未解決事件に挑む物語りです。
時代設定は、2010年11月ですが25年前の1985年11月に妻の暗い過去がクアト・ヴァズによって暴かれたその晩に夫婦の乗った自動車が事故を起こし夫は即死、妻ニーデ・ローセンは生き延びた。ニーデは、結婚前に売春宿で働いていたが宿の女主人リタ・ニルセンが1987年に失踪しカールの有能なアシスタントで二重人格者のローセ・クヌスンが未解決事件として取り上げた。事件を見つけるのはいつもローセの仕事になっていた。
25年前には更にリタが失踪してからの2週間で5人が失踪し、全員がニーデに呼び寄せられたのだった。ニーデは、人種選別の為に非合法な強制中絶や強制不妊手術を行なっている医師で政治活動家のクアド・ヴァズに人生を滅茶滅茶に破壊され復讐に執着していた。
ストーリーは、現在(2010年)の捜査の進行と25年前の失踪に関わる事件と、その事件の発端となった更に15年程前のニーデやヴァズと失踪した人達の過去が綴られる。終盤ではっとする展開が起きるものの、始終暗く陰惨なストーリーだが最後の最後でこのストーリー登場人物で唯一、情と心を持った人がこの荒れた物語を引き締めてくれたのがとても救いだった。
特捜部Qのメンバーは、個性的だ。ボスのカール・マークは、離婚同然の生活ながら妻の連れ子の面倒や不随となった元同僚を自宅看病しながらも、新しい恋人モーナに心を奪われてまるで高校生男子の様な繊細さだ。シリア人で過去が謎のアサドは優秀なアシスタントだが言葉が堪能では無く、頻繁にカールから指摘を受けるが、このやり取りとカールの心の叫びが面白い。
本作は、シリーズ4作目ですが作者は10作で完結と発表してますのでまだまだ楽しめます。 -
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シリーズ6作目。反目し合うこともありつつ基本的には良識のある上司だったヤコプスンから退職することを告げられただけでなく、後任がカールの天敵のようなビャアンで、前作でミイラと一緒に数日間監禁されるという猛烈な目に遭い、モーナとも別れ弱り目に祟り目のカール。10作で完結予定のシリーズ起承転結の転から結にかかる一作にあたるせいか、表題の事件だけでなく、シリーズを通して影を落としている2つの案件(カール自身が当事者として関わった釘打ち機の殺人と、おじの水死事故)もじわじわ展開しています。アサドの過去についての謎、ローセの心の傷、カール自身がPTSDを受けることになりいまだ正面から向き合う事も出来ないつらい体験とその背景が、3人で表題の事件を捜査している過程で情報提供してもらう流れで受けた催眠療法によって揺さぶられ、かろうじて保っていた平衡感覚が失われてしまったみたいで、みんな大変そうでした。カールとアサドはまたも瀕死の状態に陥り、後半からはほとんど電話越しだったり別の部屋からの登場しかなかったローセがしばらくQから離れるようなことが終盤に示唆されたり。いったいどうなってしまうのか、心が落ち着かない感じです。表題の事件そのものも、マインドコントロールや新興宗教、大人による少年少女の搾取、などが絡んでいて、かなりザワザワする作品でした。夢中で読みましたが、読後感はぐったり。
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未解決事件を扱う<特捜部Q>シリーズ第七作。
前作「吊るされた少女」事件から二年が経った2016年の設定。
一番気になっていたアサドの親指の状態だが、やはり無事というわけにはいかなかったようだ。だがアサドも特捜部Qリーダーのカールも、内面の混乱はともかくとして表面上は日常を取り戻しているようだ。
一方で前作の終盤から様子のおかしかったローセが、二年経った現在も仕事ができないほどの酷い精神状態に陥っている。そしてついには精神科に入院という事態で一時的に特捜部Qから離脱という状況だ。
今回の作品は今までと構成を変え、現在進行形の事件と特捜部Q側とで並行していくスタイルを採っている。
現在進行形の事件は後に特捜部Qが追っている過去の事件と繋がることが分かるのだが、それは更にローセとも繋がり、出来過ぎと取るのか奇妙な因縁と取るのかは別として、いずれにしても先が気になるサスペンスタッチである。
副題は「自撮りする女たち」(原題「SELFIES」)だが、「自撮り」がテーマというよりは、身勝手な女たちといった感じ。
社会福祉政策が充実しているデンマークゆえのもう一つの顔、つまり権利は主張するがそれに伴うやるべきことはやらない人間たちがここにもいるということだ。
そうした人たちを相手にする福祉課の職員も日々不満を抱えている。最近よく聞く言葉で言えば『モヤモヤ』だ。
自分はこんなに頑張っているのに、なぜ自分より楽をしている人間がなぜ自分より良い目に遭っているのか。
こういう感覚は誰もが持つことだろう。よく聞くハラスメント問題もこういう『モヤモヤ』が発端になっていることが多い。
自分と周囲を比べても仕方のないことと分かっていても、仕事でそうした人間に接しなければならない人にとってはかなりのストレスだろう。
だが面白いことに、そういう身勝手な女たちの中でも互いに『モヤモヤ』を感じている。つまり、自分はこんなに頑張って補助金を引き出すためのアイデアを出したり体を張って頑張ってるのに、彼女は何もしないで楽をしている、みたいな。
読んでいるこちらからすれば五十歩百歩、どっちもどっちだろ、と言いたいところだが、身勝手な女たちや福祉課職員のそういう『モヤモヤ』はついに暴走を始め、殺意まで芽生えさせるのだ。
正直言って、身勝手な女たちサイドの人間は女に限らず出てくる人物たち皆共感出来ないので、完全な傍観者としてどんな破滅的結末を迎えるのかという単純な興味で読んでいた。
一方でローセがこれまで特捜部Qでパワフルに仕事に向かっていた姿と裏腹に、これほどの深く重い傷を背負っていたとは想像もつかなかった。彼女の猛烈な仕事への取組の裏で時折見せるエキセントリックな行動も説明がつく。唯一の救いはローセの妹たちがローセを心配し愛していること、そして何より特捜部Qの面々がローセのためにこんなに頑張っていること。
何とかローセには復活してもらい、再びあの猛烈な仕事ぶりを見せてもらいたい。
冒頭に書いたようにこの作品の設定は2016年、この作品が日本で出版されたのは2018年1月。それからもう2年近くが経とうとしているが、続編が出るとの話は聞かない。
今作ではカールのトラウマの元凶である「釘打ち事件」については何も出てこない。だがその「釘打ち事件」で大変な重傷を負ったハーディは少しずつ回復の兆しを見せている。これは吉兆なのか、それともカールにとってなにか不都合な真実が明かされる凶兆なのか、ドキドキする。
またアサドの、カールの知らない一面が少しずつ見えてくるのも興味深い。彼は一体何者なのか、なぜデンマークに来て、何をしようとしているのか。
早く続編を読みたいような、怖い結末なら見たくないような。