岩瀬成子のレビュー一覧
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2025年度 読書感想文課題図書 低学年
つうがくろのとちゅうにネコがいた。なんどもいた。あめがふってきたのにそこにいる。かえるところがないのかな。つれてかえって、おかあさんにはこにはいってすてられていたとうそをついた。かってもいいって!おなじころ、てんこうせいがきたんだよ。ひっこしのときにネコがにげたんだって。ぼくはドキリとした。
ネコを飼ったことがなくても主人公に感情移入しながら読める良いお話でした。お母さんにも、転校生にも嘘をついてしまい、どうやらネコは彼の家のネコのようで、うそをついたことと、ネコを手放すこと両方に苦しみます。さあ、彼はどうするのでしょうか。
総ルビ、79ページ。全見開 -
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土曜日だったし、夜中に一気読みしちゃった。
4年生くらいから読めるもので、こういう静かな、内面に深く深く潜り込んでいくような物語は貴重。多くの子が読みたがるような「楽しい」お話ではないけれど、この物語が必要な子はきっといる。
この小学四年生の女の子「貝」と同じように、所在なさに孤独を抱いていたり、言いたいことを飲み込んでばかりの自分が嫌になったり、友達と同じ子を好きになってしまって悩んだりする子はいるだろう。この物語は、そんな子たちに寄り添ってくれるはず。
「ひとりかもしれない」と寂しさを感じながらも、新しい父親や友達との関係をゆっくりと紡いでいく主人公に、そっと勇気をもらえるような作品だ -
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ネタバレ
『そのぬくもりは消えない』
『マルの背中』
どちらも大好きだったけど、
これはまたすごく面白い!!
ちょっと不思議な女の子、不思議な物語なら、
駒子さんの繊細な表紙がすーっとそこに連れていってくれるんですよねぇ。
お兄ちゃんの中学進学に合わせて、市の東側のちいさなマンションから、西側の中古住宅に引っ越してきた朋の家族。ママは新しい家、新しい職場、一人暮らしのおじいちゃんのお世話にとにかく忙しい。
朋はママの勧めで英会話スクールに通うことになる。
いつものように土曜日の午後、英会話スクールに行ってみると、その日は塾はお休みだった。
なあんだ。と、家に帰る前に寄り道をしてみる。
英会話スク -
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ネタバレいきなりタイトルを裏切るけど、僕の猫ではないのです。
連れ帰ってしまった猫への愛情。
実はその猫を探している転校生との友情。
“捨てられていた”と親に嘘をついてしまったことへの罪悪感。
返さないといけない、返したくないの間で生まれる、後ろめたさ。
転校生を拒絶した自分への嫌悪。
友達が探しているのが、どうか違う猫でありますように!という、小さくも強い願い。
まだ低学年であろう主人公の心の中が、色んな気持ちでいっぱいいっぱいになっているのが切ない。いやこれ大人でも心ぐちゃぐちゃになる体験。
でも猫の気持ちを最優先に考えたら、やるべきことは1つだけだったことに、ちゃんと気づく。転校生の家に走 -
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この本、とても良かったです。幼い頃に大切にできる動物に出会えること、その感性が生まれること、備わっていることは、他に代わりきかない幸せだと思います。
見つけて自分の猫にしたポーは、転校してきたクラスメイトの猫のトムかもしれない。
主人公の男の子の心の揺れ動きが伝わってきます。
松成真理子さんのやわらかい絵が物語全体を包み込んでくれます。主人公の男の子にエールを送りつつ、大丈夫だよと語りかけるようでした。
多くの子に読んで欲しい一冊ですし、可能な限りコンパニオンアニマルと接する、生活する経験を沢山の子にさせてあげられるといいなと思います。私も幼少期にそんな経験があったら、きっと性格も人生もも -
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漢字 小学校低学年レベル
フリガナ あり(全ての漢字に)
文字の大きさ 大
長さ 中くらい(79ページ)文字大きめ
出版年 2024年
内容 近所で拾って買い始めた猫が、転校生の森君の「いなくなった」飼い猫ではないかと気づいた主人公が、葛藤しつつも、猫を返すまでの物語。2025年読書感想文コンクール課題図書。
感想 幼い子どもの一人称視点(その比較的狭い視点と、近視眼的なものの考え方)が上手く描かれていて、まるで自分が子どもそのものになったように入り込める。主人公は「ポーの気持ち」を慮って猫を返す。できれば森君の気持ちも慮れるようになれたらよかった、と一読後には思ったが、幼い子どもらしいといえ -
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ネタバレチチとハハは別居した。
チチは生まれ育った王子島に帰って喫茶店を開くことにし、ハハは童話作家の仕事を続けながらも、新聞記者として働き始めた。
となりに住んでいるセンくんは一つ年上の五年生で、毎朝一緒に登校する。学校は行きたくない。たくさん考えて考えて、考えた先に出てきた「わたし、わかんないです」を言うと、先生は困った顔をするしみんなはわかんないちゃんって言う。
装画:酒井駒子
表紙の女の子、主人公中(ナカ)ちゃんの絵の雰囲気からか、このお話を読んでいる間ずっと、ジトっとして薄暗いイメージを持ち続けていました。
お父さんとお母さんが別居するということは、主人公にとってとても大きな事件なはず