岩瀬成子のレビュー一覧
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時々児童書も読んでみるのだけれど、私はもう大人になってしまったんだな、と少しさみしく思うことが多い。でも時々、大人になった今だからシンプルな日本語が響く、宝物みたいと感じる本に出会うことがある。
小学生の、秋ちゃんとモッチ、二人の女の子の話。少しだけ配慮が足らなくて、(小学生だしね)秋のレコードに傷をつけてしまったモッチ。明らかに言い過ぎた秋。(大切なものだったんだもんね)
二人の心のモヤモヤを、小学生が理解できる、やさしい言葉で紡いでいく。大人になると、モヤモヤする、と一言で終わらせて、時間も余裕もないからすぐに次の案件だ。
どちらかというと私はモッチみたいに、言わなきゃ言わな -
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そう、これだよ。
言葉にならない思いとか、今この現実はすべてうそで固められた感じ。
こういうことを深く考えたくなくて、もやもやという言葉で済ませていたり、考えないようにしたりしていた。
岩瀬さんはそういう思いをしっかり表現されているし、その思いとゆっくりでいいからちゃんと向き合い続けることを描いているんだと思った。
そして、中ちゃんと母の会話がすごくいい。お母さんがすべてを包みこんでくれて中ちゃんが安心する。
最後に中ちゃんが自分で決めて一歩進むことができて、本当によい終わりでよかった。
実は途中で挫折しそうだった。課題図書だからというなかば任務で読み進めた。挫折しそうだったのは、ちゃん -
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2025年度 読書感想文課題図書 低学年
つうがくろのとちゅうにネコがいた。なんどもいた。あめがふってきたのにそこにいる。かえるところがないのかな。つれてかえって、おかあさんにはこにはいってすてられていたとうそをついた。かってもいいって!おなじころ、てんこうせいがきたんだよ。ひっこしのときにネコがにげたんだって。ぼくはドキリとした。
ネコを飼ったことがなくても主人公に感情移入しながら読める良いお話でした。お母さんにも、転校生にも嘘をついてしまい、どうやらネコは彼の家のネコのようで、うそをついたことと、ネコを手放すこと両方に苦しみます。さあ、彼はどうするのでしょうか。
総ルビ、79ページ。全見開 -
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土曜日だったし、夜中に一気読みしちゃった。
4年生くらいから読めるもので、こういう静かな、内面に深く深く潜り込んでいくような物語は貴重。多くの子が読みたがるような「楽しい」お話ではないけれど、この物語が必要な子はきっといる。
この小学四年生の女の子「貝」と同じように、所在なさに孤独を抱いていたり、言いたいことを飲み込んでばかりの自分が嫌になったり、友達と同じ子を好きになってしまって悩んだりする子はいるだろう。この物語は、そんな子たちに寄り添ってくれるはず。
「ひとりかもしれない」と寂しさを感じながらも、新しい父親や友達との関係をゆっくりと紡いでいく主人公に、そっと勇気をもらえるような作品だ -
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ネタバレ
『そのぬくもりは消えない』
『マルの背中』
どちらも大好きだったけど、
これはまたすごく面白い!!
ちょっと不思議な女の子、不思議な物語なら、
駒子さんの繊細な表紙がすーっとそこに連れていってくれるんですよねぇ。
お兄ちゃんの中学進学に合わせて、市の東側のちいさなマンションから、西側の中古住宅に引っ越してきた朋の家族。ママは新しい家、新しい職場、一人暮らしのおじいちゃんのお世話にとにかく忙しい。
朋はママの勧めで英会話スクールに通うことになる。
いつものように土曜日の午後、英会話スクールに行ってみると、その日は塾はお休みだった。
なあんだ。と、家に帰る前に寄り道をしてみる。
英会話スク -
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ネタバレいきなりタイトルを裏切るけど、僕の猫ではないのです。
連れ帰ってしまった猫への愛情。
実はその猫を探している転校生との友情。
“捨てられていた”と親に嘘をついてしまったことへの罪悪感。
返さないといけない、返したくないの間で生まれる、後ろめたさ。
転校生を拒絶した自分への嫌悪。
友達が探しているのが、どうか違う猫でありますように!という、小さくも強い願い。
まだ低学年であろう主人公の心の中が、色んな気持ちでいっぱいいっぱいになっているのが切ない。いやこれ大人でも心ぐちゃぐちゃになる体験。
でも猫の気持ちを最優先に考えたら、やるべきことは1つだけだったことに、ちゃんと気づく。転校生の家に走