稲垣栄洋のレビュー一覧
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稲垣さんの本は分かりやすくて面白いので大好きだ。特にちくまプリマー新書の植物とイネと雑草の本は本当に素晴らしかった。中学入試によく出るというのも頷けるなあと思う。
しかし、とても売れている『生き物の死にざま』や『はずれ者が進化をつくる』は、なんだか、喩え芸みたいになってるなあと感じた。喩えは分かりやすくてよいが、あまりに喩えすぎるとげんなりする。
植物は人間とは生き方が違うから、喩えなくてもいい。きちんと説明するだけで十分分かりやすくて面白いのに。
読めない子ども(大人もだけど)が増えているから、より分かりやすく、読みやすく、喩えを使ってと要求され、稲垣さんにはその能力があるためやっちゃってる -
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植物や動物の成功戦略は、ビジネスの成功戦略でもある。太古の昔から今日まで、進化し、生き抜いてきた自然界の生き物に、ビジネスで成功するための秘訣を学ぶ書籍。
自然界では「ナンバー1しか生き残れない」。
すべての生き物は、どこかでナンバー1で、その場所は、それぞれの生き物だけのオンリー1だ。このオンリー1の場所を「ニッチ」と呼ぶ。ニッチはもともと生物学の用語。
1つのニッチには1つの生物種しか棲めず、生物たちはニッチを巡って激しく争う。そのため、ニッチを確保しても永遠にナンバー1でいられるとは限らない。そこで、生物は自分のコアなニッチを軸足に、近い環境や条件でナンバー1になれる場所を探す。この -
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オンリーワンはおのずとナンバーワンになれる。
現存している生物は創意工夫をして生き残っている。出来る限り戦わない。強そうにない生き物が溢れている。時間や場所をずらして生き残る。夜に餌を探すや空に逃げるなど。古い→新しいの進化の中で歪みが生存スペースとなる。持ってる強みを活かす。地面ばかり見ていると空のニッチに気づかない。
結論:自分達の強みを活かしたニッチを見つけ、(視点をズラして余白をみつける)世の中や環境が進化するプロセスや過程にもニッチが存在する。ない市場を見つけ、または作り、弱者でも生き残る術をみつける。世の中が見ている方向と視点をズラすことで見えてくるモノがある。
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試し読み
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ネタバレこれは、私の備忘録として、知らなかった!面白いって思った事を書いたものです。
植物は蒸散(葉っぱの裏から水分を飛ばす)によって、真空を作り出してっぺんまで水を運んでいる
葉っぱの付き方は工夫されている。フィボナッチ数列で最も美しいとされている比率に非常に近い
花占いをするには?
コスモスの花びらは偶数枚→キライから始める
マリーゴールドは13枚で奇数
マーガレットは21枚で奇数
デージーは34枚で偶数(マーガレットに似ているから注意)
花びらの数は栄養や環境によって変化する。
基本奇数枚の花で花占いして、キライとなってしまったら余程脈ナシとなる笑
花びらの数もフィボナッチ数列となってい -
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仏教誌に連載されていた、仏教にまつわる植物の話色々。
曼珠沙華が元は食用として持ち込まれたなど、興味深い話が盛りだくさんだった。
人は古来より植物の特性を知り活用してきた。いつの間に自然は遠いものになってしまったのだろう。
個人的に納得したのが日本人の植物に対する価値観。
教義や体質や嗜好ではなく「動物は可哀想だから」と言う菜食主義者の話には違和感を持っていたのだが、植物にも動物と同じように命があると感じるのは日本人の自然観からくるもの。
そこから植物も食べた人間が成仏すれば、その人間の糧となったものも全部成仏するという考え(植物も成仏する)となったそう。
雑草も活用し、その言葉も「雑草魂」な -
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ネタバレ以下よんで気になったところのメモ・
- 植物は光を得る競争をしている。競争していく中で、他の植物より早く高い位置に葉を広げようとしている
- アサガオは、茎に頼らずつるを伸ばし他の植物を頼りにしながら伸びるので早く伸びることができるようになった
- 「他人に頼れば、苦労せずに早く大きくなれる」 このつる植物の考え方を、さらに進めたのが、寄生植物。
- 寄生植物は他の植物から栄養分を奪うことで生きている
- 植物の成功戦略はC・S・Rという3つの戦略がある
- C戦略は、コンペティティブ(競争型)
- S戦略は、ストレス・トレランス(ストレス耐性型)
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タイトルのまんまの本。雑草の生存戦略についてのザックリとした説明が書かれてる。
どこにでも生えてきてどれだけ対処しても駆逐することのできない雑草は、一見するととても生命力が強いと思われがちだけれど、実は生命力が強いとはいえずむしろ弱いという説明はとても興味深い内容。弱いがゆえに様々な環境でも耐えうる戦略をとっている、中には同じ種なのに環境によって育ち方が大きく変わる戦略をとってるモノもあったりと、植物における生存競争の多様性に驚かされるものだった。
将来科学技術が発達しても雑草との戦いが無くなることはないのだろうなと言うぼやきは雑草を研究してきたからこその実感のこもったものなんだろうと思う。 -
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中学・高校の生物の植物の分野を分かりやすい文章でおさらいしてみましたという感じで、眠れなくなるほどではない。稲垣さんの本としては、はっちゃけたところもユーモアもなくてちょっと肩透かしかな。まあ新しく知ったことも幾つかあった。例えばー
・蒸散の関係で樹木は140メートル以上には成長しない。
・葉のつき方や花びらの数はフィボナッチ数列に従っているのはおなじみだが、花びらの数にはリュカ数列のものもある。
・トリケラトプスは、被子植物がアルカロイドという毒成分を身に着けていく進化スピードについていけなかった。
・クロロフィルとヘモグロビンの分子構造は、真ん中がMgとFeの違いだけ。
・樹木の中心の心材 -
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植物にも、「血液型」がある?!
112〜115ページを見てみると、私は大根・キャベツ型らしい。
「おぅ・・・・・」という返答しかできないこの微妙さ!
100ページには、古事記の記述(本当かどうかは原典にあたるのが原則だが、省略!)によると、「大根のような白い腕」という褒め言葉があったそうな。
大根足も褒め言葉。
大根役者は「当たらない(食中毒にならない)」から、役にあたらない→下手くそ!という説がある。
そんな大根と一緒にされて、喜ばしいことだ。
夕飯は大根の味噌汁にしよう。
植物が持つフィボナッチ数列も面白い。(16〜27頁)
フィボナッチ数列よりはメジャーでない、リュカ数列なるものも。