稲垣栄洋のレビュー一覧

  • 雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略

    Posted by ブクログ

    ゴルフ場に、周囲の芝生の長さによって背の高さを変える雑草がある(同じ種類だけど個性があって、芝刈りに耐える背の高さのものが生き残る)
    セイタカアワダチソウは外来種で、毒を出すことで猛威を振るったけど、その毒で自分がやられて今はそんなに勢いがない

    とかそういう雑学、からの人生訓。

    0
    2020年03月02日
  • 雑草キャラクター図鑑:物言わぬ植物たちの意外な知恵と生態が1コママンガでよくわかる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    個性豊かな雑草たちを擬人化して 名前の由来やエピソードをイラストと共に紹介
    道端で出逢う雑草さんたちのことをもっと好きになる 手元に置いておきたい一冊だなあ

    「雑草」は邪魔者扱いされることも多いけれど
    日本では「雑草魂」「雑草のようにたくましい」など努力をほめたたえる言葉もある

    アメリカの哲学者エマーソンは
    「雑草とはいまだその価値を見出されていない植物」と定義づけた

    邪魔だと思えばただの雑草なのだけど 
    よく見るとかわいい花をつけているではないか
    綺麗な葉をアスファルトから覗かせているではないか

    でも綺麗だからといって鉢に植え替えても種をまいても簡単には育たない
    雑草たちは死滅しない

    0
    2019年10月01日
  • 面白くて眠れなくなる植物学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    植物学の本。
    眠れなくなるほどではないが、植物学としておもしろい

    メモ
    ・紅葉なぜするか。秋冬になり気温が下がり、光が減ると、葉っぱが生産工場からお荷物になる。葉っぱと本体が離層という現象がおきる。それ以降も葉っぱが光合成して、葉っぱに糖が溜まる。やがて動画アントシアニンに変化して紅葉する。並行して緑のクロロフィルが分解されることも相まって。
    ・アントシアニンの効果。赤色色素。紫外線を吸収して細胞守る。水分不足や寒さから身を守る。抗酸化機能で病原菌から身を守る。

    0
    2019年08月15日
  • 面白くて眠れなくなる植物学

    Posted by ブクログ

    うさぎの増え方はフィナボッチ数列に従うとか、豆知識として面白い本。さっぱりしたいと雑草を刈り取るやいなや、土のなかに眠っていたまだ発芽していない雑草の種が「ほら、日射しがよくなった、チャンスだ!」といっせいに発芽して、以前よりまして雑草が生えてきて酷くなるという解説は苦笑してしまった。

    0
    2019年06月04日
  • 敗者の生命史38億年

    Posted by ブクログ

    生物学の本とは、また違ったアプローチ。
    生命史。五回の絶滅で、生き残ったのは目立たず影に隠れていた、言わば敗者だった。でも敗者は、かつての勝者が居なくなると勝者を目指して進化と多様性でニッチをすぐに埋め合わせる。生物学のニッチを取り合う行為は、仮にそれが敗走でもニッチになるというわけで、絶滅しなければ勝ちなのだ。
    人間が進化の頂点云々の記述が否定なしにされるところと、「しかし、である。」がすごい出てくるところと、諸説あるであろう部分が断言口調なのが、やはり生物学・進化学の本では味わえない部分だったかなと。

    0
    2019年06月03日
  • 雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて購入。こういうシンプルな問いを立てることができるようになりたい。雑草の生存戦略はスタートアップのそれにとても良く似ている。まさにニッチな分野で独自の強みを発揮し、チャンスにあってはスピード感もって展開し、不利な状況では目を出さずじっと時を待つ。巻末に載っていた井上ひさしさんの言葉「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く、面白いことを真面目に、真面目なことを愉快に、愉快なことはあくまでも愉快に」を知れてよかった。

    0
    2019年05月27日
  • 植物はなぜ動かないのか ──弱くて強い植物のはなし

    Posted by ブクログ

    昔、小学校で学んだ様な内容を、分かりやすく深掘りしている内容。中学生でも十分読んで理解できる内容だから、生物学なんかつまらん!
    という学生こそ読んでみるべき内容なのかも。


    一言で強いと言っても個体としての強さだけでなく、種としての強さも強さの一つなんだな、と改めて考えさせられたりした。

    0
    2018年11月26日
  • 怖くて眠れなくなる植物学

    Posted by ブクログ

    私の疑問。
    どの本を読んでも、そしてこの本でも「ヒガンバナは球根で増えますが、球根は遠くまで移動することができません。ということは、墓場に咲いているヒガンバナは誰かが植えたものなのです」的なことが書いてあるが、我が家の庭にはヒガンバナを植えてないのに、数年前から勝手に生えてきて、そしてすごい勢いで増えてきている。定説に誤りあり、と思う。「球根プラス何かの手段でヒガンバナは増える」、ということを訴えたい。

    その他・・・、本からのまとめ
    植物のモジュール構造(基本単位の繰り返し構造)

    トウモロコシの起源は謎らしい。

    人類が働かなければならない理由 「非脱粒性」
    植物が文明を狩猟社会から農耕社

    0
    2017年08月20日
  • オスとメスはどちらが得か?

    Posted by ブクログ

    オスとメスの違いをテーマに「生命」を考察する作品。

    生物の中にはメスの方が体が大きい場合と、オスの方が体が大きい場合の両方が存在する。メスの方が大きい生物は、女王アリのようにより多くの配偶子を生産することに特化しており、オスの方が大きい生物は、ゴリラのように家族や群れを守りやすいように進化した結果なのだ。

    ハーレムを形成する動物の中では、オス同士の戦いに敗れ一生メスと交われずに死んでしまうオスもいるらしい。そんなオス同士は一箇所に集まって「悲しみの丘」と呼ばれる群れを作る、そしてハーレムのボスになったオスも、肉体的にハードなため短命の場合が多いそうだ。

    結局のところ、子孫を残すためにはオ

    0
    2017年08月16日
  • 面白くて眠れなくなる植物学

    Posted by ブクログ

    植物に関する色々な雑学を専門的な角度から、ただし、極めて易しく分かりやすく紹介している本。知っていることもあったが、木はどこまで大きくなれて、その理由は?など、勉強になる話も多かった。時々、専門的な解説を避けんとするあまり、専門用語が中途半端に解説されないまま使われて、それって結局どういうこと?っていうのがわからず、不満が残る話もちょっとあったが、タイトルに偽りはない程度でよしとしときましょう。

    0
    2017年08月09日
  • 怖くて眠れなくなる植物学

    Posted by ブクログ

    <目次>
    第1章  植物という不気味な生き物
    第2章  奇妙な植物
    第3章  毒のある植物たち
    第4章  恐ろしき植物の惑星

    <内容>
    『面白くて眠れなくなる植物学』の第2弾らしい(第1弾を読んでない

    0
    2017年07月27日
  • なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係

    Posted by ブクログ

    稲垣氏は仏教の言葉も次々と出てきて、とても博学だな、と感じました。専門の植物学に比べると掘り下げ方が今ひとつですが、エッセイとして楽しく読ませて頂きました。

    ・ハスは約1億年前、白亜紀に地球に出現。恐竜が闊歩していた時代。化石として発見されている。花びらが多いという古代植物の特徴が見られ、おしべとめしべがやたら多くごちゃごちゃしている。
    ・哺乳動物は辛いトウガラシを食べられない。鳥はカプサイシンを感じる受容体がないため、食べられ、遠くにタネを運ぶ。
    ・もともとは仏教で肉食が禁じられていたにもかかわらず、現在、中国や韓国の料理に肉を使うのは、蒙古支配の影響。
    ・仏教伝来以降、日本で肉食が解禁さ

    0
    2017年06月07日
  • 徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか―家康のあっぱれな植物知識

    Posted by ブクログ

    戦国武将から江戸時代あたりまでの歴史上の故事を、身近な様々な植物をネタに解説している。一つ一つの話は短くまとまっているので、読みやすい。

    0
    2017年04月28日
  • なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係

    Posted by ブクログ

    稲垣栄洋著「なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか-仏教と植物の切っても切れない66の関係-」を読む。
    植物たちは緩やかに連関しながら、それぞれが環境に対して自己最適化をすることで種として生存してきました。その生態の豊かさは驚くべきもので、植物学の深遠さはまったく底がしれません。やっぱりこの世に「雑草」はありません。
    p.173
    「弘法大師の言葉に「医王の目には途に触れてみな薬なり」とあります。優れた医者は道ばたの雑草も薬草に見えるというのです。
    アメリカの思想家エマーソンは、雑草を「未だその価値を見出されていない植物」と評しました。
    こんな小さな雑草にさまざまな価値を見出した昔の人の観察眼に

    0
    2016年11月02日
  • 徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか―家康のあっぱれな植物知識

    Posted by ブクログ

    エゴマは縄文時代に日本に伝えられたとされ、食用油や灯油として用いられたが、17世紀初めにナタネの栽培が普及するとともに地位を失った。
    サツマイモは、青木昆陽が救荒食として吉宗に上申し、貧困にあえいでいた農民を救った。関東ローム層に覆われたやせた武蔵野台地に栽培された。
    戦国時代に山城が造られ、堀や土塁などの土木技術が発達したことによって、山間部には棚田がつくられるようになった。
    中国から来たものを諸越と呼んでいた。ソルガムも「もろこし」と呼ばれていたが、16世紀にポルトガルから伝えられたものがトウモロコシと呼ばれるようになった。
    キュウリ(胡瓜)は、胡から伝えられたウリの意で、インド北部のヒマ

    0
    2018年10月31日
  • なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係

    Posted by ブクログ

    「ナーム」という仏教誌に、7年近く連載してきた植物にまつわるエッセイを母体とする本。
    だから仏教がらみの話題なのね。

    第一章「仏教と縁の深い植物の謎」から第三章「心に染みる仏教と植物の話」のあたりは、他の稲垣さんのエッセイと同じテイスト。
    具体的な植物を取り上げ、その生態などを解説していく。
    マンジュシャゲなど、他の本で取り上げたものもある。

    第四章「仏教が理想とする植物の生き方」は、これまでとは少し趣が違う気がする。
    仏教や日本人の生命観などにかなり踏み込んでいく。
    植物が、むしろ命が短くなる方向で進化してきたという指摘が面白かった。
    仏教では意識のない植物は食べても殺生に当たらないと説

    0
    2016年08月20日
  • 面白くて眠れなくなる植物学

    Posted by ブクログ

    ○植物学という実は奥深い世界にライトに誘ってくれる
    有川浩さん原作の映画「植物図鑑」が公開されました。植物図鑑自体は雑草という普段うざったいけど実態をつかめないものを小説の中で詳説している点では画期的だが、この「面白くて眠れなくなる植物学」は雑草という概念だけでないすべての植物についてわかりやすく解説してくれる。

    わたしの気になったトピックを2つほど。
    「植物のダヴィンチコード」
    ダンブラウン原作の映画『ダヴィンチコード』の中で地下金庫を開ける暗証番号として数列が出てくるが、それは「フィボナッチ数列」の考え方がわかれば解けるのであるが、植物の世界でも、葉っぱの付き方の規則性がこのフィボナッチ

    0
    2016年07月03日
  • 弱者の戦略

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    クリシンでクラスメイトだった石田さんからの紹介。

    言われるまで気が付かなかったが,生き残っている弱者にはそれなりの理由がある。最後まで戦い続ける肉食猛獣に対して,徹底的に戦うことを避けるハトなど。生き残る上で賢いのはどちらだろうか?

    肉食動物が絶滅する間に,草食動物が繁栄しているという事実もある。それぞれが独自の特徴を生かして,オンリーワン戦略で生き残っているのだ。

    自分の生き残れるニッチスペースを見つけなければならない。強者に立ち向かうためにはガチンコで当たっても勝ち目はないので,独自の戦略が必要となる。戦力を一部に集中するなど,自分の生き残れるポイントを探って経営資源を集約するべきで

    0
    2016年07月01日
  • たたかう植物 ──仁義なき生存戦略

    Posted by ブクログ

    筆者は雑草生態学を専攻する農学博士で、「仁義なき生存戦略」という副題のとおり、我々の身近にある植物たちの生き延びるための壮絶な戦いの系譜がまとめられている。戦いは第7ラウンドまであり、第1ラウンドから順に、植物VS植物、植物VS環境、植物VS病原菌、植物VS昆虫、植物VS動物、植物VS人間という構成になっている。自ら動くことのできない植物たちが編み出した驚異的な防衛戦略の数々に感心させられる。かなりシニカルなタッチの後書きは、筆者の地球環境についての思いが色濃く込められているので、これは必読。

    0
    2016年02月07日
  • たたかう植物 ──仁義なき生存戦略

    Posted by ブクログ

    強い植物が侵入してこないような条件の悪い場所こそが雑草の棲み処。除草されたり踏まれたりする逆境こそが雑草の生存のために必要な場となる。雑草は毟られても地面の下には無数の種を準備している。一般に植物の種子は土の中にあるので、光があると芽を出さない。ところが、雑草の種子は逆で光が当たると芽を出すようになっている。即ち除草により種子に光が当たるということは、人間が草を毟って周囲に植物がなくなったことを示す合図。雑草の種子はこれをチャンスと捉え我先に芽を出し光を独占するのである。雑草にとって逆境は耐えることでも、克服すべきものでもない。寧ろ順境。逆境を順境として活かしきっている。光を奪い合い水を奪い合

    0
    2015年12月02日