あらすじ
仕事や人生の成功法則は「雑草」が教えてくれる!
本書は、雑草生態学が専門の植物学者による、ビジネスや人生にも役立つ雑草の生き方、生存戦略について紹介する一冊です。
オオバコ、カタバミ、スズメノテッポウなど、さまざまな雑草の生き残り策を、「ランチェスター戦略」「ブルーオーシャン戦略」「ドミナント戦略」などのビジネス戦略と絡めて解説します。
雑草は、踏まれやすい道端や、いつ草刈りされるかわからない空き地など、過酷な場所をあえて選んで生えています。
このような場所の特徴は、「予測不能な激しい変化」が起こること。こうした環境に適応する雑草の生き方は、日々激変する世の中で生きる現代人にとっても参考になる点が多々あるはずです。
「雑草魂」という言葉があるように、日本人は雑草に対して生きる力を見出してきました。
そんな日本人だからこそ腑に落ちる、雑草のしたたかな戦略を紹介します!
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Posted by ブクログ
雑草の生存戦略は、ニッチかつ多様性のオプションを持つこと。木から雑草へのイノベーション、「踏まれても踏まれても立ち上がる」ではなく、わざわざ立ち上がるコストをかけずに、倒れたまま種子を残していく方策を考えて進化するという話に感銘を受けた。
グラスルーツ=草の根 と呼ばれる市民活動がどのようにして資本力や権力のある大企業や行政と闘っていくか。植物の、同じ土俵には"乗らない"したたかさから学びたい。
Posted by ブクログ
VUCA時代、予測不能な激しい変化が起こる場所で生き延びてきた雑草の戦略が役に立たないはずがない!
変化が少ない場所では木が強い
変化が大きい場所で強く生きてきたのが雑草
●雑草の戦略要素
・Competitive 競合型戦略
・Ruderal 乱発適応型
・Stress tolerance ストレス耐性型
●例えば、踏まれるスペシャリスト、オオバコ
・柔らかくしなやかで踏まれても折れない
・種子にネバネバ成分があり、靴の裏に着いて分布を広げる
・逆に踏まれないと成功しない状態、逆境を機会に変えたいい例
●例えば草刈りに耐えるススキやエノコログサ
・狩られないよう低い位置に穂を作り種子を実らす
・ゴルフ場では、ラフ、フェアウェイ、グリーンでは、違う高さに成長する種に進化している。
●例えば抜かれるスペシャリスト、カタバミ
・シードバンクを持っており、抜かれる等の刺激で種を蒔く
・シーズの語源はこれ。光を浴びたら種を広げる
●日本人にとっての雑草
・日本人は雑草をいい意味で使ってきた。
雑草魂
五大紋の一つ、カタバミ紋は戦国武将が好んで使ってた
天災の多い日本は変化を乗り越えることが強い
小よく大を制する
夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡、松尾芭蕉
・西洋では悪い草=雑草=weed
いい草はハーブ
・日本こそが雑草に戦略を学ぶことのできる国
●変えることと変えないこと
・雑草は変化に対して変えていくが変えないこと=コアコンピタンスを持っている
・それは、種子を残すということ
●変化を生き抜く条件
①弱さを見つめ、強みに集中する
②シンプルにすることで新たな価値を生み出す
③できるだけ戦わない。変化によって生み出される新しい環境を整える
④戦う場所を絞り込む。オプションは絞込まない。
⑤安易な価値付けをせず、多様であることに価値を置く
Posted by ブクログ
西洋のキリスト教世界観では、世界は神が創り上げたもので秩序が存在するはずとされ、区別し、比較し、理解することで科学が発展してきた。対して日本はあいまいで白黒はっきりさせないステレオタイプが根強い。真偽はさておき、この性質の違いを自然環境の違いで説明できるなら非常に面白い。欧州は冷涼で乾燥していて自然(植物や動物)を区別しやすかった。それに対して高温多湿の日本では数々の雑草含め多様で複雑な生態系のため、単純に分類するのは難しい。英語では悪い草(雑草も麻薬も)をウィードといい、良い草はハーブと呼ぶ。雑草という言葉には悪い語彙は含まれていないし、むしろ雑草魂といった言葉や、雑草を家紋にする武将もいたほどで、西洋と東洋の考え方の違いは興味深い。ちなみにフランス語でも雑草は2語で「悪い草」と表現するのでより直接的だ。
本題である雑草の戦略については周知の内容かと思う。環境変化が激しく撹乱される場所で弱い雑草は特別なニッチを獲得した。予測不能な時代をどう生き抜くか、会社や国家が雑草から学べることはあるか。まずはブレないビジョンが必要で、これは雑草も社会も共通して「生き残り」の一言に尽きる。しかし会社が資源を投入していることが果たして生き残りに繋がっているか単純に考えた場合、否であることも現実多く、実にムダだらけなのが現状。雑草が繁栄している理由としては性質形成がとてもフレキシブルで、シードを安価に大量にストックしている点だと思う。これをやれる企業となると限られてくるのではないか。トヨタみたいに全方位的に展開できる規模があれはできるかもしれないが…結局は変化が激しい時代なので、素早く適応できるような組織が望まれる結論になるかと思うが、そうなると民主主義は意思決定が遅い欠点があるし…かたや多様性という利点もあるし、最終的にはバランス次第ということで雑草から具体的に学ぶことも難しい気がしてくる。
地球史上最初に上陸した植物はコケやシダ類で、その後に巨大な樹木が森林を形成して大型動物(恐竜)が登場した。その後超大陸は分裂し、地上の特性は変わり、変化の頻度も増えた。被子植物が出現し、胚珠を成熟した状態で準備しておき、すぐに受精できる体制を整えたことで世代交代がスピードアップした。これにより進化はさらに加速し、裸子植物は高緯度の寒冷地に追いやられる。今度は樹木から草が進化した。最も進化した植物が雑草にも多いイネ科植物とされる。火山噴火で形成された新しい不毛な地面では先ず最初にコケ、シダ類が生える。土壌に栄養が増えてくると草が生えてくる、そして最終的に最も強い巨大な樹木が森林を形成する。森林があるということはその環境が長年安定していると言えるし、色んな雑草が生えているということは、(人による手も含めて)環境が撹乱されている環境だ、とも言える
Posted by ブクログ
以下読んで学びになったことのメモ
### 1. 雑草という戦略
- 少よく大を制す
- 大きいのがいい時代から小さく変化に柔軟に対応できる雑草のほうが津小美時代になってきた
- 自分の得意なところで勝負する
- ナンバー1になれるオンリー1の場所で勝負
- 弱者の戦略
- 弱者が勝つには、「選択と集中」が大事
- 平場は強者が強い。環境、条件が悪いほど弱者にチャンスが生まれる
### 2. 雑草の成功法則
- 逆境をチャンスに変える
- 平場は強者が強い。環境、条件が悪いほど弱者にチャンスが生まれる
- 多様性
- 正解のない場合はいろいろな多様性を受けいれたほうが生存確率は上がる
- 戦う場所は選ぶ。武器は絞らない
- ドミナント戦略
- 同じ地域に同じようなお店を集中させる
- そこにいけば適当なお店に行っても手に入る、みたいな戦略
- コスモポリタン戦略
- スペシャリストではなく、ジェネラリストとなることで変化に強い人材になる
- ロゼット戦略
- みなが好まないストレスのある環境であえて勝負する戦略
- パラサイト戦略
- 自分で稼がず相手に養ってもらう戦略
- つる戦略
- アサガオのようにつるを立てる力は使わず茎に巻いてもらうように行きていく。その代わり成長速度だけは早い
Posted by ブクログ
著書が一番書きたかった本なんじゃないか。
雑草は、次代につなぐという目的をぶらさない。
目的にそうなら、何でもする。
目的にそわないなら、やらない。
一方で、本を書きすぎるのも考えものかも。
他の本とほとんど同じ内容になってしまう。
これを避けるには、継続的に新しいことを
学び続けるしかないな、と。