三川みりのレビュー一覧
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人間王との盟約を果たすため、最初の砂糖林檎の木へ赴くシャル、アンはそこで最初の銀砂糖を手に入れるため、シャルとともに秘密裏に旅立った。
その場所には、かつてアンの命を奪おうとしたラファルとエリルもいるであろうことは想像に易く、アンは不安と恐怖を感じることを禁じ得ない。
17歳の少女が背負うにはあまりに大きく重い人々の祈りと妖精たちの希望。
どんだけアン一人に背負わすんだ。
と言いつつも、ここへ赴くことは運命だった。
三千年を優に超す長命の砂糖林檎筆頭妖精。筆頭といいつつ、もはやその存在は砂糖林檎の木そのものであると言えそうだ。
そこで、母エマの秘密も知ることになるのは、やはり運命だったと言えるだろう。
筆頭妖精との賭けには負けたものの、最初の銀砂糖の精製を許されたアン。
人間に深い恨みを持ち続け、人間との戦いこそが自由だと妄信するラファルと、そんなラファルに何かしらの違和感を持ちつつも慕わしく追従するエリル。
妖精を見下げ、人間の世界に最大限に益することだけに心を砕くコレット宰相の手先が迫りくることに気づいたシャルが駆け戻る。
シャルは果たして、銀砂糖を手に入れたアンを守ることができるのか。
次巻へ続く!!!なのだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなんと言う所で終わるのだ!!
今すぐ次の巻をもってこーーい!となる。
今回の主役は2巻でめっちゃ悪いヤツかと思ってたら凄い芯の通ったイケメンだと最後に判明した有間。
彼の国盗り合戦の火蓋が落とされるのだけど…
辛いな。
彼も国をただ豊かに出来ればいいと言う思いの奥底には、自分や母達を穴の奥底に落として地獄よりも酷い現実を経験させた父を憎しみ苦しませて殺してやりたいと言う深い怨念がどうしてもついて纏ってしまう。
どんなに強い信念を持っていても、自分は鬼の様な化け物なのだと心の底で冷めた思いで思ってしまう。
そんな中最後の決戦を前にして、どこまでもただの人であると認識している皇尊の日織にどうか護ってくれと願わずには居られない有間。
なんか色々たまらなかった…
どうか有間の周りの人たちも含め幸せになって欲しい。 -
ネタバレ 購入済み
あぁ、終わってしまった‼︎
今更ながら、すみません。合本で初めて読みました。10年以上前の作品なんですね。余りにも長編大作なので、最後まで飽きずに完読できるか自信がなかったのです。読んでいくと直ぐに取り越し苦労だと分かりました。すっかりシュガーアップルの世界にハマったのですから。
アンやシャル、ミスリル・リッド・ポッド他、登場人物は多数なのに、見事に個性を巧みに描き分けてあり、作者の愛情がこもってました。悪役さえも、最後には救いがあったのには天晴れです。
キャラクターが人間臭くて魅力的なのはもちろん、ストーリーもこれだけ長いと中弛みがあるかなと思いきや、常に安まることなく飽きさせません。いつまで読んでいたかったです。
けれども、事件後の後味良く、物語の締めもきっと我々読者が長らく望んでいた未来が見れてとても嬉しいものがありました。作者さま、大変ご馳走様でした。願わくば、マンガで最後まで読みたかったです。
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ネタバレ存在を観葉に認めると口にしながらも、自分たちとはけして交わらないように徹底的に区別したいのだ。彼にとって彼女たちが、忌まわしいから。自分とは別の存在としたいのだ。
生まれ持った特性だけのために受ける理不尽について、考えさせられた。その「区別」になんの正当性があるのか。区別される側の身になって考えるという想像力の欠如。
幸いなことに、自分はそんな区別をされた経験はないと思っているけど、知らず知らずのうちに、そんな区別をしていないか…ということを考えさせられた。
話はとてもおもしろく、どんどん読み進められたけど、名前の読み方が途中でわからなくなる…。
2巻も読むのが楽しみ。 -
Posted by ブクログ
胸が熱くなる。期待に違わぬおもしろさでした。
降りかかる困難を前に、どう立ち向かっていくか。
時には謀りごとも必要であろうに、目的のために手段を選ばないことが本当によいことなのか迷い悩む。
前例のないことに挑むとき、
誰かを信じるとき、絶対という確証がない中で選択するそれは震える程怖いし、ましてその選択に命が係っているならなおのこと。
それでも大切にしたいもの、譲れないものを真正面から見つめて進んでいくその強さと潔さに心底惚れ込んでしまいました。
目に見えない「信頼」という、揺るぎないようでいて朧げなものをどこまで信じ切れるか、というのは、ひとえに相手の人となりによるものだけでなく、自分の信じたいという願いがなくしてはならないものだと思います。
あまり書いてネタバレになってもいけないけれど、本当に楽しい読書時間でした。ついつい一気読み。 -
Posted by ブクログ
神の眷属、龍が住まう龍ノ原。
そこで皇族の女性は生まれながらに龍の声を聴く。
その能力を持たぬものは異端とされ、排除される。
その運命に抗う者の、命を賭した物語。
ものすごくおもしろくて、一気に読んでしまいました。
中華風な、古来日本風な、それでいて幻想的な世界観も素敵だし、登場人物の見た目も、人柄も最高にいい。
皇位を狙う中で出されたお題、想定外の出来事に翻弄されつつ、根底にあるマイノリティに対する差別の是非を問う眼差しにはっとさせられたのです。
生まれながらに多数派でない者は、差別され、区別されても仕方がないのか。蹂躙され、排除されても、構わないのか。
そんなはず、ない。けれど、これはそれが当たり前とされる世界。人類の歴史が脳裏を掠めます。
異世界の物語でありながら、普遍的な題材を内包していることで、言葉が心に刺さるのです。
令和の新ファンタジーシリーズ、読めてよかった。大好き。 -
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表紙の美女は……
人は皆、見たいものを見、信じたいものを信じる。
そんな言葉が読後に浮かびました。
目の前にある事実すら、己の信じているものと乖離していれば信じることは難しい。
力技でなく信頼をもって龍と縁を結び、名実ともに皇尊となり令を廃した日織。大願成就である。
悠花の問題はまだ解決していないものの、悠花自身が未来の話として、日織に策を授ける。
明るい未来を予感させて、この物語はひとまずの大団円。
終わり方としては、すごくいい。
反面、わたしたちはここで日織や悠花とお別れなのか、と切なくもあり。
周辺国とのあれやこれやといった、続きがあるのかしら。
いや、でもそうするとまた日織が痛い目に遭っちゃうのかなぁとか、悠花の器の大きいところをもっと見たい、とか、ぐるぐるしています。