三川みりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレシュガーアップルフェアリーテイル、「銀砂糖妖精編」スタートということで。
面白かった…。相変わらず、綺麗な世界だった。
ペイジ工房を旅立ち、キースと共に新工房を立ち上げんとしていたアン。
そこに銀砂糖子爵・ヒューからの招集命令がかかる。
一流の砂糖菓子職人たちに混じり、王城へと向かうアンとシャル。(ミスリルはお留守番)
そこで待ちうけていたものは、儚げな美しさを持つ、銀砂糖妖精、最後の生き残りだった――。
互いを思うあまり、アンはキースと、シャルはルルと――人間同士、妖精同士で生きることを望む二人。
アンもシャルも不器用で、それでも精一杯お互いを思い合っているだけに、今回も歯がゆい思いをさせられました(笑)
そしてキースの自覚。「アンは女の子だったんだ」Σ(゜Д゜)/おおおーい!!
いや、でもアンを腕のいい職人としてしか認識していなかったあたり、またキースらしくて好きですが…。
一巻から比べると、アンは本当に恋する乙女になっていて、作中にちりばめられた小さな想いに、胸がきゅんとさせられます。
いっそ正直になってしまえば…と思いつつも、ミスリルが側にいるうちは…うん、無理かな…(笑)
何にせよ、女性としても職人としても確実に成長しているアンの今後が楽しみです。
ジョナスは元気にしているだろうか…( ̄_ ̄ )遠い目。 -
Posted by ブクログ
片羽を返したアンに、シャルがどれだけ心動かされたかが解る巻。
ラファルには妖精であるラファル自身を尊重してくれる人間は居らず、使役された事実が妖精王たる自尊心を傷付けた。
人間も妖精も、ラファルにとって分かち合える存在ではないのが悲しい。
最後の、あの高さから落ちて生きている筈がない→再登場フラグだと思っています(笑)
ペイジ工房はひとまず安泰そうですね。
将来を見つめ直したジョナス、自分を自覚し動こうとするブリジット。本音を吐露するエリオットに、右目を失ったオーランド…今回はキャラの転機の巻という感じでした。
相手を思うが故に本心を隠すアンとシャル。
キースの提案に、新たな可能性を見出だした所で終わりです。
三川さんは、毎回引きが上手いなぁ。 -
Posted by ブクログ
“「どうして泣くの?お嬢さん。悲しいの?」
指摘されて気がついた。頬に涙がこぼれていた。
「怒ってるの!あんな綺麗な羽を、誰にも渡す必要なんかないのに。王様にだって、あんな綺麗なもの奪う権利はない。なんで渡しちゃったの!?」
「綺麗......?」
ルスルは生まれてはじめて聞いた言葉のように、それを繰り返した。そしてさらに困惑した表情になる。
「わたしのために泣いてるの?」
戦士妖精たちも、泣き出したアンを不思議そうに見ている。彼女がなぜ怒り、なぜ同時に泣いているのか、理解できないらしい。
その時そっと背後から、アンの両肩に手が置かれた。振り向くと、シャルだった。
黒い上衣とズボンを身につけているが、いつも着ているものと同じではない。ラファルが準備したものなのか、彼の服と似た、ビーズをあしらった優雅な衣装だ。髪が濡れていた。髪の先に滴が玉になって光っている。水を浴びたらしく、指先がいつもよりさらに冷たい。
「あなたは、あの親切な方?あなたもここにいらしたの?」
ルスルがシャルを見て、さらに驚いた顔をする。
「誰もこいつが怒る理由がわからないか?」
静かにシャルが問うと、戦士妖精たちは眉根を寄せる。顔を見合せる者たちもいる。
「ルスル・エル・ミン。おまえもわからないか?」
「......あまり」
シャルは軽くため息をついてアンの肩を抱き、歩くように促した。
「待って、そのお嬢さんが怒る理由を教えてくれないの?」
ルスルが声をかけると、シャルは淡々と告げた。
「こいつは俺に、羽を返した。ラファルは、俺から羽を奪った。その意味を考えろ」”
ラファルはまた出てきそうだなぁ。
もう一つの宝石も持ってるとか言ってたし。
二人の回り道にじれったい。
ジョナスの堕ちっぷりには驚いたけど活躍する彼は良いなあ。
ブリジットの件もとても良かった。
オーランドとくっついちゃえー。
そしてキースの言葉の衝撃。
アンは一カ所に留まるような人じゃなさそうだけど。
“「わたしはブリジットと工房のために、二人の婚約が最良の道だと考えた。二人とも受け入れてくれたから、心配ないと思った。だが、そうではないらしい。わたしはブリジットにいわせれば、娘を甘やかしすぎていたらしい。そのうえ娘の将来が不安で、親の決めた道を歩かせようとするのは、親自身が安心したいだけの親のエゴだと言われた。だだをこねるのじゃなく、ブリジットがこれほどはっきりと落ち着いて自分の考えを言ったのは、はじめてだった」
グレンの言葉に、ブリジットが唇をとがらせた。
「はじめてなんてことないわ。ただ、あまり言わなかっただけよ」
目を白黒させていたエリオットは、ようやく考えがまとまったらしくブリジットに向き直った。
「でもブリジット。いいの?俺がペイジ姓を継いで長になったら、居づらくならない?特に俺が結婚なんかしたら、ブリジットは血のつながらない小姑になるわけだし」
「居づらいわよ、絶対。決まってるじゃない」
ぷいと顔を背け、ブリジットはまた窓の外を見る。
「でも、エリオットと結婚するよりいい。居づらくなったら、わたしが自分で住み心地がいい場所を探すし、なんとかする」
「ひどいねぇ、俺と結婚するのそんなに嫌なんだ」
「そんなに嫌だったら、婚約しない。エリオットのことはとてもすごい職人だって、尊敬してる。好きよ。好きだけど、結婚したいとは思わないだけ。エリオットも、そうでしょう?」
問われて、エリオットはふっと笑った。いつものふざけた笑いでなく、自然な笑みだった。
「そうだねぇ。熱烈に結婚したいほどじゃないけど、好きだよ。綺麗な髪の毛も、可愛い顔も、ドレスも。女の子らしく、わがままいっぱいな漢字も、ちょっと面白くて好きだよ」
二人はしばらく見つめ合った後に、苦笑した。”