三川みりのレビュー一覧
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龍の棲まう地、龍ノ原。
そこに住む人々のうち、皇の一族に連なる女性は龍の声を聞くことができる特性を持つ。
声を聞くことができない女性は遊子(ゆうし)と呼ばれる。翻って男性で声を聞く者は禍皇子(まがつみこ)として、いずれも闇に葬られる定め。
生まれ持った特性で命を決められることの理不尽を打ち砕くため、
日織皇子は重大な秘密を抱えて、皇位を目指す。
遊子や禍皇子は現代の差別の比喩だと強く感じる。
遊子への不津王の態度や考え方と同じような人は、悲しいかな現代日本に少なからず存在するであろうことは想像に易くて。
なにが寛容な態度だ。傲慢以外の何物でもないじゃないか。
不津王に対して、ふんぬ〜!と鼻息が荒くなる。
人死にも出るサスペンス色もありつつ、日織の秘密が暴かれちゃうの?!とドキドキするファンタジー。
安倍智里さんの八咫烏シリーズにも通じるところがあるかも。
続きも楽しみなシリーズです! -
Posted by ブクログ
海に囲まれた央大地は、一原八州からなり、その中心の龍が住む一原の龍の原の物語。皇尊が亡くなり、次の座を狙う日織には秘密があった。皇族の女子は龍の声を聞くことができ、聞けない女子は遊子と呼ばれ忌む存在であり、隔離され適齢になれば他国に嫁に出される。が、その実は殺されるのであった。日織の姉も遊子として殺された。日織も遊子であったが、男として偽り皇子となったのだ。逆に、男で龍の声を聞けるものは、禍皇子として忌む存在でもある。
遊子を家に隠しているのを見つけ出して脅迫し、関係を迫る卑怯な者も出てくる。この物語は、人間の勝手な決めつけで差別される者たちを描く優れた物語なのだ。現実の差別の比喩としての遊子や禍皇子なのだと思う。
次の皇尊が決まるまで龍の原に雨が降り続き、81日で水の中に沈んでしまう。候補は3人。皇尊になるためには、特別な箱に入れる龍鱗を見つけなければならない。いろいろな事件が起こって、物語はますます緊迫感を増していく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ無事皇尊の位に日織が着いたはいいけど、そこからまた遊子の法を排するための道がとにかく前途多難すぎる…
これ大丈夫?
そうそうに失脚してしまうのでは…
と言う焦りに加えてまさかの龍を呼ぶ儀式の失敗に他の国が無茶難題を押し付けてきたり悠花が龍に攫われたりと…色々大変な事態に陥るけど、最後がとても綺麗に全ての事態がうまく治まって終わった。
終わったけど、これってもう終わりなのかな!?
もっと読んでいたいし、いいキャラも出てきたのにこれで終わりなんてなんだか勿体ない気もする…
けど、綺麗に事が治まって終わったからこれはこれでいいのかな…完結とは何も書いてなかったから続編が出るならそれを期待はしたい。 -
購入済み
愛しいキャラクターたち
砂糖菓子という、いかにも少女趣味なモチーフがこっ恥ずかしいおとぎ話でしたが(笑)、人間と妖精の種族を超えた愛や信頼、自分の仕事や生き方への誇りなど、読み応えのあるモノがぎっしり詰め込まれていて良かったです!
キャラクターが、一人一人とても魅力的!
主人公のアンやシャルも勿論良いけど、個人的にやたら好きなのがミスリル・リッド・ポッドとキースかな。
自らを妖精王と勘違いしたミスリルが、「国民のために働くぞ!」と生き生き手伝いをするのを見たアンが「ミスリル・リッド・ポッドみたいな妖精王で、いいじゃない」と思うモノローグ(?)に、激しく同意。
また、キースはどこまでも本当に真摯。アンがシャルを選んだことを知ったキースが、「君(シャル)を嫌いになれたら良かったのかもしれないけど…」とシャルに語り、シャルが「こんな清廉な人間がいるのか」と驚愕するシーン。こちらも共感しました。
ベンジャミンとかエリオットとかも良いな。ダウニング伯も好きになった。
17冊合本版で買ってしまったので、一度読み始まると丸2日、他に何もやる気がなくなるのが玉に瑕だったわ~(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ転生ものにはつきものの前世の縁を何処まで引きずるか問題。
特に今回は主人公側はしっかり覚えているけれど、相手は一切覚えていないというパターン。
しかも、相手は地位こそ同じ立場にいながら性格も政治に対するスタンスも正反対と言っていいほどの別人。
それでもあなたは、愛した人の転生した相手だからと同じように命を賭けて守れますかと。
この点の折り合いをつけるだけでも骨が折れそうなのに、皇帝の周りは「死」の気配が色濃く漂っている。
実際犠牲者は出るし、彼を襲う者は生者ばかりとは限らない。
それなのに、彼の周りはびっくりするほど信頼できる人がいない。
読んでいるこちらも、中盤までは誰が味方で誰が敵か分からず随分びくびくしながら読む羽目になった。
こういう時、優しい人ほど怪しかったりするし、露骨に怪しい人ほど逆に大丈夫だったりするし。
見極めが難しい。
それを皇帝はずっと一人で続けてきたのかと思うと、後に化け物とまで称される裏側になっても致し方なしと思う。
陛下に言い渡された予言の真意。
誰が本当の敵で、誰が本当の味方か。
そして、自分の命と引き換えに神様に願い転生を果たした主人公の想いと、彼女が選ぶ未来とは。
どれもそれだけで一本お話が書けそうな内容の濃さなのだが、それぞれを丁寧に、それでいて納得できる展開と答えを用意してくれたことが本当に見事。
そのままだと化け物になっていたかもしれない皇帝を「人」として留めた展開は特に痺れるほど良かった。
このエピソードのために、謎解きとしてはよりややこしい真実となったが、主人公が取ってきたスタンスが今後の皇帝にとっていいものになると確信できた展開になっていたので余計に。
これだけの内容を一冊にまとめてきて、破綻せずに魅力的な作品に仕上げているのだから、本当に凄いとしかいいいようがない。
これは必読の作品だと思う。
前作の『仙文閣』も痺れるほどよかったんですけど、それを上回ってくるなんて(個人的感覚では)
三川先生、恐るべし。 -
購入済み
読みやすくて面白い
シュガーアップルから、みり先生とあき先生のファンです。ヒロインが明るくひたむきなところが、すごく好きです。恋愛も重くなりすぎず、笑えるところもあり、読んでいてほんわかします。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「本が永遠に残るわけではない」
作中で文杏が答えを見出す問いだが、読みながら自分もどういう意味なのだろうとずっと考えていた。
電子媒体に比べて紙の方が保存期間は長いと言われるが、物理的に消滅してしまうことはあるだろう。
例えば、これも作中にあった焚書のように。
あるいは不注意によるもの、事故によるもの。
可能性だけなら、いくらでも提示できる。
ただ場所が場所だけに、そのような可能性が限定されてしまう。
舞台は仙文閣。
あらゆる書物が大切に保管されている書庫。
本を大事に思う者たちが管理している場所。
そしてそこはそもそも神仙が作った場所でもある。
恐らく世界で一番書物を大事にしている場所で、それでも「本が永遠に残るわけではない」と、よりによって仙文閣の人間が言うのかと。
そういう間違いが起きないために、あなた方がいるのではないのかと。
今にして思うと、文杏と同じく、視野狭窄に陥っていたと恥入るばかり。
本に限らず「存在しているのに存在していない」物は、それこそ身の回りにも溢れているだろう。
また、その価値が分からない者にとっては、例え目の前にあってもないのと同意であることも。
ならば、それを大事に思う者が取る行動とは。
「永遠に残す」ためにできることとは。
その一つの例が、答えが、この物語の中にある。
師の残した書物を守り通そうと奮闘する少女と、仙文閣で目録を整えようとしている青年の不器用な交流を
通して、実に様々なことを考えさせられたし、教えていただいたと思う。
体は滅びても言葉は残る。
それを残そうという意志が受け継がれる限り。
きっとそれは前述通り、本だけとは限らない。
様々なもの、ことに共通する大切な「もの」が、この物語の中では確かなものとして息づいている。
本好きにはたまらない巨大書庫という魅力的な世界観を堪能しつつ、その大切な「もの」に気づかせてくれるという、本当に魅力的な物語だった。 -
こんな下宿に私も住みたい。
登場人物の思いやりに、心が温まりました。忙しく寂しい日常の中で、息抜きに読むにはピッタリ。読んでいる間、安心出来る。登場人物も愛おしいです。 -
購入済み
大作❗️です
最後の刊まで、飽きる事なくハラハラドキドキしながら一気に読ませていただきました。
1巻からの大人買いだったので不安もありましたが、買って大正解❗️でした。
少女から大人への過程が、綺麗事だけじゃなく、恋愛オンリーでも無く、まわりの人達も丁寧に描かれていてとても好きです。
レビュー等で勧めてくださった方、当然作家さんに感謝❗️
ありがとうございました😊
次回作楽しみです -
購入済み
とても良かったです
最初に漫画版を読んで、続きが読みたくて探したらラノベしかないと知りました。初めてお金を出して読んだラノベですが、とても良かったと思います。もっと続いて欲しかったです。