火坂雅志のレビュー一覧
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一昨年に大河ドラマになった、直江兼続の生涯について描いた歴史物語で、実家の母から、とてもおもしろかったから読んでみたらと勧められ、いただいて読みました。
たしかにものすごくおもしろかったです。本を読んで久々に感動しました。
直江兼続は、越後上杉家の武将で上杉家の内政を支えていた人という漠然としたイメージは持っていましたが、恥ずかしいことに上杉謙信の時代の人だと今まですっかり誤解していました。実際は、上杉景勝の元で、謙信亡き後、織田、豊臣、徳川といった覇者に対して、相対的に衰退していく上杉家を守り抜き、江戸米沢藩までつないだ最大の立役者だったということが、これを読んで初めてよくわかりました。
特 -
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個人的にはすごく好きです。
上杉家のことは本気で何にも知らなかったんですが
謙信から受け継いだ?義の精神は武士の精神!てかんじで
読んでいて気持ちがいいです。
天下をとっていく過程の家康が
私はどうしても好きになれないので
滅んでいく幸村とかのほうにどうしても肩入れしたくなるんですが。
泥をかぶってでも、生きていこう、民のために。家のために。
ていう兼続の考え方(これは火坂さんの解釈でしょうが)は好きです。
殿も天下とれたかもしれないチャンスに「義」を持ち出して
背後から切り付けない!て姿勢が。
天下とりたいって人からすると駄目駄目なんでしょうが
義理人情とか信じたい人間の目からすると
そう -
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第一部は火坂氏が、第二部は(火坂氏の没後)伊東氏が著す。
火坂氏は「天地人」は正直可もなく不可もなくという感じだった(大河ドラマの脚本よりはいいか、という程度)が、絶筆となった本書は流石に巧みさに磨きがかかっていた。このまま60代70代を迎えていたら更なる好著を生み出しただろう、と考えると惜しまれる。
伊東氏は既に老練の域に達している。下巻では氏政や氏直、氏規や江雪斎をどの様に描くか楽しみ。氏政の蹉鉄をどう描いたか。
ここまでアベレージの高い当主を五代に渡って輩出して来た北条(伊勢)氏というのは武家社会では異質の存在ではないか。何か現代社会の老舗オーナー企業に通ずる安定感がある。
ジュ -
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黒田官兵衛と竹中半兵衛の生き様を語った物語。
どこまでが史実でどこまでが創作なのかわかりませんが(笑)、豊臣秀吉の軍師として仕えた二人の生き様を知ることが出来ました。
この手の歴史小説でいつも思うのは、学生時代にもっと日本史を勉強しとけばよかったということ(笑)
下巻です。
官兵衛が地下牢で生き延びること。官兵衛を救うために動く周りの人々。
心打たれます。
そして、官兵衛の生還。しかし半兵衛はすでに鬼籍に..
官兵衛が知る半兵衛の想い。
半兵衛の軍配を引き継ぎ、秀吉の軍師となった官兵衛は中国を攻めていきます。
そんな最中の本能寺の変。勉強していた日本史を思い出します(笑)
信長亡き後の秀吉 -
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黒田官兵衛と竹中半兵衛の生き様を語った物語。
どこまでが史実でどこまでが創作なのかわかりませんが(笑)、豊臣秀吉の軍師として仕えた二人の生き様を知ることが出来ました。
この手の歴史小説でいつも思うのは、学生時代にもっと日本史を勉強しとけばよかったということ(笑)
上巻です。
竹中半兵衛と若き黒田官兵衛の出会い、さらには半兵衛と秀吉の出会いが語られます。
そして、戦と半兵衛が繰り出す様々な智略。
さらに信長、秀吉の性格、人物像が語られています。
信長の狂気、秀吉の人物掌握術。
上巻の後半から面白くなっていきます。
黒田家が織田につくかどうかの内紛。
上巻のクライマックスは、なんといっても、謀 -
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火坂氏の作品は初めてだったが、軽快な語り口に比して骨太な歴史小説で、面白かった。
12人の娘がいる女好きで欲に忠実な性格と、何度も武田信玄を撃退し箕輪城を守り通した勇猛さを上手く掛け合わせ、領土欲より領民の生活の安定を重視する、気持ち良い人物に描かれている。領土欲がない点で謙信と馬が合い、信玄と対比も鮮やか。
ただ唯一の欠点は後継を育てられなかったことか。実子に男子が少なかった不運はあるが、養子という手もあっただろうと思う。
剣豪・上泉信綱が忠義を尽くしていた点からも彼の武勇が分かる。信綱の人生は明瞭になっていないようだが、息子の代で彼を欠いたのだとしたらそれも上野衆の力が弱まった一因 -
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竹中半兵衛、黒田官兵衛の生き様は共に信長・秀吉の軍師として「利」と「義」を配慮しながら戦い続けた。軍師は戦勝すると影となり、官兵衛も敗戦、苦戦の場合のみ頼られ、勝っても言葉だけの報奨を受けた。隠居した後の「己の道」(我力を信じ鎮西平定)が夢半ばで終焉したのも悲しいが、牢獄から生き抜くことへの希望、夢を最後まで諦めなかったことは男として、軍師として素晴らしい人生だったと思う。気になる言葉は:「力が強いものはそれのみに頼り、己を誇って、家臣や領民の心を見失う。高慢になって人を蔑ろにすれば、家臣、万民の心は離れ、必ず家を失い、国が滅ぶ元となる。誠の威というものは、人を叱ったり、脅したりすることなしに
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知恵も武力なり、軍師としての力量は智慧と度胸が必須だ。文中にある「世に智慧者ほど恐ろしいものは無い」など戦略戦術は智慧ある者に勝利をもたらした。竹中半兵衛は病魔の犯されながら真剣に人を読み行動した。上に立つものは人愛と寛容の心が必須だと言い遺した。気になる言葉:「死を恐れていては、何事もなりますまい。誰もが尻込みする大仕事を成し遂げたとき、得難い信用と地位を手にすることになる」(リスクと挑戦)
「弱者が知恵を駆逐して、強者を打ち破るところに兵法の面白さがある」(智慧と度胸)
「天の時、地の利、人の和」(人の徳)
「世に智慧者ほど恐ろしいものは無いという」(戦略・軍師を持つ)
「人に徳ありと思わ