【感想・ネタバレ】虎の城 下のレビュー

あらすじ

21世紀の歴史時代小説に新風を吹き込んだ巨編
没後10年、火坂雅志畢生の代表作
「現代社会に通ずる箴言にあふれている」(解説より) 文芸評論家 細谷正充

運命の主・豊臣秀長のもとで才能を開花させた藤堂高虎は、粉河二万石の大名にまで出世を遂げた。だが束の間、秀長が病で急逝してしまう。後継者の秀保も暗殺され主家を失った高虎は秀吉に取り立てられるが、朝鮮出兵など強引な政策に豊臣家の未来に危機を抱く。秀吉の死後、かねて親交のあった徳川家康に仕えた高虎は、天下分け目の関ケ原の合戦で、遂に宿敵・石田三成と対峙する……。己を変革し戦国をしぶとく生き抜いた名将の生涯!

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Posted by ブクログ

豊臣秀長家の取潰し、石田三成との確執、秀次の切腹、秀吉への出仕と伊予八万石。宇和島城縄張り、大洲城入城、家康への弟徳(正高)の江戸預けと秀忠への近侍。再度の朝鮮出兵と李舜臣の失脚と復活、秀吉の死。藤堂家京屋敷の小堀遠州の作庭。
石田三成の家康排除作戦、家康のお友達増やそう大作戦、利家没、三成の失脚、家康の大阪二の丸天守造営。利長の陰謀騒ぎからの芳春院江戸入り。上杉攻めからの小山会議、関ヶ原。毛利輝元大阪城より退去。高虎、伊予20万石の大名に。今治城つくる。日本初の層塔式。膳所城縄張り。伏見城修築。江戸城縄張り。駿府城縄張り。伊勢安濃津転封。津城改修。丹波篠山城縄張り。丹波亀山城修築。伊賀上野城修築。二条城での家康と秀頼の会見。熊本城の監察。大坂冬の陣。堀の埋立て。大坂夏の陣。家康逝去。久能山普請、日光山霊廟の縄張り。和子入内の根回し。女御御所の普請。和子入内。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

主君を七度変えたと言われる名将。武芸だけでなく、商才や築城技術に優れるなどひたむきに能力を高めた実力者。平凡な自分にも伝わるものがありました。良き歴史小説でした。

藤堂高虎の遺訓
「裏方で汗を流すのが自分の仕事。手柄や名誉は人にゆずるものだ」
「侍たるべきものは、寝屋から出た時から、その日を死番であると心に思い定めねばならない。いつなりとも死ぬ覚悟ができていれば、けっして物に動ずることはない」
「合戦に置いては、つねに負ける覚悟をしておく事だ。勝った時は必要ないが、もし負けた時、うろたえないための用意である」
「普段から人の噂話を、してはいけない、ひとの良いところを見て、少々の悪い所には目をつぶれ。人が自分で後悔していることを、他の者が口にしてはならない。言えば悪口になる」
「他人の悪口に耳を傾けてはならない。たとえ、告げ口をするものがあっても、それを言う人と、言われた人に対して、ふつうに接するべきである。すべては何事も聞いていないと言うように、大人の振る舞いをすべきである」
「人の仲裁や詫びごとに関わってはならない。うまく行けばよいが、そうでないと、結局は自分の身に災難が降りかかって馬鹿を見る」
「何事も。理詰めにものを言ってはならない。理が強いのは非の倍になると言う例えがあるが、ほどほどにしておかないと、言われた方も逃げ場がなくなる。家臣を追い詰めすぎず、自らを振り返らせる余地を残しておいてやれ」
秀長の言った言葉
「目の前にあるものにしがみつこうとするから、人は苦しい思いをする。常ならぬことが世の中の常であることを悟れば、心が楽になるであろう」

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2025年09月03日

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安土桃山時代から江戸時代初期までを、自身に折り合いをつけながら生き抜いた藤堂高虎。一人の武将の目線から見た時代の変遷を辿れる。

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

下巻は高虎が家康に接近し、関ヶ原の戦いから大阪冬・夏の陣で豊臣家の滅亡に加担する自分の生き様に悩む姿を描く。圧巻は家康の信任が厚く、天下普請を繰り返して次々と名城を建築するところ。
藤堂高虎、加藤清正、黒田官兵衛の築城三名人のうち、いちばん多くの城を築いているのが藤堂高虎だと聞いたことがあるが、後半生は自藩の生き残りを賭けて城作りに命を燃やしていた。

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2025年11月09日

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