渡辺和子のレビュー一覧
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渡辺和子(1927~2016年)は、キリスト教カトリック修道女で、元ノートルダム清心学園の理事長。旭日中綬章受章(2016年春)。
渡辺さんは、小学校3年生のときに、二・二六事件に遭遇し、当時陸軍大将で教育総監だった父・渡辺錠太郎が青年将校に襲撃され、自宅の居間で43発の銃弾を受けて命を落としたのを、わずか1mの距離から目の当たりにしたという。その後、18歳でカトリックの洗礼を受け、29歳でナミュール・ノートルダム修道女会に入会。修道女会の命でアメリカへ留学し、1962年にボストンカレッジ大学院で博士号を取得したのち、同年に帰国し、翌1963年、36歳という異例の若さで岡山県のノートルダム清心女子大学の学長(3代目で日本人初)に就任。1990年、ノートルダム清心学園の理事長に就任。1992年~2001年には日本カトリック学校連合会理事長も務めた。長年に亘り、学生の指導にあたりつつ、1984年にマザー・テレサが来日した際には通訳を務めるなど多方面で活動し、著書も多数。2012年出版の『置かれた場所で咲きなさい』は200万部を超えるベストセラーとなった。
本書は、2015年に山陽新聞に63回に亘って連載された自伝的回想「強く、しなやかに 渡辺和子と戦後70年」をまとめ、併せて、大学の学報に渡辺さんが寄稿した随筆20篇を収めたもので、2016年に山陽新聞社から単行本で出版、2019年文庫化された。
渡辺さんは、比類なき強い意志と実行力を持った人である。そして、同時に類まれな柔軟性を持った人である。渡辺さんは、子供の頃、人一倍勝ち気で我が強く、周りに対して冷たかったといい、母親から猛反対された洗礼を受けることを決めた理由は、「とにかく謙虚で心の温かい人に生まれ変わりたいと思いました。それは純粋な信仰心というものではなく、まことに身勝手な自我欲からの変身願望でした」という。自らの意思を貫いて修道女会に入会した後は、アメリカへの留学、岡山への赴任、大学学長就任と、次々と修道女会からの予期せぬ命を受け、ストレスから来るうつ病や膠原病にも悩まされたこともあるというが、それをしなやかに受け入れ、強い意志で乗り越えていった。
私はクリスチャンではないし、一神教的な発想を全面的に受け入れるわけではないが、渡辺さんの生き様や、本書の中の渡辺さんやマザー・テレサ、ヴィクトール・フランクルらの言葉には強く心を揺さぶられるのである。
「人にとって生きることも大切ですが、死ぬこと、それも、よく死ぬことはもっと大切なことです」(マザー・テレサ)
「してはいけないことをしない。しなければならないことする。個々人が自らの理性と意志で判断し、選択し、実行した結果については自らで責任を負う。それが自由人なのです」
「つまずいたからこそ今がある。発想を転換すれば、今日が私にとっては一番若い日。今日より若くなることはないのだから、今日を輝いて生きていきたい」
「人間の自由とは、諸条件からの自由ではなくて、それら諸条件に対して、自分のあり方を決める自由である」(ヴィクトール・フランクル)
(2019年4月了) -
Posted by ブクログ
「苦しみ『が』なくなるようにと
願うのではなく、
苦しみ『で』なくなるようにと
心掛けてごらん」
と言われたことがある。
(渡辺和子/ノートルダム清心学園理事長
『忘れかけていた大切なこと』より)
* * *
思いどおりにいかないこと
思うままにならない相手を
自分の思うようにしようと考えると
苦しみは大きくなるばかり
でもココロの持ち方を変えると
目の前のことに意味を見いだせる
周りが…… 相手が……ではなく
矢印は自分自身に向けて
どうにもならないことを
あるがままに受け入れていこう
苦しみを乗り越えたとき
無駄なことはなかったと
感謝することができるから -
Posted by ブクログ
ネタバレ2016年、21冊目です。
このタイトルと同じ書籍を読んだことがあります。
4人の著者の一人である大津秀一さんの終末期医療の現場経験に基づいて書かれた本だったと思います。確かテレビでも取り上げられていました。この本は大津さんに加えて、3人の著者が「死」に向き合うことについて書かれています。
渡辺和子さんは、「置かれたところで咲きなさい」の書籍が有名なノートルダム清心女学院の理事長です。一期一会を大切に生きることを書かれています。
著者の一人で「納棺夫日記」で有名な青木新門さんの死をもっと身近なもととして感じ、生活から遠ざけない生き方をしようと書かれています。現代人が死やそれにまつわる出来事から遠ざかって暮らしていけるような社会の仕組みになっています。
中世の諸行無常の観念は死を身近に感じた人たちの考え方だと改めて感じました。 -
Posted by ブクログ
「置かれた場所で咲きなさい」がとても人気ですぐ読めなそうだったのでこちらから読みました。
著者が生きてきた中からの言葉なのでとても心に響きました。
が、私の1番心に残った所は『修道女になっても人間関係その他で大変』『人にされた言動で色々思い悩む』(こう書いてあったのではなくあくまで私がこう読んだのですが)という所。最初のは「えぇ~(°_°)出家したら、神(とか仏とか)へ仕えるからそういった事は超越するんやないんかい。悟り開くんとちゃうんかい」二番目のは「学校長という人を教える立場の人であり、神に仕える人でも私と同じように周りの事で動揺したりするんだ」という感想を持ちました。
ツライ事があると何もかも捨てて出家したいと思う私に活を入れられた(どこに逃げても生きるっちゅうのは大変なんだ)し、上からこうせいと教えるのではなくて、いろいろ思い悩んだ中から出でくる言葉だから胸にくるのだなぁと思った次第。
肝心の教え部分はうろ覚えなのが哀しい…けど読後感銘を受けたのは確かです。本当です。