元ノートルダム清心学園理事長である渡辺和子シスターの著作。
本作は2012年に発表。230万部を超えるベストセラーとなる。なお2016年に89歳にて逝去。
・・・
申し訳ないのですが、いまいちピンときませんでした。
神の(聖書的)ことば、そして類する詩をもって、箴言的にものいいを綴る内容。というとちょっときついでしょうか。
・・・
私、英語スピーチのクラブに入っており、たまにスピーチを作ります。
スピーチの要素というと、主張、経験・体験、それに対する感情の揺れ・思い、そしてそこから引き出される教訓?lesson(主張again)みたいな感じで作り、それぞれを連結させます(超大雑把)。
で、スピーチの出来(主張や教訓が伝わるか)は、話者の経験談や感情の揺れにかなり依存すると思っています。
例えば、若い子のスピーチで、「時間を大切に生きよう」みたいな主張をするとして、個人的体験が少ない故に、「Steve Jobsは~」とか「JFKは~」とか本で読んだようなことを話すと、説得力が大幅に減ります。だって誰だって言えるから。その点で、個人的体験はいくら似ているとはいえやはり唯一無二です。だから、その体験に裏打ちされた教訓は響きます。
・・・
大分遠回りましたが、渡辺さんのお話。内容はそれぞれ、確かになあ、そうなりたいなあ、という話ばかりです。ただ、きれいごとにしか聞こえず私には入って来ませんでした。
仮にもし、もっとご自身の体験を詳らかにしたら「伝わる」内容になっていたかなあと感じた次第です。
そうした意味では眼前でお父様を亡くされた話は強烈でした。こういう体験談から教訓を言われれば「確かに」となると思います。
・・・
さて、ポジティブな誤算もあったことをお話ししたいと思います。
P.49の「ほほえみを絶やさないために」という一節。
いやなことがあっても微笑んでいきましょう、というだけで、テクニックもなにも記されてありません。「いやいや、いう事はわかるけど、そんなに簡単に出来ねえよ」って一人深夜に毒づきました。
ところか翌日どうでしょう。何となく隣の人に微笑んでみる、正面の人に微笑んでみる、あるいは背面にいる課長に微笑んでみる。すると相手も微笑む。
だいたい不機嫌キャラなのですが、「笑えたらいいのにな」と思いつつ読んでいたので、アンカリング効果が働いたのかもしれません笑
・・・
ということで渡辺氏の著作でした。
本作、他の本と併せてバルクで頂きました。自分で敢えてチョイスする本ではないので、こういう出会いはありがたいですね。
私はまだまだ神の国には入れなさそうです。