中島久枝のレビュー一覧
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1年という条件で江戸の日本橋牡丹堂で修行をしていた小萩。1年が経ち故郷に戻ったけど、牡丹堂に戻りたい、お菓子を作りたい、という思いは強いがなかなか言えず本当の気持ちを隠したまま。読んでて私ももどかしくなってしまった。でも、大きな決断をして家族に気持ちを打ち明け、牡丹堂に戻っていく。17歳の女の子がこれからの人生を考え、決断する。すごいと思うし応援したい。小萩の家族の優しさ、小萩の幼馴染のお駒とお里との友情にグッときた。
江戸に戻ってからの小萩は失敗も多いけど、確実に成長してる。自分の考えたお菓子が形になってみんなに食べてもらえるのは、とても嬉しいだろうな。
今、大河ドラマ『べらぼう』を観て -
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日本橋牡丹堂シリーズ第十二弾。
二十歳になった小萩。菓子考案の日々の中、大人としての
気配りやあしらい、心遣いを周囲の者たち学ぶようになる。
夜咄の茶事・・・茶花の先生・直枝から頼まれた夜咄の茶事の菓子。
更に彼女の生徒たちからも菓子を依頼される。その理由は?
鉢かづき姫の最中・・・疎遠になった息子と孫へと頼まれた菓子。
その祖母の想いと悔い。頑なな心の鉢を割らなければ。
月と光と幹太の恋と・・・直枝から茶花を学ぶ、幹太。それは恋か。
亡き母への想いか。直枝と二人だけの茶会で彼は成長する。
阿古屋のひみつ・・・歌舞伎の演目『阿古屋』とあこや。だが、
それが縁で花絵は夫に疑いを抱 -
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あっさり、どんどんと読めてしまいます。
主人公小萩は、江戸の牡丹堂で和菓子作りの修行中。
菓子比べがあったり、おかみさんが孫のために占いにハマったり、事件は次々と起こります。
お菓子の場面もさすがに多く、具体的な描写も。
こんな和菓子がほんとうにあるのか。作者が考え工夫したモノなのか。とにかく、美味しいだろうなぁ、と。
ただ、実際に江戸時代、女性が菓子職人として働く事ができたのか?と。
なんというか、職人達の仕事っぷりも、もっと厳しいものであったのではないかと思われるのです。
牡丹堂だから、幸せに溢れた場所だから(過去に辛いことがあったにしても)、という設定ではあるのですが、そんなトコ -
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日本橋牡丹堂シリーズ第十二弾。
初春を迎え、麗らかな日々の中での菓子作り。
小萩庵に入る注文は、小萩に人としての試練を与え、成長を促す。
鹿の子の思い・・・おとっつあんになってほしい。10歳の茜の
真摯な願いのため、贈る菓子を作ったが、岩蔵は姿を
消してしまう。母子の、岩蔵の亡き親方への思いが揺れる。
黒茶、花茶に合う菓子は?・・・札差・白笛の清国茶の茶会、
山野辺藩の新留守居役との顔合わせ、更に葬式饅頭百個の注文。
まさに天手古舞な一日に。だが、須美の機転が救いとなる。
とびきりかたい、かりんとう・・・国学者の父が煙草を控えるための
母子からの菓子の注文。百人一首の謎かけを添 -
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冬の景色に彩られる中、小萩は菓子を考える日々を過ごす。
松兵衛の紅花色・・・鎌倉へ伊佐と共に里帰りした小萩はかつての
伊勢松坂の主・松兵衛と出会う。かの店の秘伝の紅花色。
それを伝授されての江戸への帰り道、伊佐は実母への想いを
小萩に語る。そして未来の家族についても。
杉崎と名残りの松風・・・初めての茶席に使いたい松風とは?
手掛かりを探す中、山野辺藩留守居役の杉崎が重い事項を
抱え国に帰ることに。杉崎とお文はそれぞれの場所で、
やるべき事に立ち向かい、進んで行くのだろう。
雪の日の金柑餅・・・今は無き菓子屋の金柑餅に込められた想い。
息子からの手紙でわかる家族 -
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小萩庵に依頼する人々の心に内在する想いを受け、
相応しい菓子を考案する小萩の、成長する姿を描く。
異国の風にときめく甘さ・・・阿蘭陀好みの材木商からの依頼。
遥かなる異国に想いを馳せ、皆で工夫して菓子を作る。
異国の如く、俺たち菓子の世界は広くて楽しいんだよ。
帰らぬ人と月見菓子・・・月見菓子を注文した女性の想い。
十五夜の明るい満月は彼女の心に相応しいのか?
亡き許嫁との思い出は、何時か月の流れと共に変わる。
重陽の節句に菊の香を・・・菊を愛でる宴の客への土産菓子。
それは商いでの苦難を乗り越えさせてくれた一鉢の菊と、
与えてくれた相手への感謝に。花はなくともそこにあ