あらすじ
大晦日。丸九のおかみ・お高を、想い人で、亡き父・九蔵が板長を務めた料亭英の跡取り・作太郎が訪ねてくる。贔屓の客用のおせち重のうち、煮しめの段の中身が消えてしまったのだという。作太郎は、九蔵の味を継ぐお高に、代わりの煮しめを作ってほしいと頭を下げる。でしゃばるようなことはしたくないとお高は尻込みするが──。だしがたっぷり沁み込んだ風呂吹き大根、酢醤油でいただく蟹鍋煮、ほっと温まるあずきの汁粉……。人々の日々を支える一膳めし屋と、高級料亭の矜持がぶつかって、なにやら波乱の予感!? シリーズ第五作。
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文太郎を諭すお蔦さんが気風が良くて、スカっとする。浜木綿子さんのイメージで読んだ。
お栄の友人おりきの恋愛話も面白かった。「あんたの幸せは、そこにはないんだよ。それぐらい、わかるだろ」って、クールに言うお栄さんが好き。
お煮〆消失事件は作太郎とおりょう関係で、お高につながる事件でもある。草介も魅力的になってきて、どうなるのかな…。
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登場する皆の過去が色々と明らかになり、恋模様とともに人となりが深く掘り下げられた巻だった。
「らっきょうの皮をむく猿」の気持ち、という表現が面白かった。
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どうにも感情移入できなくてモヤってしまう。
お高の周囲の人達の悲喜交々はホロッときたり頑張れと応援したくなったりなんだけど…
お高と作太郎の二人はどうもね、苦手なタイプと言うか周りに気配りをしてるようで、優しいようで、はっきりしないことで周りを傷つけてるのに気づいてないみたいな…
この二人以外はいいのに残念
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煮物を作ろうとしていた所に、失礼な他店の料理人がやって来た
大抵はプライド優先で大揉めか、大人な対応で華麗にスルー
お高は後者だったけど
注文者は彼らの物ではなく、父の味の煮物を所望してるのだからと
改めて作って持って行こうとする所に驚いた
揉めたくなくて最初スルーしたんじゃないの?
相手の料理人や姉に対し、一番喧嘩売る行為じゃない?
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大晦日、丸九のおかみ・お高を料亭英の跡取り・
作太郎が訪ねてくる。贔屓の客用のおせち重のうち、
煮しめの段の中身が消えてしまい、お高に代わりの
煮しめを作って欲しいと頭を下げるのだが…。
人情派時代小説第5弾。
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お近ちゃんとおりきさんは後先考えずというか…自分に正直なのは悪いことではないけれど、まわりはイライラしたり心配したり大変そう
今回で作太郎の実家の件は一段落、さてさてお高さんの恋の行方はどうなるのかな
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中島久枝「しあわせ大根」、一膳めし屋丸九シリーズ№5,2021.4発行。日本橋北詰近く、お高29歳、お栄48歳、お近16歳の3人で営む一膳めし屋。江戸の黒豆、蟹は甲羅に似せて穴を掘る、しあわせ大根、朧昆布と月の4話。「蟹とかけて将棋ととく」その心は「爪(詰め)が大事です」w。ほんのちょっとしたことで、人の運命は変わってしまう。分かれ道でどっちを選ぶかということ。決断することの連続が人生ですね。最近は、ウォーキングのコースの選定や酒は焼酎にするか日本酒にするかぐらいしかありませんが(^-^)