中島久枝のレビュー一覧

  • 一膳めし屋丸九

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    中島久枝さん、フードライターとしての識見に、小説家としての切れ味が相まって、読み応え抜群の作品を次々と輩出されています。「一膳めし屋丸九」、2019.4発行、一所懸命の千住ねぎ、心惑わすふきのとう、浮かれたけのこ、意地っ張りの若鮎の4話。一膳めし屋「丸九」のおかみ、29歳のお高が切り盛りする人情時代小説、シリーズ化と思います。期待しています!

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    2019年08月12日
  • 湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ

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    大火事で唯一の肉親である姉が行方不明になってしまった梅乃。
    15歳だけど、江戸時代の15歳ってもう立派な大人なんだなぁ、と感心しきり。でも親が亡くなって、15歳で、いくら姉がしっかりものとはいえ、自分が奉公に出ていなかったのはなぜかな、とか無粋なことを考えてはいけません。
    なにしろポプラピュアフル文庫なのですから。
    多少の甘さは見ないふりをいたしましょう。

    そこを差し引いても、なかなか面白かったです。
    だからこそ、といえなくもないのですが、ひとまずめでたしのエンディング。

    そも如月庵とはなんぞや、隠された秘密はまったくもって解明されていません。続刊のつもり満々ですね。

    でもいいのです。

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    2019年07月06日
  • 湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ 三日月の巻

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    中島久枝 著「湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ 三日月の巻」、2018.12発行、新米部屋係、梅乃16歳の眼を通したお客の物語、いい話4編です。読後感がとてもいいです。おからはきらずというけれど、母の味は小茄子の漬物、犬好きに悪人はいない、女の幸せは男次第?の4話。4番目の話は、藩内のゴタゴタの話とお銀、お浜の友情の話が別々に進行しやや複雑、藩内の話(切ないだけ)はないほうがいいと、私は思いました。

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    2019年05月12日
  • 日乃出が走る 浜風屋菓子話

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    スピーディーに話が進んで行って、面白かったです。
    今ではすっかり定番のお菓子たちの黎明期に工夫しながら一生懸命作る職人たちの姿。
    まだ、冷蔵庫もなく氷も簡単には手に入らない時代に天候や時刻と闘いながら作るアイスクリン、腕がいたくなるほど混ぜ続けるメレンゲ、器具も満足に揃わず、あずきも高くてなかなか手に入らない状況の明治維新直後に作るお菓子たち。
    普段何気なく食べているお菓子たちも見直しました。
    登場人物たちの一生懸命さが楽しい一冊でした。

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    2015年10月19日
  • 日乃出が走る 浜風屋菓子話<二>

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    一気読み!!
    日の出が西洋菓子に引かれるけど踏み出せずにいるところが、わかるけどイライラヤキモキした。
    そりゃあケーキやシュークリーム等バターや卵のたっぷり入った甘い香りに引かれ無い人はいないよね♪
    でもあくまでお飾りで 西洋菓子屋に居るより、自分の手で考え作って「美味しい!!」の声聞きたいよね!!
    そしてやっぱり日本人には米や醤油、豆がが無くちゃあねo(^o^)o
    登場人物のこれからが気になります♪
    続きが早く読みたい!!!!

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    2014年12月21日
  • 名残の柿 新・一膳めし屋丸九

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    育ってきた環境が人をつくる。だから人が何を基準に何を選ぶかは人それぞれだ。違ってあたりまえ。

    お高と作太郎もそうだ。

    そして伍一と初花。

    越後の片田舎の貧しい農家の出の伍一。 父親に 母親や弟とともに暴力をふるわれ終いには十歳で花街に売られた初花。
    伍一と初花は何をどう選ぶのか…。

    伍一と母親の話は少し辛かった。作太郎のいうことはもっともだ。 でも伍一の選択も解る。可愛い伍一ちゃんが忍びない…。


    頂き物の柿がたくさんだ。私も“柿なます”を作ってみよう。


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    2025年11月30日
  • しあわせガレット

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    ガレットとゴーギャンの導き。
    美味しそうなガレットと、時にクレープとそれを食す人々。人間模様は色々あるし、悩みはその人のものだけど、背中を押してくれる人や言葉があるだけで変われるものがある。
    派手さはないが、じんわりやさしくなれる本。

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    2025年10月07日
  • おでかけ料理人 小豆の甘酒は魔法のひとさじ

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    揚げ出し卵 割れて黄身が流れ出す
    辛い大根も べったら漬け で甘くなる
    華やかな九十九里の 祭りずし
    父の思い出 あさりの 深川鍋
    心を強くする 小豆の甘酒

    佐菜の優しさというか弱さみたいなものが
    共感を呼んだり助けてくれたりするきっかけになってるのかなと感じる
    いろんな事があって、少しは強さが生まれたかな……

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    2025年09月24日
  • しあわせガレット

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    自分に自信を持つことが苦手な?詩葉(ことは)さん
    新しい事に一歩を踏み出すのを躊躇しまくる感じの彼女がなぜか粘って雇ってもらったのは……

    心から望めば道は開けるの見本のような展開に、久しぶりにこの先を読みたくなった♡

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    2025年07月27日
  • しあわせガレット

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    ガレットと白ワインを今すぐに頂きたい。

    より良くなるように、より良くするように努力して少しずつ前に進む登場人物達が良い。
    居心地が悪い時があっても少しずつ折り合いをつけながら、自分の機嫌は自分でとるしかない。

    人を押し退けて自分の居場所を確保するのではなく、周りにも迷惑にならない配慮もしつつゆるく長くやっていく というような優しいスタイルが好きだ。

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    2025年07月23日
  • しあわせガレット

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    軽く読めそうに思えたけど、思ったよりパワフルなメッセージが込められているようで清々しく読み終えた。
    自信たっぷりに生きているように見える人でも、誰もが皆、どこかで居心地の悪さを感じているものなのかもしれない。「無神経な人になるよりいいじゃないの」「少しぐらい損をしても今のあたしでいたい」と話す多鶴さんと白井さんがかっこいい。

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    2025年07月13日
  • しあわせガレット

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    ガレットが美味しそうで、お店で食べたいなぁって思う小説だった。
    ほっとできる居場所が、誰にでもあるといい。自分で立ってる人も、みんな悲しい思い出があったりして、だけど一生懸命頑張ったら、後で笑って話せるって今日言われて、何となくそういうことをしみじみ思った。

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    2025年07月08日
  • おでかけ料理人 おいしいもので心をひらく

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    誰もが一つや二つは苦労があり、欲しいものがなんでも揃ってたり、平凡な暮らしが送れるわけではないけれど、仕事を好きになり楽しむくらいになると毎日が充実してきます。喜んでもらえる食事を料理する事に真摯に取り組む主人公の姿と取り巻く人たちの前向きで優しさに癒されました。所々に行き方のヒントになる事が書かれていてこれは頂いて参考にします。
     特に料理が素朴な手料理ばかりで参考になりました。

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    2025年06月23日
  • おでかけ料理人 ふるさとの味で元気になる

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    町の図書が移動図書を始め、そこで借りた本第一号です。サラッと読めるけど奥の深い事柄が会話として書かれています。食べてくれる人を思いながら季節に沿ったお料理を作りもてなす主人公のひたむきさと、素朴ながらも素材の味を楽しめる料理が食べる人やその料理に関わる人たちをいやしていく様子が素敵でした。

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    2025年06月13日
  • 富とふぐ 新・一膳めし屋丸九(二)

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    新しい登場人物 お桑さん
    「女が」と言われて
    たくさん縛られている時代
    それでもやりたいことがある
    挑むこと自体が困難なときは
    どうしたらいいんだろう
    お高さん始め丸九の人たちのおかげで
    新しい事に気付けるのにはホッとする

    「当たったら大変という富とふぐ」
    富って? 財産?
    あぁ 富くじのことかな。もしも大金が当たったら一寸困ることがおきるかも………
    でも一度くらい当たらないかなぁ ふふ

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    2025年06月12日
  • 富とふぐ 新・一膳めし屋丸九(二)

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    伍一や岩生のように邪念のないまっすぐな人間が人の心をうつのだろう。でも人間だからこそ邪な思いをもってしまうのもまた然り。そしてその度が過ぎると玉七やお桑さんのように己を蝕んでしまうことになるのだろう。

    折角 丸九と良い縁が出来たのだからお桑さんが手放すものは手放して手に入れるべきものを手に入れて描く楽しさを取り戻せたら良いと思う。

    今回も美味しそうな料理がいっぱいだった。かさごの煮付けもいいけど あわびのわた和えもステキだ。

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    2025年04月27日
  • ひとひらの夢~日本橋牡丹堂 菓子ばなし(十二)~

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    家族になって欲しいとの思いを込めたもの、禁煙のためのものなど、贈る人の気持ちに寄り添い菓子を作り上げる小萩庵
    しっかり者で機転の利く須美さんに助けられるところも良い。二十一屋は職人だけでまわしているのではなく、みんな必要な人だとわかるのが素敵
    何より、吉原芸者の千代菊のお話がよかった…
    自分のこれまでのがんばりや、助けてくれた人への恩も家族も大事で板挟みなの、本当につらかったろうな
    姉妹が思い遣り、最後は丸く収まってほっとした

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    2025年04月21日
  • おでかけ料理人 おいしいもので心をひらく

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    若い子達は少しずつ成長する
    子供仲間や周りの大人に構われながら
    自分の世界を広げていく

    大人も年寄りもその気になりさえすれば
    もう少し世界を広げられるのに……

    さて 私の世界は??

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    2025年04月14日
  • 浮世の豆腐 一膳めし屋丸九(二)

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    一巻よりこちらの方がより楽しく読めた。登場人物が理解できたからだろうか。いや、そうでもあるまい。ストーリーは2巻目の方がよくできている気がする。

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    2025年02月23日
  • おでかけ料理人 おいしいもので心をひらく

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    今作も良かった。全話良かったけど四話目の〝れんこんはさみ揚げ〟で石山名人が佐菜のおばあさまに「利久さん、ひみつや嘘の甘さと悲しさが分からないと、お能の本当の面白さは分かりませんよ」とおだやかに諭された所は印象に残った。 おばあさまに物申すことができるのは今のところ石山名人と正吉だけかな。

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    2025年02月14日