あらすじ
菓子に込めた少女の願い。小萩はその思いに応えられるのか? 十歳の少女からの小萩への依頼は、母とともに紺屋を切り盛りする職人に贈る菓子だった。実父を亡くして七年、家族同然に過ごしてきた彼に、父親になってほしいと伝えたいのだという。だが、母には大店の主の後添いにとの縁談が。小萩は少女の願いを汲んだ菓子を届けるが、思いがけない騒動が起こり――。季節の菓子と人情に心温まる大好評シリーズ第十二巻。
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家族になって欲しいとの思いを込めたもの、禁煙のためのものなど、贈る人の気持ちに寄り添い菓子を作り上げる小萩庵
しっかり者で機転の利く須美さんに助けられるところも良い。二十一屋は職人だけでまわしているのではなく、みんな必要な人だとわかるのが素敵
何より、吉原芸者の千代菊のお話がよかった…
自分のこれまでのがんばりや、助けてくれた人への恩も家族も大事で板挟みなの、本当につらかったろうな
姉妹が思い遣り、最後は丸く収まってほっとした
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鹿の子の思い/黒茶、花茶に合う菓子は?/
とびきりかたい、かりんとう/吉原芸者の紅羊羹
心を伝える菓子を注文する。さて 上手く伝わるのかどうか。言葉で、心で、菓子で、きっと伝えたい思いは伝わると信じたいな
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日本橋牡丹堂シリーズ第十二弾。
初春を迎え、麗らかな日々の中での菓子作り。
小萩庵に入る注文は、小萩に人としての試練を与え、成長を促す。
鹿の子の思い・・・おとっつあんになってほしい。10歳の茜の
真摯な願いのため、贈る菓子を作ったが、岩蔵は姿を
消してしまう。母子の、岩蔵の亡き親方への思いが揺れる。
黒茶、花茶に合う菓子は?・・・札差・白笛の清国茶の茶会、
山野辺藩の新留守居役との顔合わせ、更に葬式饅頭百個の注文。
まさに天手古舞な一日に。だが、須美の機転が救いとなる。
とびきりかたい、かりんとう・・・国学者の父が煙草を控えるための
母子からの菓子の注文。百人一首の謎かけを添えて。
小萩は、人の内と外での姿と心の違い、言葉と言の葉を学ぶ。
吉原芸者の紅羊羹・・・自前芸者のお披露目の、菓子の注文。
その吉原芸者の千代菊を訪ねてきた妹の話から、彼女の
過去と真の姿を知る。苦労を経て得た芸の道と家族への想いを。
伊佐と夫婦になっても、まだまだ娘っぽい感じの、小萩。
見かけで人を判断してはいけないことや、
客の気持ちを察したり、機微を知るには、経験を積まねば。
でも、須美やお福、お景などの人生の先輩たちがいるからね。
今回は江戸の文化の一端を知るのが出来て良かったです。
また、家族というかけがえのない存在の話も、良かった。
ふと気になったのは、外国船が日本沿岸に現れる時代であること。
幕末という時代の変遷の波は、小萩たちにも押し寄せるのか?
Posted by ブクログ
なんの気なしに読み始めて12巻一気読み。小萩ちゃんの初恋の行方が気になって、ついに最後まで読んでしまったよ。どうってことない時代もののようでいて、実は現代社会の諸問題を映し出してたりするから侮れないよ。和菓子の描写がもうちょっと丁寧だとさらによかったかも。
作家のこと知らないと思っていたけど、ふと新聞見たらいつも和菓子コラムの連載している方でした!フードライターなのね。