感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月06日
日本橋牡丹堂シリーズ第十二弾。
初春を迎え、麗らかな日々の中での菓子作り。
小萩庵に入る注文は、小萩に人としての試練を与え、成長を促す。
鹿の子の思い・・・おとっつあんになってほしい。10歳の茜の
真摯な願いのため、贈る菓子を作ったが、岩蔵は姿を
消してしまう。母子の、岩蔵の亡き親方への思い...続きを読むが揺れる。
黒茶、花茶に合う菓子は?・・・札差・白笛の清国茶の茶会、
山野辺藩の新留守居役との顔合わせ、更に葬式饅頭百個の注文。
まさに天手古舞な一日に。だが、須美の機転が救いとなる。
とびきりかたい、かりんとう・・・国学者の父が煙草を控えるための
母子からの菓子の注文。百人一首の謎かけを添えて。
小萩は、人の内と外での姿と心の違い、言葉と言の葉を学ぶ。
吉原芸者の紅羊羹・・・自前芸者のお披露目の、菓子の注文。
その吉原芸者の千代菊を訪ねてきた妹の話から、彼女の
過去と真の姿を知る。苦労を経て得た芸の道と家族への想いを。
伊佐と夫婦になっても、まだまだ娘っぽい感じの、小萩。
見かけで人を判断してはいけないことや、
客の気持ちを察したり、機微を知るには、経験を積まねば。
でも、須美やお福、お景などの人生の先輩たちがいるからね。
今回は江戸の文化の一端を知るのが出来て良かったです。
また、家族というかけがえのない存在の話も、良かった。
ふと気になったのは、外国船が日本沿岸に現れる時代であること。
幕末という時代の変遷の波は、小萩たちにも押し寄せるのか?