あらすじ
日本橋の袋物屋のおかみが、隠居した父親を案じ牡丹堂に相談にやって来た。女房に先立たれて半年、ふさぎ込んだままだという。茶話会を開いて元気づけてやりたい。ひいては、甘い物が好きな父のために菓子を作ってほしいというのだ。小萩は、ご隠居の望みを知ろうと、三日にあげず通うことになるのだが――。季節の菓子と人の情。切なくて温かい好評シリーズ第三弾。
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Posted by ブクログ
結構重いかもしれない話を(時代小説独特の「どうしようもなさ」みたいな?)さらっと書いてくれるのが楽しい。
わりと、自由なんやな~って思うと肩の力を抜いて読める。そこがいい。
でもみんな必死に生きてる真摯さもいいのよね。
続編もリクエスト済。小萩ちゃんは主人公としてめっちゃかわいいし好きやけど、ここまで彼女の行く末が心配でない話も珍しいな。笑。
いや、何やろね、小萩ちゃんは絶対に幸せになれるやろという安心感がある。そういうところもええねんな。
Posted by ブクログ
日本橋牡丹堂シリーズ第三弾。牡丹堂での小萩の日々。
・初秋 うさぎが跳ねるか、月見菓子・・・女房を亡くした袋物屋の
ご隠居。小萩は茶話会のお菓子の希望を聞くために、
彼の元を訪れるのだが。想い出に添う菓子。月を愛でる菓子。
・晩秋 留助の恋と栗蒸し羊羹・・・お福の代わりに見世に出る小萩。
客あしらいに悩むのだが、留助の恋の行方も気にかかる。
・初冬 若妻が夢見る五色生菓子・・・祝い菓子の注文が二転三転。
苦慮する牡丹堂の面々。そして千草屋でも事件が起こる。
・仲冬 秘めた想いの門前菓子・・・千代吉と絶縁した娘の縁を
取り持つために、思い出の菓子を探す。託す手紙の想い。
この巻でのもう一人の主人公は千代吉姐さん。
見世のおかみのお福、小萩の母お時と縁がある彼女が最初の話に
登場、最後の話に再登場するまでの季節の進行と物語での構成。
家族の在り方を描く話が盛り込まれています。
2冊目は話がごちゃごちゃした印象でしたが、今回はすっきり。
小萩の学びも、きちんと姿を現してきました。
菓子作りに、菓子帖の記録、お福や弥兵衛から教わること。
留助やお文からも良い影響を受けています。
特に、見世での接客の大事さ。ほぉ、漢詩も勉強し始めたのね。
そして、幹太の成長ぶりが良かったなぁ。
Posted by ブクログ
中島久枝さん「ふたたびの虹」、日本橋牡丹堂菓子ばなし№3、2018.7発行、江戸人情物語、ほっこりします。初秋:月見菓子、晩秋:栗蒸し羊羹、初冬:五色生菓子、仲冬:門前菓子 の4話です。もっと続いて欲しいです!
Posted by ブクログ
袋物店のご隠居と亡くなった奥様、二人の思い出のうさぎの人形。隠されていた手紙に二人の想いを感じる。伊佐の件でしきりに小萩を焚き付けていた留吉。いざ自分の話になったら及び腰。過去に残念な話があったからしょうがないけど引きずりすぎ。小萩たちお節介軍団が動いてまとまって良かったね。子供のお披露目のお菓子で若夫婦、女将、大女将のそれぞれの考えが牡丹堂を振り回す。奥さんを守れない若旦那は確かに情けない。千代吉さんとお玉様のお話良かった。