汀こるもののレビュー一覧
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ネタバレ――
おそろしき、こともなき世を、おそろしく。
この世で最も恐ろしいのはひとであるとはよく云われるけれども突き詰めてみれば恐ろしい、という感情そのものがひとの抱くものであって、さてこのあとに続く文章は2通りあるんだけれど先ずは本当は「恐ろしい」という感情そのものが一番恐ろしいのだ、というトートロジー気味の感情論。それからふたつめは純粋に単体で恐ろしさを纏えるひとというのは居なくて、ひととひととの繋がりの中にこそ、あるいはその繋がりこそが本当に恐ろしいのだ、という社会論。
そのへん魑魅魍魎が跋扈する平安京なんて本当に後者で、魑魅魍魎の大半はにんげん、というかひとの思惑なんだろうなと -
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ネタバレ――
平安貴族には、謎と毒舌がよく似合う。
って、中世文学演習で習った気がしてきたぞ?(うちでは平安は中世に含まれました)
にしてもこんなに親和性があるとは、新発見。素直にお気に入り。
平安の京都を舞台にしているんだけれど、謎と毒舌、というとまぁ現在の京都にも通じるところはあって。所謂武家貴族の精神があるから京都のひとはたたかえるひとなんだと思っている。だからこええんだよ←
「恋に無縁のヘタレ若君と頭脳明晰な行き遅れ姫君」のラブコメとしても単純に面白いし、平安の世ということをしっかり活かしたトリックもにんまり。内観イメージするのが難しいひとはあさきゆめみしでも読みましょう。登 -
購入済み
リアルなだけに地味かな
リアルな平安の風俗が感じられます。「探偵」と言っても世間知らずで深窓育ちの妻は真相をズバリと言い当てる訳ではなくて発想の転換になるヒントを与える役だし、夫は真面目で気弱なお人好しなので胸のすくような活躍ともいかず、地味だなぁとの印象は否めません。二人とも口が達者じゃないし。ですが、良い感じに平安絵巻の夢を打ち砕いてくれるのが面白いので、平安風味ラノベの合間に時々読んで目を覚まさせてもらおうかなと思える一冊です。
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購入済み
読みやすいアンチミステリ
ミステリに対するメタ発言がこれでもか!と入っている。そう書くととっつきづらいと思う人もいるかもしれないがそんなことは全くない。なぜなら、登場するキャラクターの軽快な口調に導かれてするすると読めるから。真樹と美樹という双子のキャラクターがとてもいい。薀蓄を語り出して驚くが、生態系とか水生生物好きには楽しめるので、その点は気にならなかった。そして本作品で登場する密室。これが好きなのですが、ネタバレになってしまうので細かいことは言えません。散りばめられた伏線と大胆さに拍手!シリーズもののようなので続きが気になります。
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ネタバレああ、とうとう湊サンまでそっち側に…(汗)。
「本格ミステリを打ち倒そうとする生意気な新人」とは汀氏のデビュー時に有栖川有栖氏が贈った言葉ですが、この殺し文句を久々に思い出しました。あ、以下ネタバレ気味かも。
深窓のお嬢様が密室で惨殺、というコレでもかと言わんばかりの舞台装置を用意しておきながら、登場人物ほぼ全員が謎解きを華麗にスルー。皆、素人童貞ネタにかかりっきりのダメ展開。つーか湊、ドクロちゃんなんか読んでるのか。日本の明日はどっちだ。
毎度おなじみ魚ウンチクはちょっと控えめですが(だって語る人が居な…どうなんだろ)、その分登場人物の病みっぷりが際立ったかも。読み進めながら、「ダメだ -
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嬉しいネタがいっぱい!!
CSIなんて出てくると、ホレイショやグリッサムが出てくるし、クリミナルマインドなんて言われると、ホッチナーが頭をかすめるのですね。
科学ミステリのドラマもなのですけど、月光ゲームや斜め屋敷、殺戮に至る病や黒死館なんかwkwkしてしまうのです。
おまけに素子や京極や……もうもうネタがいっぱい!
タナトスまで出てきて、これはもうどっちも読まなきゃ……!と思ってしまったのでした。さらっとネタバレされた気もするのですが……
最後ニヤニヤしてしまったのは無敵の女子高生の最後の企みでしょうか。ゆりっぺを応援してしまうのですよね!やっぱり!!1
好きな人狼もモチーフになってて再度ニ -
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Posted by ブクログ
構成は前作と同じく、アクアリウム関連の死ぬほど長い蘊蓄と、それを踏まえたトリック。さらに今回は犯人の動機、キリングメッセージをも流れに取り込み、あくまで双子の話であることを逸らさずに一歩踏み込む。アクアリウムについて語ることはつまり、自然の摂理について語ることである。自然が全てシステム的に正しいのだ、という暴論を吐くつもりはないが、自然の論理が持つ力は、時に人間が練り上げたそれより威を持って僕らに迫ってくる。社会から弾き出され、自然にも拒否された双子はどこへ向かうのか。BLに限らず、恋愛物は障害が大きければ大きいほどよい、と言うが果たしてここまでくると、人間とは何かと考えさせられてしまう。