汀こるもののレビュー一覧
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双子ミステリ、『THANATOS』シリーズの第5作目。今回は双子と関わったばかりに“レース”から脱落し、しなくてもいい苦労をしている悲運の?警察官僚、湊俊介が主人公。
受験戦争や役人の出世競争を、進化論における『赤の女王仮説』になぞらえた作者氏の目の付け所が非常にいいと感じました。「その場にとどまり続けるためには、全力で走り続けなければいけない」。相対評価で脱落者のみがふるい落とされてゆく様は、正に生物界の捕食者と被捕食者における『進化のレース』そのものです。
お堅い警察組織の人間でありながら文学作品(幻想文学、詩)を愛し、今作では真樹にはおちょくられ、高槻に説教され続ける湊のキャラも最高 -
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相変わらず水魚オタクの引きこもり死神。
デートに出かける、というあたりですでに何か起こると思いましたが
今回は誘拐ですか…と、ちょっと遠い目に。
誘拐は、今までと違って確実に自分にふりかかるものです。
どこまで人が死ぬのか、どこまで無茶をするかと思ったら…。
この双子は、片方でも悪魔ですが
両方揃ったら『大』悪魔になれると思います!w
無茶っぷりと言いましょうか、恐ろしいまでに周囲を振り回してます。
これほどまでにやってくれると、いっそ見事です。
むしろ毎度毎度よくもまぁこれだけやってくれるものだと
関心する一方です。
とはいえ、今回は『偶然』ではなく『必然』にしているのが…。
手段を選ばず -
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大雅さんの過去に起因した話が、一番心を抉ります。
心に余裕がない時にすがりついてしまった妖怪と、心の余裕がないために閉ざしてしまった少年の出会いと別れ。結果的には、妖怪と結びついてしまった時に起る悲劇は免れています。しかしそれは結果論であって、本当の意味で当時の大雅さんに必要なことだったのかと言われると、あのまま暮らしていてもよかったのではないか、と思ってしまいます。すべては春雅のせいであります。
とはいえ妖怪との暮らしなので、幸福になれたとは思えないのがこの世界のひどいところでして。相手も心が弱っているから、妖怪本来の行為に行きつかなかっただけで、平穏を取り戻せたら違っていたのかなぁ。
何が -
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人間関係で一波乱起きてしまう形の短編4編収録。
思い出、一目惚れ、合意のない求愛、毒親といった区分けになるでしょうか。悲しさと滑稽さと恐怖と嫌悪が読後はあるのですが、なんというか悪意ゆえの行動なのか、と言われるとそうでもない、となってしまうのが如何ともし難いです。
毎度毎度なことですが、一般常識というもののあやふやさを提示されているように思います。自分が日頃接している社会通念、倫理感がズレていて、真実大切にするべきものはこちら側(妖怪たち)の意見である、というような。
それは錯覚に過ぎなくて、実際のところは普段から心がけているものを大事にしていて間違いはないのですが、超常の力の持ち主と取り巻 -
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市子が術合戦で一本取られる展開にレベルダウンの影響が出てきているな、これは新展開で現世も幽世も此岸も彼岸も巻き込んでの大騒動がおっ始まるのか、と思っていたら、家の因縁と初恋の拗らせが露わになってしまいました。「大人気ない大人には敵わない」
淡々としているけど、積もり積もった恨みつらみはなかなか消化できないよね大雅さん。触らぬ神には祟りなし、というけども人間関係でも同じことなんだとは思います。地雷、という便利な言葉でそれを表現できるようになったのがありがたいけど、こおt馬が一般化されてしまって、ことの深刻さを多い隠しているような気がしないでもない。地雷、という兵器の残酷さも。
メガテンダンジョ -
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タイトルが99から98へとレベルダウンしているのは、市子が少しずつ人間社会へと馴染んでゆく様子の例えだとは思うのだけど、いずれレベル1になる時が来るのでしょうか。取り巻きの神使たちもいなくなって、目指せ一般市民!みたいなことなのかしら。
天叢雲剣を持ち出して振り回す、振り回していないけど、の回。いわれといわくが大量にある神剣?宝剣?呪物?なので蘊蓄というか由緒というか、ともかくいろんな神話伝承が絡まり合って、とんでもない一品に仕上がっているのが、興奮と恐怖とを呼びますな。用心棒から盗めねーよ!とか、バグ技で崩壊後の世界で量産!とかやっていたのが懐かしいのと、恐れ多さが襲ってきます。
この作品