森薫のレビュー一覧

  • マンガの原理

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    流し読み程度で。実際の現場では、本書に書かれているようなこと(あるいは書かれていないことも含めて)、さまざまな技やノウハウが山ほどあるのだろうなと思う。まあ、それはどの業界でも同じだとは思うけれど。それをこうして一冊の本にまとめたという点で、クリエイターを目指す人にとっては価値があるのだろうな。原理とは言っても人によってやり方はさまざまだろうから、自分に取り入れられるところだけ拾っていけば十分なのかもしれない(私自身はその道を目指しているわけではないけれど)。

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    2026年07月24日
  • マンガの原理

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    2026年4月、入江亜季『北北西に雲と往け』の続編がそれまでのKADOKAWAではなく、雪割草という聞いたことのない出版社から発売されるというちょっとした事件がありました。
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    雪割草はトーハンとか日販とか大手取次ではなく、トランスビュー経由なので、本屋からするとお客さんから問い合わせがあるのに新刊が入荷していなくて慌てて発注する、みたいなことがあちこちの書店で起きたと思われます。
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    しかも『北北西に雲と往け 続の1』はA4版で84ページ。薄い雑誌みたいな形態です。
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    『北北西に雲と往け』はアニメ化も発表されているし、マニアな人気もある。そんな作品がなぜ大手出版社を離れたのか。
    『漫画家・森薫と入江亜季 展』を見た人であれば、お二人と担当編集者・大場渉さんとの強い絆も知っているはず。
    調べてみると、雪割草は大場さんが独立して2025年10月に立ち上げた漫画専門出版社ということで、入江さん、森薫さんなど、数名の作家が一緒に移動しています。
    そこにどんな経緯があったのか、想像するとちょっと怖いんですが、大場渉さんという編集者の熱量を考えると納得もしました。
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    その大場渉、森薫、入江亜季の共著がこちら。
    2025年2月の出版。
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    漫画家をめざす人のために書かれた実用書で、コマ割り、絵の描き方、ストーリー、キャラの作り方など、基本原理が書かれています。
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    「主要キャラクターを殺すと、作者はメンタルに大きなダメージを受ける。俺は漫画家という仕事を一生続けてもらいたいから、主要キャラを殺しまくるのはお勧めしない」という冒頭から、大場さんの漫画愛が炸裂。
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    「コマ割は1ページに7コマくらい」とか「フキダシは4〜8文字×最大5行」とか、なかなかマニアックな基本ルールが書かれています。
    フキダシが「ひらがな、カタカナはアンチック書体、漢字がゴシック書体」ということを今さら知ってびっくりしたり。

    ⁡もちろん、これが絶対の正解ではなく、この基本だとなぜ読みやすいのか、ということが解説されているので、漫画家志望の人だけでなく、漫画の見方が変わる本でもあると思います。
    実際、巷のヒット作でもこの基本が守られていない作品はいっぱいあって、それはそれでありなんだろうけど、なぜ読みにくいのかが腑に落ちたりします。
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    最後の方に大場さんが『コミックビーム』から『Fellows!』、『ハルタ』、『青騎士』へと変遷する経緯が書かれていたり、エンターブレインがKADOKAWAに吸収合併されるときに、森薫さんが『ハルタ』を買おうとした逸話なんかが出てくるので、ここらへんが今回の雪割草独立につながるんじゃないかと思っています。
    『北北西に雲と往け 続の1』が雑誌に近い判型なのも納得。
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    雪割草は電子コミックを発売せず、紙の漫画本を地道に売りたい方針だとか。なかなか険しいやり方だと思いますが、消費されるだけでない漫画を私も支持したい。応援してます。
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    以下、引用。

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    実は、主要キャラクターを殺すと、作者はメンタルに大きなダメージを受けるんです。作者が最初から殺すつもりならまた違うのですが、読者に愛されるキャラクターを作ろうとする過程で、作者はキャラクターを愛します。それを殺したら、作者自身も傷つくのは当然です。

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    漫画の書体は、たいていの漫画編集部が「アンチック書体+ゴシック書体」を基本として写植していると思います。「アンチゴチ」などと言われるやつですね。
    ひらがなとカタカナに関しては、「かな書体」のアンチック書体。これは明朝体をベースに、線の細い部分を減らした書体です。その上で、漢字部分に関しては線の太さをほぼ一定にしたゴシック書体を使うわけです。

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    私はこれ、雨を線で描く表現に近いと考えています。本来雨は線ではないんですが、江戸時代の浮世絵から一般的な表現になって、今でも生き残っていますよね。

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    俺は入江さんには何度も何度も何度も何度もモノローグイントロはやめろって言ってます。でも描いてくるんですよ。俺はまったく許容していないのに。

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    そもそも、漫画の作品世界は、作者の世界の見方をそのまま反映します。作者の世界の見方に歪みがあれば、それはそのまま作品世界に反映される。

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    漫画という表現にも、やはり、漫画でしか伝えられない何かが中心にあるべきです。それは、単純な情報ではなく、おそらく読者と一緒に経験し、感情を共有し、実感してもらうことで、ようやく伝わることです。
    入江さんも私も長期連載を抱えていますが、ふたりとも10年、あるいは20年という時間を費やして、ようやく伝えることができる何かを、ずっと机にかじりついて描き続けているわけです。

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    『ベルガリアード物語』


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    2026年06月12日
  • マンガの原理

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    一つ前の本が、ビジネスサイドからのマンガの作り方だが、こちらは、漫画家側からのマンガの作り方。前者が広く薄く続けるという主張だが、こちらは意図的な技術を説く。超実力派として知られる、森薫、入江亜季による、画力ではなく、コマ割りなどマンガ特有の技法についての解説。自分でマンガを書くわけではないが、こういう知識があると、マンガを読むときの読み解きが深まるかもしれない。

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    2026年04月15日
  • エマ 10巻

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    結婚後の話も描いてほしかったな、と。
    問題とされていた社交界の話や、キャンベル家から縁を切られたジョーンズ家がどうなったかが全く描写されておらず、散々家と家族を振り回しておいてそれかよ、と。
    主人公であるウィリアムとエマより、脇を固めるキャラクター達の方がとても魅力的な作品でした。

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    2026年03月27日
  • エマ 7巻

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    エレノアが気の毒すぎるのでこの評価です。
    この後の番外編で、少しでも報われてほしい。

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    2026年03月27日
  • エマ 10巻

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    エマさんの結婚式で大団円。約束通りの盛り上がりで良かったです。個人的には、いつもキリッとしている女中頭のアデーレさんが格好良くていいなと思いました。

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    2026年03月21日
  • シャーリー 1巻

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    たったの13歳のメイドさんと雇い主の美しくて活発な女性。ふたりの暮らしの様子を見ているだけで楽しく暖かい気持ちになりますね。
    完成度は乙嫁さんには全く及びませんが、森さんはやはり森さんですね。

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    2026年02月17日
  • マンガの原理

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    結構「ん?」というものが多いから漫画を描くための参考にはならないかも…ていうか人による…青年誌の綺麗な紙漫画、まさに森薫先生の様なテイストの漫画作りたい!って人には参考になるというかんじ。

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    2025年10月27日
  • 乙嫁語り 14巻

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    ロシアに対抗すべく、草原と町の者らが、同盟を結ぶ。
    血縁を結ぶにあたり、草原の女たちは弱い男を相手にしないので、男女入り乱れて馬競べ(うまくらべ)が行われる。
    これが、迫力ある競走であり、綺麗な馬、馬のオンパレード。作者は馬が大好きということで、馬欲が満たされたとあとがきにあった。
    登場人物も毎回、美男美女ばかりで、本当に絵が素晴らしい。

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    2025年08月03日
  • 乙嫁語り 13巻

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    星3.5
    英国人スミスが、妻となる予定のタラスらを伴い、前に訪れた村を再訪しようとするのだが、その頃にはロシアの影がちらつき、治安も悪くなり、それ以上無理をするのを諦めて、イギリスに帰ることにする。

    護衛や道案内をしてくれた、アリとニコロフスキとはここでお別れとなるが、非常に頼もしく思いやりのある助っ人だった。
    タラスもいざという時に頼りになりかっこいい。

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    2025年08月03日
  • 乙嫁語り 7巻

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    星3.5

    今回は画風がガラッと変わった。というのは、女子の浴場が主な舞台となっているからで、ハーハル・ハーンデ(縁組姉妹、姉妹妻)という、ペルシャに19世紀頃まであった風習が描かれているから絵柄を変えました。と、作者も書いている。
    これは、女どうしのもう一つの結婚とも言えるもので、男性と結婚している人でも、姉妹となる人と結婚式をしたり、新婚旅行に行ったり、死後は財産分与をしたりしていたらしい。
    結婚式は女の参列者だけで行われていたり、非常に興味深い。
    次巻はまた、アミル編に戻るようだ。

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    2025年07月07日
  • 乙嫁語り 6巻

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    星3.5

    相変わらず、美男美女と動物、肉体美がすごい。
    が、私は戦闘シーンがあまり得意ではない。というのは、敵味方入り乱れて、わけがわからなくなるので。それ故、星3.5。

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    2025年07月06日
  • エマ 7巻

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    絵がどんどん上手くなっていくのがめちゃくちゃ楽しかった!
    途中まではかなり楽しく読んでいたけど、まとめ方は好みではなかった。
    身分の差や逆境をどう乗り越えるのか見たかったのに、愛があるので乗り越えます!みたいな宣言だけで終わった感。もう少し具体的な行動とか考えを少しでも描いてほしかった。
    周りに迷惑かけまくったまま終わった感じも何だかなぁ。打ち切りだったのだろうか。
    登場人物らのキャラ性やら、感情の描き方はすごく良かった。

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    2025年06月23日
  • マンガの原理

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    【感想】
    本書『マンガの原理』は、『乙嫁語り』『エマ』の作者である森薫、『北北西に曇と往け』の作者である入江亜季、そして2人のデビュー以来の担当編集であり、『Fellows!』『ハルタ』『青騎士』創刊編集長を務めた大場渉による、マンガの理論や技法を体系的に解説した一冊だ。

    本書で紹介するマンガの理論とは、1コマ1コマの画法――いわゆる絵そのものの技術について“だけ”ではない。1ページの中に含まれるコマ数、コマ同士の配置関係、視線誘導の使い方など、読者が漫画をスムーズに読めるような仕掛けも含まれている。その多くは、私たちが普段目にしているにも関わらず、「これもテクニックの中の一つだったのか」と思ってしまうほど、自然に配置されているものである。

    例えば、日の丸構図を避けることについて。日の丸構図とは、主人公などの主要な要素をコマのど真ん中に置く構図である。絵画や写真ではよく見るし、読み手に強い印象を与えるものだが、漫画ではNGだという。
    その理由は、漫画には「時間の流れ」があるからだ。真ん中にキャラクターを配置してしまうと、次のコマに向かうための視線誘導が機能せず、時間の流れが止まってしまう。マンガはコマ単体ではなくコマ同士のつながりによって展開していくのだが、全ページの真ん中にキャラクターがいると、いちいち次のコマに視線を移さなければならず、ぶつ切りの印象を与えてしまう。そのため、キャラクターをコマの中心から寄って立たせることで、ページ全体の躍動感と表現をアップさせているのだ。

    以上のような「言われてみれば思い当たる」テクニックは枚挙に暇がない。普段マンガを読む人も読まない人も、本書を参考にしながら手元にあるマンガのコマをチェックしてみれば、筆者と編集者が仕掛けた意図が理解できると思う。
    また、この本を読んで基本的な構造を学んだ後に、「原理に反している」マンガを読んでみて、その理由を考えるのも面白いかもしれない。本書では、「コマ割りは基本形のシンプルな形にして、変形コマは使わない」というアドバイスをしているが、もちろん変形コマを効果的に使っているマンガはたくさんある。本書を隣に置きつつ「なぜこういう風に書いているのだろう」と考察してみれば、好きなマンガの解像度が格段と上がるだろう。

    ――読者は「お話」や「キャラクター」に注目しがちかもしれない。でも、その「お話」や「キャラクター」を濃密にし、面白くしているのは、細やかな技術なのです。
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    【まとめ】
    1 コマ割りの技術
    ●基本知識
    コマの中の時間は、右側から左側へ流れる。同様に、上から下へ流れる。だから物語の時系列上、右のアクションは左のアクションより先に生じたもの、上のアクションは下のアクションより先に生じたもの、というのが自然な流れになる。

    森:B5判サイズで読む際に、人間が生理的に一番スムーズに読めるのが、3段に組まれたコマ割り。私は3段組7コマを基本としている。一般論としては、最大9コマぐらいまでは無理なくコマを割れる。また、作中世界の情報量が多いと、物語展開のコマに加えて説明コマが増えるので、入れたいコマ数が自然と膨れ上がっていく。

    大場:コマとコマを面白くつなげるためには、「フリウケ」が必須。読者が興味を持つ「フリ」を提示し、納得できる「ウケ」で拾う。そして、読者を引きつけるフリウケは、ほぼ全ての見開き、ページに仕掛けられていなければならない。
    特に、ページの最後のフリと、ページの最初のウケ。ここの強度さえあれば、読者を次のページに読み進めさせることができる。

    入江:漫画は横に読んで、横にめくっていく。その慣性が働くため、横に並ぶコマは流れるように読める。一方、縦におりるとき、段が変わるとき、その連続が途切れる。
    段を縦積みにすると、キャラクターが上下に動く立体感を出せる。

    森:左ページ一番最後のコマを読み終えてページをめくり、次の右ページ一番最初のコマに至る、ここを漫画業界ではよく「めくり」という。同じページの段から次の段に飛ぶ時、読者は一瞬作品から目を離すわけだが、「めくり」ではさらに長い時間、読者の目線が完全に紙面から離れる。そのため、ここで作品から意識が離れるのを防ぐ工夫が必要になる。
    左ページの最後のコマは、次に何かが起きそうなコマを配置したり、自然な場面転換に使ったりすることになる。さらに、続く右ページ最初のコマは、少し間があいた分だけ読者の期待値が上がっているから、それにふさわしい良いセリフや良い絵を入れる必要がある。

    森:アクションのコマ割りは、普通のシーン以上に厳格なコマ割りが求められる。
    普通のシーンは、自由にカメラの位置を変更していけるのだが、アクションシーンの場合、いきなりカメラの位置を180度変える、みたいなことはできない。せめて90度ずつ移動させていく必要がある。
    なぜそうなるかと言うと、漫画は前のコマの絵と後ろのコマの絵の差分で読んでいくものだからだ。アクションシーンは、当然ながら動きの大きな絵を見せていくことになる。つまり、前後のコマの絵の差分が必然的に大きくなりがちなのだ。だから、もともと動きが大きくて差分が大きくなりがちな絵を、前後のつながりが分かる範囲の差分に抑えていく必要が出てくるのである。

    入江:コマ割りをする上では、視線誘導が重要。その際、
    ①漫画文法に正しく、読者が迷いなくストレスなく読めることを重視する。
    読者の視線の傾向…コマの中は、「フキダシ」→「瞳」→「顔」→「手」→「人体」までは、原則としてこの順番で目を通す。ただし、演出上目立つように描かれているところは優先的に見る(露出の多い人体など)。「小物」「背景」「効果」については、目立つように描かれている場合のみ目を通す。
    ②可能なところでは視線の動きを演出に活用する。

    入江:ヨコ一コマは原則禁止。コマ割りの技術が身につかないし、1ページに7コマ8コマ入る漫画に情報量で太刀打ちできないからだ。ヨコ1コマは必然的に情報量が薄くなるし、そこに2〜3コマ分の価値はない。
    大場:同じ理由で、1ページ1コマも禁止。もしどうしても絵で読者を驚かせたいというのであれば、むしろ見開き1コマで見せるべき。


    2 絵の技巧
    大場:人間が漫画を見るときの優先順位は、「フキダシ」→「瞳」→「顔」→「手」→「人体」→「小物」→「背景」→「効果」である。漫画家はフキダシを最優先に考えるべきであり、また絵のレイヤーのうち重要度が高いものを優先すべきである。ただし、背景や効果線といった視認される優先順位が低いものでも、手を抜いてはいけない。作品の世界観を高めるための大切な包装紙だからだ。

    大場:大ゴマは寄り、小ゴマは引きで描く。漫画には画面の大きさを自由に変えられるというメリットがある。作中人物を読者の目の前に大きく近づけ、コマ=画面を大きくすれば、迫力を出すことができる。また、引き=ロングショットの絵は「生活」を描くチャンスである。物語上の制約を受けない演技を入れるチャンスであり、ここで人々がわちゃわちゃと動いていると、読む方はとっても楽しくなる。

    大場:キャラの立ち位置について。漫画は右から左に読むので、
    ①視点の人物は右側にいて左向き
    ②相対する人物は左側にいて右向き
    が原則となる。
    また、日の丸構図(キャラがコマのど真ん中にいる構図)は避けるべき。漫画は写真とは違って時間が流れている。真ん中にキャラクターを配置してしまうと、どん、と時間の流れを止めてしまう。

    大場:人物は柔らかくて太いニュアンス豊かな線を引き、背景には細くて硬い死んだ線を引く。2つを使い分けることで、背景をたくさん書き込みつつも、人物をより魅力的に浮かび上がらせることが可能になる。
    漫画家になったばかりの人が、これから線の技術を高めるために力を入れるべきなのは、輪郭線だ。書き込みがあってもキャラクターが生き生きと動き回っているのは、しっかりとした人物の輪郭線があってのことだ。


    3 フキダシとセリフの原理
    森:フキダシに入れるセリフの量は、5文字×2行が理想だと考えている。それが一番読みやすく、読者に伝わりやすいから。
    許容範囲としては、1行当たりの文字数は4文字から8文字。行数は最大5行まで。どうしても入りきらない場合は、フキダシを分割することにしている。

    森:説明セリフは原則NG。無理やり情報を詰め込もうとしても、「現実ではそんな言い方しないよね」となってしまう。実感が持てない「説明セリフ」を使うと、そのシーン、さらにはその後の物語展開において、読者が感情移入できなくなる。
    ただ、物語展開上、どうしても必要な説明セリフは出てくる。それでも常に「本当にその説明セリフは必要か?」と自分で問い続けることが大切だ。そして、その際の判断基準が、そのセリフに「実感」があるかどうか、「情報」だけになっていないか、ということになるのだ。

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    2025年04月30日
  • 乙嫁語り 15巻

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    タラスさんとスミスが、ついに英国へ!
    じっくりじっくり新婚生活に向けて準備をする。
    このまだるっこしさがえろい。

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    2025年03月17日
  • 乙嫁語り 15巻

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    久々の乙嫁語り。やはり前作までの記憶が…
    それでも手探りで恐る恐る読み出したら、まぁ面白かった。イギリスに来た寡黙なタラスが心配だったが、意思は強そうで頼もしい。これでヘンリーがしっかりしてくれれば安泰なのだが…

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    2024年12月08日
  • 森薫拾遺集

    Posted by ブクログ

    マニアックな…/旦那様不足に悩むメイドのゼブラと執事のタチカワ(と幽霊)/眼鏡をかけたら世界が見える/不思議なバニーさん/大きすぎる制服/昔の水着を夫の前で着てみせる/メイドのクレールさんと貧乏男爵のハインツさん/バードウォッチング/坊っちゃまとメイドのモードリン/黒髪ロングが黒髪ショートになった理由/佐藤と前園/あれこれ/コルセットのマニアック講座/暖炉のマニアック講座/クリスティとヴィクトリア朝風俗。

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    2024年07月14日
  • エマ 2巻

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    階級を超えた恋愛っていう軸が2巻からできたことで読みやすくなった。料理人のパートが少し描写されているがこれはただ階級を意識させるためだけのシーン?
    終わりで新しい人物との邂逅、ウィリアムは間に合わず、あとがきにて新しい展開ということで3巻が気になる。
    参考資料でコルセットの本を4冊買っていたということでそういう例えばそういう専門的な知識を落とし込まず、さらっと描写するのにとどめるのは作者の美学?

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    2024年01月05日
  • エマ 4巻

    ネタバレ 購入済み

    エマ

    漫画も面白いけど、後書き漫画も面白いです。毎回、楽しみなんです。

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    2023年06月20日
  • エマ 5巻

    ネタバレ 購入済み

    エマ

    若い頃のパパママ話しに萌えました。メインキャラ以外の物語も大好物なので嬉しいです。

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    2023年06月20日