野口卓のレビュー一覧
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「軍鶏侍」シリーズの第2弾
南国の園瀬藩(架空)を舞台にした剣豪小説、いや人間ドラマかな
人付き合いを苦手とし、剣に軍鶏にのめり込む四十を超えた主人公源太夫
弟子を育て、まっとうにまっすぐに人と関わっていく
表紙の絵がまさに獺祭でしょうか
あまりにも有名な銘酒「獺祭」
でもその意味を知る人は少ない
私もこの本で初めて知りましrた
園瀬藩の穏やかな自然の風情を描いた文章が、あまりに美しく気に入ったので切り取って紹介しましょう。
「穂が出る前の稲はまだ十分に柔らかく、風の動きによって、緑の葉表と青白い葉裏が交互にそれを見せていた。揺れが滑らかに移動するので、まるで堤防に向けて波が次々と、際限 -
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南国の園瀬藩(架空)を舞台に、隠居侍を主人公とした時代小説
39歳で隠居した剣豪岩倉源太夫の軍鶏と剣の道を究めんとするの生き様を見事に描いた気持ちのいい時代小説
人と関わることを得意としないため、剣や軍鶏と関わる源太夫は、知らず知らず周りと関わり影響を与えていく
数々の強敵と戦う羽目になる源太夫
でるか、秘剣「蹴殺し」
土佐じゃね?って風情の園瀬藩
そこに住まう人々の生活
そこで暮らす主人公の生き様、主人公の魅力が、気持よくスパッっと描かれたお話でした
短いお話が幾つかで構成された読みやすい本
野口卓さんのデビュー作にして、「軍鶏侍」シリーズ1作目 -
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ネタバレ手蹟指南所「薫風堂」シリーズ第4弾。
指南所で学ぶ子供達が下山(卒業すること)の時期になろうとしていた。
やたら口の軽い父親が、前の手習い所でいじめを受けていた息子善次を連れてやってきた。
薫風堂では、お互いを認めていじめをするような子供はいないことが、やっとわかって表情にも明るさが戻ってきた矢先、突然親子が夜逃げをした。
父親が務める店から金を横領したというのだ。
善次のその後に心配する直春。
稔書堂から、手習い所の心得などの本を出版依頼されてた直春は、小さい子らを指導する助手太一の見習い先にと連れて行く。
忠兵衛が今まで一人で、手習い所を下山する子供達の勤め先をその子の才能や性格を -
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遠山左衛門尉景元が北町奉行であった時代。
定町廻り同心、朽木勘三郎は,
その名前から『口きかん』のあだ名がある。
長男、葉之助は13歳で定橋掛同心の見習いをしている。
34歳の朽木の父親の代から岡っ引きをしていた父親に
ついて出入りしていた同い年の伸六。
下っ引きの安吉と弥太、見習いの和吉と喜一。
面倒見がいい伸六のもと、真面目に仕事に取り組み
メキメキ腕をあげるこの組は他所からも
『朽木組』と言われる結束も固く実績もあげている。
そんな朽木組。難事件をチームワークで解決してゆく。
丹念に取材し、記録を集めて作り上げた世界観は
読んでいて,実に読み応えもあり、
何と言っても野口卓の人の描 -
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手蹟指南所「薫風堂」の続編、三人娘、波紋。
実に好ましい主人公の若者、雁野直春。
二人だけで決めた婚約者美雪の幼馴染二人が
薫風堂に探りに来る。
真面目なノブ、誘惑的な菜美。
ブサイクな縁談を持ち込まれた菜美は腹いせに
直春を誘惑し、女を知らなすぎの直春は翻弄される。
2巻目の騒ぎも伏線となり、
師範代を務める道場に、金銭目当ての道場破りが
うまく追い払うも、瓦版に出ることで
薫風堂にも野次馬がたむろし、手習い子が誘拐され。。。
返り討ちし、無事に奪還。
今回は騒ぎはごめんと、子供達と秘密に。
瓦版で薫風堂の開所のおりから、直春を応援してきた
昔馴染みの猪吉。戯作者になるのが夢だった。
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1冊目、2冊目と、語り手がいることの必然性に疑念を抱きつつ読んでいたが、3冊目にきて、ついに、というか、いよいよというか、鏡磨ぎが語り手としていることに意味が出てきたように思った。これまでは語り手の語る蘊蓄、鏡磨ぎ職人でなくてもいいんじゃない?と思っていたが、3冊目でつながったように思う。
「幸せの順番」なんて、語り手なしで、独立した別の短編で読ませた方が面白いんじゃないか、と思いながら読んでいたが、なかなかどうして、この結末はお見事だと思った。
3冊目にきて面白くなったと思ったけれど、
さて、ここで一休み。かなり時間をおいて次作を読もうかな。面白いと思った本作の感じを少し長く置いておこうと思