野口卓のレビュー一覧

  • 獺祭―軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    「軍鶏侍」シリーズの第2弾
    南国の園瀬藩(架空)を舞台にした剣豪小説、いや人間ドラマかな
    人付き合いを苦手とし、剣に軍鶏にのめり込む四十を超えた主人公源太夫
    弟子を育て、まっとうにまっすぐに人と関わっていく

    表紙の絵がまさに獺祭でしょうか
    あまりにも有名な銘酒「獺祭」
    でもその意味を知る人は少ない
    私もこの本で初めて知りましrた

    園瀬藩の穏やかな自然の風情を描いた文章が、あまりに美しく気に入ったので切り取って紹介しましょう。

    「穂が出る前の稲はまだ十分に柔らかく、風の動きによって、緑の葉表と青白い葉裏が交互にそれを見せていた。揺れが滑らかに移動するので、まるで堤防に向けて波が次々と、際限

    0
    2019年09月29日
  • 軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    南国の園瀬藩(架空)を舞台に、隠居侍を主人公とした時代小説
    39歳で隠居した剣豪岩倉源太夫の軍鶏と剣の道を究めんとするの生き様を見事に描いた気持ちのいい時代小説
    人と関わることを得意としないため、剣や軍鶏と関わる源太夫は、知らず知らず周りと関わり影響を与えていく 

    数々の強敵と戦う羽目になる源太夫
    でるか、秘剣「蹴殺し」

    土佐じゃね?って風情の園瀬藩
    そこに住まう人々の生活
    そこで暮らす主人公の生き様、主人公の魅力が、気持よくスパッっと描かれたお話でした

    短いお話が幾つかで構成された読みやすい本
    野口卓さんのデビュー作にして、「軍鶏侍」シリーズ1作目

    0
    2019年09月29日
  • 家族 新・軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    新・軍鶏侍シリーズの第二弾。

    本編軍鶏侍のように、ぎゅっと詰まった感じのシリーズではないが、岩倉源太夫が剣の道を極め、できることなら早くに隠居をし、道場を開き、一生を剣に、、、と。

    藩の内政改革にも関わり2年をおいて道場を開くことを藩主より許された。藩士のための道場である。

    そこで少年らを教え導くことにより、本人も人との関わりを持つこと、教え導くことを学び、育つ。

    この新シリーズは、道場主となって、身分が安定し、そこでの弟子や家族、本人が事件を通して成長してゆく。

    この第二弾は主に家族に視点を置く。

    0
    2019年08月30日
  • 軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    若くして隠居生活、、、
    某ヤン・ウェンリー氏のようなこと言ってるのだが
    若い嫁もらったのだが、某ヤン氏同様結局厄介事に

    0
    2018年11月20日
  • 師弟 新・軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    やっぱり、いい!野口卓。
    軍鶏侍の新シリーズ。
    56歳になり、息子たちも大きくなる。
    道場の跡取り問題も悩ましい。
    なぜなら、力を持った弟子が、喜ばしいことだが藩の政治に必要とされ役付きになったからだ。

    一度、竹刀で立ち会った剣豪が研鑽を積み、真剣での戦いを挑んできた。
    いつまで、このような無駄な命のやり取りをしなくてはいけないのか?
    虚無も感じる。

    大人への成長の過程に立ち会うこととなる主人公源太夫。
    人となる大事な経験を知恵を持って育つ弟子たちを見守る眼差しが優しい。

    0
    2018年10月10日
  • 明暗 手蹟指南所「薫風堂」

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    手蹟指南所「薫風堂」シリーズ第4弾。
    指南所で学ぶ子供達が下山(卒業すること)の時期になろうとしていた。

    やたら口の軽い父親が、前の手習い所でいじめを受けていた息子善次を連れてやってきた。
    薫風堂では、お互いを認めていじめをするような子供はいないことが、やっとわかって表情にも明るさが戻ってきた矢先、突然親子が夜逃げをした。
    父親が務める店から金を横領したというのだ。

    善次のその後に心配する直春。

    稔書堂から、手習い所の心得などの本を出版依頼されてた直春は、小さい子らを指導する助手太一の見習い先にと連れて行く。

    忠兵衛が今まで一人で、手習い所を下山する子供達の勤め先をその子の才能や性格を

    0
    2018年10月06日
  • 猫の椀

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    野口卓の文章は研磨の行き届いた切れる刃物のようだ。
    キリッとしてて、その上美しい。
    この本は短編集だが、長編も素晴らしいが短編にもこの才能は発揮されてると再確認。
    なんども同じ本は読まない私だが、『野口卓、小早川涼』はなんども読めそうだ。

    0
    2018年08月24日
  • 隠れ蓑―北町奉行所朽木組―

    Posted by ブクログ

    遠山左衛門尉景元が北町奉行であった時代。
    定町廻り同心、朽木勘三郎は,
    その名前から『口きかん』のあだ名がある。

    長男、葉之助は13歳で定橋掛同心の見習いをしている。
    34歳の朽木の父親の代から岡っ引きをしていた父親に
    ついて出入りしていた同い年の伸六。
    下っ引きの安吉と弥太、見習いの和吉と喜一。
    面倒見がいい伸六のもと、真面目に仕事に取り組み
    メキメキ腕をあげるこの組は他所からも
    『朽木組』と言われる結束も固く実績もあげている。

    そんな朽木組。難事件をチームワークで解決してゆく。

    丹念に取材し、記録を集めて作り上げた世界観は
    読んでいて,実に読み応えもあり、
    何と言っても野口卓の人の描

    0
    2018年07月08日
  • 一九戯作旅

    Posted by ブクログ

    十返舎一九が武士を捨て江戸に出て、
    押しも押されもせぬベストセラー作家となるまでを
    一九が、弟子にしてくれと断っても十日も通い詰めた
    仁八に語り聞かせる図で、物語る。
    特に、なくなる2年の間しか、あの蔦十とは関わりがなかったが
    最初に会った時に言われた言葉は終生一九の脳裏に輝いた。
    誘われる遊びは決して断らず、気になる見聞きした出来事を
    手控えに残し、戯作の糧に。
    一九に語らせた伝記のような一冊。

    0
    2018年06月17日
  • 三人娘 手蹟指南所「薫風堂」

    Posted by ブクログ

    手蹟指南所「薫風堂」の続編、三人娘、波紋。
    実に好ましい主人公の若者、雁野直春。

    二人だけで決めた婚約者美雪の幼馴染二人が
    薫風堂に探りに来る。
    真面目なノブ、誘惑的な菜美。
    ブサイクな縁談を持ち込まれた菜美は腹いせに
    直春を誘惑し、女を知らなすぎの直春は翻弄される。

    2巻目の騒ぎも伏線となり、
    師範代を務める道場に、金銭目当ての道場破りが
    うまく追い払うも、瓦版に出ることで
    薫風堂にも野次馬がたむろし、手習い子が誘拐され。。。
    返り討ちし、無事に奪還。
    今回は騒ぎはごめんと、子供達と秘密に。

    瓦版で薫風堂の開所のおりから、直春を応援してきた
    昔馴染みの猪吉。戯作者になるのが夢だった。

    0
    2018年06月13日
  • 手蹟指南所「薫風堂」

    Posted by ブクログ

    偶然見つけた作家さんだが、ヒット!
    実にいい。血生臭くなく、人情にも溢れ知恵にも機微にも富み、好かれる主人公が読んでいて気落ちいい。
    「教育には何が大事か?」というテーマにも踏み込んでいるのが素晴らしい。哲学を持っている作家さんなんだろう。他の作品も食指が伸びる。

    0
    2018年06月06日
  • 波紋 手蹟指南所「薫風堂」

    Posted by ブクログ

    偶然見つけた作家さんだが、ヒット!
    実にいい。血生臭くなく、人情にも溢れ知恵にも機微にも富み、好かれる主人公が読んでいて気落ちいい。
    「教育には何が大事か?」というテーマにも踏み込んでいるのが素晴らしい。哲学を持っている作家さんなんだろう。他の作品も食指が伸びる。

    0
    2018年06月06日
  • 手蹟指南所「薫風堂」

    Posted by ブクログ

    雁野直春が手習い所・薫風堂を立ち上げ,子供たちを指導する.沼田道場では剣の腕も抜群で,松岡緑之助が二番手の由.直春の生い立ちに関係する春田仁左衛門から養子縁組の話を持ち掛けられ,頑なにそれを拒む直春.乳母兄弟の茂作を救い出す話.短編が5つの文庫本だが,人と人の親密な交流の中に何とも言えない温かみを醸し出すストーリが堪能できる好著だ.

    0
    2017年01月28日
  • 犬の証言 ご隠居さん(三)

    Posted by ブクログ

    1冊目、2冊目と、語り手がいることの必然性に疑念を抱きつつ読んでいたが、3冊目にきて、ついに、というか、いよいよというか、鏡磨ぎが語り手としていることに意味が出てきたように思った。これまでは語り手の語る蘊蓄、鏡磨ぎ職人でなくてもいいんじゃない?と思っていたが、3冊目でつながったように思う。
    「幸せの順番」なんて、語り手なしで、独立した別の短編で読ませた方が面白いんじゃないか、と思いながら読んでいたが、なかなかどうして、この結末はお見事だと思った。
    3冊目にきて面白くなったと思ったけれど、
    さて、ここで一休み。かなり時間をおいて次作を読もうかな。面白いと思った本作の感じを少し長く置いておこうと思

    0
    2017年01月15日
  • 猫の椀

    Posted by ブクログ

    我不明白了[猫的碗]和[蜉蝣/阳炎](是诈欺的故事)的作者的打算。不过,我想好意思[在里看了阎魔的堂]和[笑窝]和[幻祭梦谭]。人生不平坦,不一样。我荐你们读末页。你们明白了全部。

    0
    2015年03月18日
  • 水を出る―軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    軍鶏侍シリーズ第四弾。
    今ちょうど山桃の実が熟す季節。
    この実にまつわる艶めいて少し悲しい短編が思い起こされる。

    0
    2014年06月22日
  • ふたたびの園瀬―軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    軍鶏侍と呼ばれる剣豪・岩倉源太夫とその周辺の人々を描くシリーズ、第五弾。
    困難にぶつかったときに逃げずに向かって、ぐんと成長する若者の姿がみずみずしい。権助に後継者ができてよかった。

    0
    2014年06月22日
  • 闇の黒猫―北町奉行所朽木組―

    Posted by ブクログ

    【本】闇の黒猫 野口卓著 新潮文庫。同著者の”軍鶏侍”に流れる端整さ、情景の美しさから一転、伝法で粋でいなせな江戸っ子を、野口さんが描くと...。やっぱいいなぁ。若者を思いやる中年二人に共感^^。

    0
    2014年03月02日
  • 水を出る―軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    珠玉の時代小説シリーズの第四弾。『道教え』『語る男』『口に含んだ山桃は』『水を出る』の四編を収録。いずれも剣豪・岩倉源太夫を中心に人びとの人生の機微をじっくり、ゆっくりと描いている。内海隆一郎の『人びとシリーズ』或いは池波正太郎の『剣客商売』のようにじわじわと心に染み入る時代小説である。

    今回は岩倉源太夫の秘剣・蹴殺しは描かれなかったが、表題作の『水を出る』が一番良かった。

    0
    2013年10月30日
  • 飛翔―軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    シリーズ3作目。
    圭二郎の成長が頼もしいばかりの「巣立ち」。兄嫁の和や母の生き方もすがすがしい。
    「咬ませ」の義経。闘鶏の具体がリアル。下男の進言には味がある。
    源太夫とみつは何も語らなくても間が持つよい夫婦になった。

    0
    2013年09月30日