野口卓のレビュー一覧

  • 軍鶏侍

    面白かった。

    早めに隠居して、軍鶏を飼い、剣術を教えながら、悠々自適な老後を送るという目論見は、色々有って、崩れてしまった。若くて隠居出来たものの、藩内の政争に巻き込まれ、刺客として現れた昔の友を斬ることになり、藩士達を鍛える道場の道場主として、引っ張り戻され、再婚して、楽隠居は、何処へ行ったやら。ただ、軍鶏だけ...続きを読む
  • 友の友は友だ めおと相談屋奮闘記
    【川獺日和】川獺が教えてくれた危機。友の店を強盗から救え!【目覚め】さらに将棋の高みを目指す常吉。微妙な奉公人の立場が立ちはだかるが…頑張れ!【繋ぎ役】前巻の七の男を戯作者に紹介するが…【新しい友】ちょっと謎めいた新しい客の武士。信吾と出来た友情がほろ苦くも清々しくてとても印象的なラストだった。そう...続きを読む
  • 次から次へと めおと相談屋奮闘記
    シリーズを重ねる毎に益々面白くなるシリーズ!【女房喰い顛末】卑劣な武家相手に、どうする、信吾?と思いきや…権六親分の覚悟の落とし前!【将棋指し】席料値下げ交渉する子供達と対峙する信吾。「将棋は誰もが同じ立場で」どちらにもプラスになる解決。【付き纏う数】名前にまつわる数字に囚われた男!信吾まで囚われそ...続きを読む
  • 友の友は友だ めおと相談屋奮闘記
    このシリーズは面白い、文句なしに勧めることができる。次から次へと新しい人物・動物が出てきて、しかも個性豊かに描かれている。信吾と波乃のめおとも楽しい。いい人過ぎるけどね。最初の短編の川獺が信吾の友の危機を教える話には、たちまち惹きつけられるし、将棋の話も興味深い。最後の将棋の大橋家の若侍もいい。また...続きを読む
  • なんてやつだ よろず相談屋繁盛記
    野口卓の小説は、薫風堂ですっかり虜になりました。その後、軍鶏侍、新軍鶏侍を読み、「よろず相談繁盛記」を読み始めました。
    とても軽快ですが、それなりに考えさせられる内容もあり、楽しめそうです。
    加えて、蘊蓄が興味深いですね。
  • 承継のとき 新・軍鶏侍
    岩倉源太夫の軍鶏侍シリーズは、源太夫が、若くに隠居願いをし、道場を開く夢を描き、その腕を買われて、藩のために上誅することになり、その遺児を我が子に。
    剣豪が剣豪樽にその道のりと悩み、出来事を追っている物語。

    これはその新シリーズで、源太夫の夢が時間はかかったが、藩士の剣の腕上達のための道場として開...続きを読む
  • なんて嫁だ めおと相談屋奮闘記
    前巻で結婚した信吾は自分と同じ事をしようとする息子を連れた母親の、波乃はコツコツ貯めたお金を懐に訪れた子供の相談事を解決する。また、信吾と恩ある猫との意味深な会話もあり。最近は物騒な事件が多かったので、初心にかえったな、という印象で面白かった。お嫁さんの登場で、面白さも減るかな?と思ったけど、波乃の...続きを読む
  • あっけらかん よろず相談屋繁盛記
    よろず相談屋繁盛記の第5巻。武勇伝を瓦版に載せられたため、信吾にはいろいろなことが舞い込むようになる。大名の江戸御留守居役たちとの会食があったり、武家3人組に襲われたりするが、みんな上手いこと捌いてしまう。若いのに不思議な人物と言わざる得ないだろう。この信吾にとうとう妻になる女性が現れる。もちろん通...続きを読む
  • なんて嫁だ めおと相談屋奮闘記
    「なんてやつだ よろず相談屋繁盛記」シリーズに続く、「めおと相談や奮闘記」シリーズの開幕。

    3歳で生きるか死ぬかの重病を経て、動物と話ができたり、記憶が飛んでしまうという症状が出たりという信吾。

    子供の頃から好きで、強くもあった将棋指南所と相談屋を始めたのだが、悪党を懲らしめたことが瓦版で話題に...続きを読む
  • あっけらかん よろず相談屋繁盛記
    前巻でお見合いをした信吾と波乃。押しの強い波乃に引っ張られるようにアレヨアレヨと話が進む。しかし、信吾の昔の大病の後遺症やら波乃の姉の婚姻のからみやら、問題が起こる。さらに前回、騒動を巻き起こした瓦版が元で訪ねて来るお武家様たちの相手で大忙しの信吾。
    まだ信吾には女っ気ない方が楽しいのに…なんて思っ...続きを読む
  • やってみなきゃ よろず相談屋繁盛記
    よろず相談屋繁盛記の第4弾。まあ、ちっとも繁盛していないけどね。同時に始めた将棋会所の方は順調な具合で、開所一周年記念に将棋大会を開こうということになる。そのためにいろいろやり方を考えるのだが、結構これが柔軟な思考で修正しつつやっていくのだ。このあたりの慎吾や周りの人間や大会参加者の動き・思いの描写...続きを読む
  • そりゃないよ よろず相談屋繁盛記
    「よろず相談屋繁盛記」の第3弾。慎吾の実家の老舗料理屋宮戸屋で大変なことが起こる。それは、慎吾がよろず相談屋で築いてきたもののおかげでで解決したと言っていいだろう。将棋会所は軌道に乗っており、よろず相談屋のほうでも様々な人物と知り合うことになっていく。第4話の「隣はなにを」はしみじみとする話だ。慎吾...続きを読む
  • まさかまさか よろず相談屋繁盛記
    「なんてやつだ」に続く「よろず相談屋繁盛記」第2弾。4つの話はどれも工夫されていて面白い。よくいろいろ考えるものだ。野口卓は上手い。
    「命あっての」は、瓜二つの若殿様を巡っての騒動。主人公の得意な鎖双棍を使う場面もある。
    「話して楽し」間男について将棋会所で話が盛り上がる。
    「鬼の目にも」まさしく、...続きを読む
  • なんてやつだ よろず相談屋繁盛記
    「なんてやつだ」という題なので、軽妙痛快物だと思ったが、意外と読み応えのある時代小説だった。主人公の設定がいい。老舗料理店の長男なのだが、3歳の時に大病をしてから、生き物の声が聞こえ、話もできるようになる。いざというときは、その声が危機を警告してくれる。鎖双棍(ヌンチャク)の使い手でもある。その主人...続きを読む
  • 木鶏 新・軍鶏侍
    源太夫の息子、幸司は道場を継ぎたいと切磋琢磨している。家老の息子、鶴松とその取り巻きたちも順調にやる気を見せて成長している。
    その幸司を中心に据えた少年たちの成長の物語になっている。

    軍鶏侍、新・軍鶏侍シリーズは、読むたびに感銘を受ける言葉が多く、素敵なシリーズだ。
  • そりゃないよ よろず相談屋繁盛記
    シリーズ3冊目。【人を呪わば】実家の宮戸屋で食中毒!?その真相は…権六親分、大活躍!
    【縁かいな】「他人には話さないので、相談された面白い話を教えて欲しい」と謎の人物に頼まれて、捻り出した解決策。私だったらブチ切れる。
    【常に初心に】礼がてら、厳哲和尚を訪ねた信吾。つらつらと語り合ううち、今までもら...続きを読む
  • 羽化 新・軍鶏侍
    素晴らしい!
    今回も素敵なお話だった。

    新・軍鶏侍シリーズ第3巻となるこの作品。
    源太夫の息子、幸司の成長ぶりが前半で描かれる。
    後半は、長く源太夫の父親の代から、岩倉家の下男として奉公し主に軍鶏の世話を一手に引き受けていた権助。
    天寿を全うして眠るように亡くなった。

    陰になり、弟子たちに心に響...続きを読む
  • まさかまさか よろず相談屋繁盛記
    シリーズ2冊目。【命あっての】たまたま将棋会所を訪れた侍から受けた相談屋への依頼。ある人物に成りすまし、百物語の会に出席するが…そして驚愕の相談料が!【話して楽し】客が間男の話題で盛り上がる。まだまだ若い信吾は…ちょっと異色な展開の話。【鬼の目にも】信吾の前に現れた白い犬。「自分は幇間。ある日突然、...続きを読む
  • なんてやつだ よろず相談屋繁盛記
    3歳の時、3日間、高熱と引きつけを繰り返して以降、動物の会話が分かるようになった老舗料理屋の長男・信吾。それだけでなく商売に不都合な症状もあり店を弟に継がせ、得意の将棋とよろず相談を受ける商売を始める。相談と言っても、解決の答えを与えるのではなく、相談者は信吾と話しているとフト閃きを感じ、それが解決...続きを読む
  • 闇の黒猫―北町奉行所朽木組―
    朽木勘三郎率いる北町奉行所定町廻り同心が事件を解決する物語が3つ.どれも面白かったが、表題作の「闇の黒猫」が秀逸だ.絵師 歌川吉富を仲間に入れて探りを入れるが、留吉という意外な人物を引っ張りこんで、推理を進める手順が素晴らしい.