あらすじ
友を得て、好敵手を得て、歩め若人。三つ年上の兄弟志子から、ついに五戦五勝した。その勝因とは―父岩倉源太夫、母かつみら名を譲り受け、実子の幸司は三太夫となった。その元服を祝う剣友らとともに、三太夫は将来について語らい、胸を膨らませる。だがその裏で、三太夫が剣術を指南する次席家老九頭目一亀の嫡男鶴松には悩みがあった。それは、本心を打ち明けられる友がいないこと…(『真の友』)。齢十四の三太夫が迷い、悩みながらも大人への階梯を上る、青雲の第五巻。
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Posted by ブクログ
岩倉源太夫の軍鶏侍シリーズは、源太夫が、若くに隠居願いをし、道場を開く夢を描き、その腕を買われて、藩のために上誅することになり、その遺児を我が子に。
剣豪が剣豪樽にその道のりと悩み、出来事を追っている物語。
これはその新シリーズで、源太夫の夢が時間はかかったが、藩士の剣の腕上達のための道場として開くことができてからのお話。
道場にやってくる少年、青年の悩みや事情に、寄り添い力になってゆくのだが、前シリーズに軍鶏が必須なキーワードとして重要な時に必ずヒントを与える。
軍鶏の戦いから秘剣を編み出した源太夫。
軍鶏を育てる知恵を技を持つ、下男の権助。
そのミステリアスなほどの知識の豊富さで、源太夫すら学ぶことが多かった。
そんな知恵者を脇役とし、魅力たっぷりの脇役を豊富に揃えたこのシリーズは、読んでいて、毎回学ぶことが多い。
今回は実子である次男の幸司(元服して、三太夫)が成長をする物語になっている。
何度も読みたい数少ないシリーズ。