あらすじ
道場を継ぐと決意した息子。園瀬の里に若葉萌え立つ……。 兄龍彦が長崎に留学し、甥の佐一郎や新弟子の伸吉らが頭角を現す岩倉道場で、源太夫の実子・幸司は二代目を継ぐ決意をする。しかし彼には悩みがあった。それは、偉大な剣客である父の秘剣「蹴殺し」を未だその目で見ていないことだ。悩める幸司は父の一番弟子を訪ねるが……(『羽化』)。園瀬の里に移ろう時と、受け継がれる教え。それぞれの成長を描く豊穣の四編。円熟の「新・軍鶏侍」第3弾!
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Posted by ブクログ
素晴らしい!
今回も素敵なお話だった。
新・軍鶏侍シリーズ第3巻となるこの作品。
源太夫の息子、幸司の成長ぶりが前半で描かれる。
後半は、長く源太夫の父親の代から、岩倉家の下男として奉公し主に軍鶏の世話を一手に引き受けていた権助。
天寿を全うして眠るように亡くなった。
陰になり、弟子たちに心に響く言葉で導いた、あらゆる生き物に知識が深く時に源太夫も舌に巻くほどの知恵者でもあった。その権助は次の世代に引き継ぐように、その生命を終えた。
人の成長、人として大切なことは何か?
この物語は読むたびに、感銘させられる。
文句なしの五つ星!