あらすじ
跳べ、若軍鶏(わかしゃも)よ! 息子や弟子たちの成長と旅立ちを見守る日々…。七年の歳月が過ぎ、齢(よわい)五十四となった園瀬藩の道場・主岩倉源太夫。だれにも避けることのできぬ“老い”を自覚しつつも、かつて退けた剣士の挑戦を再び受けて立つ。挑戦者の註文は「真剣で」だった―(『歳月』)。道場を開いて弟子を持ち、後添いにみつを娶って、思いがけず子を得た源太夫。息子の成長と旅立ち、弟子の苦節と克服を見守る、逃徹した眼差しの時代小説4篇を収録。軍鶏侍シリーズ新展開の第1弾!
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Posted by ブクログ
やっぱり、いい!野口卓。
軍鶏侍の新シリーズ。
56歳になり、息子たちも大きくなる。
道場の跡取り問題も悩ましい。
なぜなら、力を持った弟子が、喜ばしいことだが藩の政治に必要とされ役付きになったからだ。
一度、竹刀で立ち会った剣豪が研鑽を積み、真剣での戦いを挑んできた。
いつまで、このような無駄な命のやり取りをしなくてはいけないのか?
虚無も感じる。
大人への成長の過程に立ち会うこととなる主人公源太夫。
人となる大事な経験を知恵を持って育つ弟子たちを見守る眼差しが優しい。